『HUNTER×HUNTER』には、有名人がモデルとなっていると考えられるキャラクターやシーンが登場します。その中には『アメトーーク!』や『イワクラと吉住の番組』で公式に認められたものも。特に冨樫先生が大好きなアイドルのネタは満載で、普通ならさらっと読み流してしまいそうな細かい所にも仕込まれています。
◆アノ芸人やアイドルも!
2018年5月24日放送の『アメトーーク!』の「HUNTER×HUNTER芸人」で、ケンドーコバヤシさんが単行本第23巻の「復讐」と書かれたパンツを履いているキャラは自分であると明らかにしています。股間のアップで顔は描かれておらず、あまりじっくり見ることがない表紙の見開きページの1コマだったこともあって、この事実に驚いたファンも多かったです。
復讐パンツの絵とともに「大阪のTVおもしれぇ~~」という冨樫先生のコメントが添えられています。第23巻の第1刷発行が2006年3月8日となっており、この大阪のTV番組は『オールザッツ漫才2005!GO!GO」だろうといわれています。
この番組で復讐パンツを履いたケンドーコバヤシさんが、結婚式の司会という設定でネタを披露しています。復讐パンツはネタには絡んでいないため、たむらけんじさんのお腹の文字「ティッシュがこの世にないと思うとゾっとする」「数の子の塩ぬきむずい」のような出オチの役割なのでしょう。
『オールザッツ漫才』は1990年から年末に、基本関西ローカルで放送されているバラエティ番組です。現在のようにTVerで観られないため、冨樫先生はインターネットの同時配信で視聴されたのだと思われます。
また、第35巻のオマケページでは、ハライチの澤部佑さんがネタに。坊主頭のゴツイ男ビンセントが「澤部みたいって言われたんだぞ」「普通怒るだろ」と暴れており、「彼女はハライチの大ファンでほめ言葉のつもりだったとショックを受けている」となだめられています。
ビンセントは坊主頭ではありますが、顔はそれほど澤部さんに似ているというわけではありません。そのため、このオマケページがなければ、彼がビンセントのモデルだと気付かなかった人も多いでしょう。
また、第38巻ではブラックホエール号内の映画館に、女性の姿が描かれたポスターが飾ってあります。
2023年11月21日に放送された『イワクラと吉住の番組』において、冨樫先生は「作中のポスターは有美子さんを含む櫻坂46のメンバーを描いたもので間違いありません」と認定していました。このほかにも『HUNTER×HUNTER』には、欅坂46のネタも満載です。
カチョウの守護霊獣の能力2人セゾン(キミガイナイ)は、能力名と読み方のいずれも欅坂46の楽曲タイトルとなっています。また、カミーラの念能力である百万回生きた猫(ネコノナマエ)は『猫の名前』から、11人いる!(サイレントマジョリティー)も同名の楽曲から名づけられたものです。
また、ハルケンブルグが能力を発動するときに「不協和音」のポーズをしていたり、イルミが「ひらがなけやき」のポーズをしたりしています。晩餐会のステージでは、「語るなら未来を」の振り付けポーズをしていると思われる女性たちも。
さらにブラックホエール号の第3層一般乗客エリアにはSRCL9041とSRCL-9488が記載された看板があります。これは前者が「サイレントマジョリティー」、後者が「真っ白なものは汚したくなる」という楽曲の商品番号と同じです。
冨樫先生の欅坂46好きは『週刊少年ジャンプ』の巻末コメントにもあふれています。渋谷で「ガラスを割れ!」を買ったことについて触れていたり、「スタッフの種花と申します。今週よりコメントの担当をさせていただきます!ど〈義博〉」とコメントしていたり。この種花とは欅坂46のプロダクションseed&flower合同会社のことだといわれています。
──芸能人がモデルとなっているキャラクターやシーンは、舞台がブラックホエール号内になってから特に多いです。そのため、今後も数多くのネタが仕込まれていく可能性があります。新たなキャラクターや念能力をはじめ、ポーズにも注目しながら読み進めれば、新連載をより楽しめるでしょう。
〈文/相模玲司〉
《相模玲司》
大学卒業後、編集プロダクションに入社。メンズファッショ誌の編集に従事したのち、フリーランスの編集・ライターとして独立。アニメ・漫画関連のムック本の制作や、週刊誌のWeb版でアイドルの取材記事やサブカルチャー記事の作成に携わる。
※サムネイル画像:Amazonより 『「HUNTER×HUNTER」第9巻(出版社:集英社)』



