普段からちいかわは、ささいなことでビックリしてしまったり、不安や恐怖を強く感じてしまったりする子。そのため、一緒にいるハチワレやうさぎよりも一番に迫り来る危険を察し、気づいていない2人に教えてあげるというシーンが原作でもアニメでもたくさん見られました。

 そんな不安や恐怖心を強く感じてしまうちいかわは、泣き虫ゆえにハチワレやうさぎにいつも守られることばかりでした。ですが、泣き虫で弱さの中にも守られるだけじゃなく、友達を守りたいというちいかわの強い想いが感じられるシーンがあるのです。

◆「ハチワレからのSOS」に気づいて救ったちいかわ

©ナガノ/ちいかわ製作委員会

<画像引用元:『ちいかわ』アニメ公式Twitter(@anime_chiikawa)より ©ナガノ/ちいかわ製作委員会>

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 いつも一緒にいることが多いハチワレは、ちいかわのことを理解して気にかけてくれているため「大丈夫?」と、ちいかわが何か言い出す前に気づいて声をかけてくれることばかり。

 どんな小さなことでも助けてもらうことが多く、これまでのちいかわの行動から考えると自分で考えてハチワレのために行動したちいかわの強い想いに、胸に込み上げる感情を抱いた人も多かったのではないでしょうか。

 討伐中に大きな穴に落ちてしまったハチワレは、穴の深さに絶望を感じてしまいます。いつもは楽観的な姿を見せてくれていたものの、孤独や心細さを感じてしまっては「喜びがない……」と、涙を見せながらつぶやくハチワレ。

 そんな不安を感じていたハチワレの元に突然ちいかわが現れます。ハチワレの様子を察すると勢いで同じように穴に降りようとするちいかわでしたが「ふたりで落ちたら、登れなくなっちゃうよッ!」といったハチワレの言葉を聞いたちいかわは、降りることをやめるのです。

 すると、何かひらめいたちいかわは一度ハチワレの前から姿を消し、再びハチワレの前に戻ります。

 友だちが助けにきたと思い、少し安心したハチワレですが、なかなか戻ってこないちいかわに対して、不安や寂しさを感じてしまったのでしょう。「戻ってこない……」と再びネガティブに……。

 そんな不安を感じていたハチワレの元に「なんかのツタ」を持ってきたちいかわ。いなくなったのはハチワレのことを見捨てたわけではなく、実は……ハチワレを救い出すため、ツタを木に結んで持ってきてくれたのでした!

 少し前までのちいかわは泣きながら「どうしよう……」と焦ってしまったり、誰かに助けてもらうシーンが多く見られました。しかし、誰かに助けを求めることなく一人で考え、ハチワレのため行動したところからは、ちいかわの成長を感じられたました。

 ツタを「えいっ!」と投げるとハチワレも予想していなかったのか「えー! すごいっ! これなら登れるよ!」と、ちいかわを褒めました。ちいかわに感謝を伝えると「よいしょ……よいしょ……」と、ちいかわが持ってきてくれたツタを使って壁を登ります。

 戻ってきたちいかわの手には「なんかツタ」が握られており、そのツタをロープのように使ってハチワレを救出します。

 たとえ友達のピンチだとしても不安や困惑から泣いて動けなくなってしまったり、誰かに助けを求めたりすることの多いちいかわ。ですが、不安や困惑を抱きながらも友達のピンチゆえに「自分がしっかりしなければ!」というハチワレへの強い想いがちいかわの行動から感じられました。

 また、ちいかわは泣き虫で怖がりという弱い部分を持っているものの、いざというときには誰もが思い浮かばなかったことや、相手の想いに自然と寄り添える優しさがあります。

 そんなちいかわだからこそ、ハチワレが大きな穴を登るとき、おそろいで持っていたさすまたを「持っていけないからいいよ」といった、ハチワレの言葉が心に引っかかってしまったのでしょう。

 ハチワレが大切にしていることを知っているからこそ「持っていかないと!と、迷いを見せることなくちいかわ自ら大きな穴に飛び込み、さすまたを持って一緒に地上に上がるという驚くべき行動を見せてくれました。

 勇気を出してくれたちいかわの行動に、思わずハチワレは嬉しさで涙します。

 自分のことだけを意識していると、どうしても不安や恐怖心が勝ってしまうもの。ですが、大切に想っている友達が困っていると不安よりも強い使命感を抱くため、こうしてハチワレのために勇気を出し自ら考えた行動をちいかわは見せてくれたのでしょう。

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