※この記事には漫画『HUNTER×HUNTER』のネタバレが含まれます。ご注意ください。
※本記事は漫画『HUNTER×HUNTER』に関するライター個人の考察・見解に基づくものであり、公式の設定や見解とは異なる場合があります。
ヒソカが勝利した戦いで、苦戦しているものは一つもない──。そんな絶対的な強者として描かれてきたヒソカに対し、実は「格上かもしれない」と思わせるキャラクターが序盤から存在していたことは、意外と見落とされがちな事実です。
キメラアント編以外でも多くのキャラクターと絡んでいるヒソカは、『HUNTER×HUNTER』において強さの指標となっている重要人物です。戦いには至っていないものの、実際にはヒソカを上回る実力を持っていた可能性があるキャラクターが、作中には複数存在しています。
◆ネテロに軽くあしらわれたヒソカ
ネテロは「念使いで最強だったのは半世紀以上前の話」と自己評価していましたが、ハンター試験でヒソカが挑発してきたとき、いとも簡単にあしらっていました。メルエムとの死闘を見ても、ネテロがヒソカより格上であることは明らかです。
最終試験前の面接後、ヒソカはネテロを「スキだらけで毒気ぬかれちゃったよ」「くえないジイサン」と評していました。ヒソカは強敵やゴン・クラピカのような素質ある「青い果実」を見るとたぎる、シリアルキラー気質の持ち主です。そのヒソカの衝動すら一瞬で消してしまうネテロは、格が違う存在だといえるでしょう。
ネテロはメルエムに対してまともなダメージを与えられませんでしたが、百式観音の攻撃を見切ったり回避したりできる念能力者はほとんど存在しません。バンジーガムを張りやすい森の中という、ヒソカ有利の地形での戦いだったとしても、百式観音をかわすのは至難の業であり、森ごと押しつぶされれば終わりです。
このほか、ヒソカ自身が戦いを挑んだジン、実際にヒソカを打ち破ったクロロ、メルエムや王直属護衛軍のピトーたちも実力は上といえるでしょう。ネテロとの戦いはもう実現しませんが、クロロとの再戦やジンとの対決は今後ぜひ見てみたいところです。
◆ハンター試験で遭遇したメンチとサトツはかなりの実力者
第287期ハンター試験で、ヒソカは試験官を務めていたメンチとサトツの実力を高く評価していました。登場シーンが限られているため能力の詳細は謎ですが、2人ともヒソカを上回っていた可能性があります。
ヒソカは2人が姿を現した瞬間から敵意を向け続け、ケンカを売る行動をとっていました。これはヒソカが2人と戦いたがっていた証拠といえます。第1次試験のヌメーレ湿原では、本物の試験官かどうか確かめるという口実のもと、サトツを攻撃して挑発もしています。
しかし、サトツはヒソカの意図を見抜いており、次に攻撃したら即失格にすると釘を刺しました。これによってヒソカは露骨な行動を封じられ、敵意を向け続けるにとどまりました。
一方、メンチの相方であるブハラがヒソカの敵意を感じ取ったのは、第2次試験で全員不合格になってからのこと。つまりブハラは挑発の対象ではなく、ヒソカにとって戦っても楽しくない相手だったのでしょう。
ヒソカの行動原理から考えると、自分より強い相手には自分から近づき、弱い相手には恨みを買って向こうから仕掛けてくるよう誘導します。メンチとサトツに対して仕掛けようとしていたことを踏まえると、この時点ではヒソカが2人を格下と見ていた可能性もあります。
ただし、このときのヒソカには特別な事情がありました。クロロと戦うためにハンター試験に挑んでいたヒソカは、前年に試験官を暴行して失格になった経緯があります。そのため、戦いたい気持ちを抑え、合格を優先して我慢していた可能性も十分考えられます。まだ実力が明らかになっていないメンチとサトツは、このとき実はヒソカより強かった可能性があるでしょう。
もし2人がヒソカと戦っていたら、実力伯仲の熱い戦いになっていたかもしれません。今後のストーリーに絡んでくる可能性は低く、死後に念が強化されたヒソカならば今は圧倒してしまうかもしれませんが、あの時点での対決は見てみたかった一戦です。
◆グリードアイランドで出会ったビスケ
ヒソカはグリードアイランドで再会したゴンやキルアの成長ぶりから、ビスケが師匠であることを見抜きました。しかし彼女と戦いたがる様子はなく、戦闘向きではないと判断していたようです。これはビスケが格上の実力を巧みに隠していたからだと考えられます。
会長選挙の場でヒソカが十二支んの品定めをした際、ピヨンには77点をつけていました。一流のハンターでも戦闘力がヒソカ並みとは限らず、ビスケも同じタイプと判断したのでしょう。
しかし実際のビスケは、普段の少女姿とは裏腹に、本来の姿は筋肉隆々のたくましい体格をしています。猫をかぶっているのは外見だけでなく、能力においても同様です。本来の力を発揮するのは本来の姿のときに限られており、ゴンがヒソカと組んでレイザー攻略に挑んでいる最中も、ビスケはその姿を一度も見せませんでした。
もし正体をさらしていたら、ヒソカは確実に戦いを求めてきたでしょう。そうさせなかった時点で、ビスケのほうが1枚上手だったといえます。実年齢57歳の豊富な経験を持つ本気のビスケであれば、ヒソカを上回る実力を持っていると考えて間違いないでしょう。
◆ドッジボールで対決したレイザー
グリードアイランドでのドッジボール対決において、ヒソカはレイザーを2度出し抜いてチームの勝利に貢献しました。この結果だけ見ると、ヒソカのほうが格上のように思えます。
放出系が得意とするのは、相手と距離を置いた戦い方です。ドッジボールという舞台はまさにレイザーに有利なフィールドでした。対してヒソカが本領を発揮するのは、バンジーガムを活かせる障害物の多い地形です。そのような圧倒的不利な状況下で、レイザーの予測を2度上回って勝利をもたらしたのがヒソカです。
また、対決後にヒソカがレイザーと戦いたがる素振りを見せなかったことからも、直接戦闘ではヒソカが格上と判断できます。
ただし、レイザーはジンとともにグリードアイランドを制作したメンバーの1人。その能力の多くをゲームの構築に割いている可能性があり、全力を戦闘に向けた場合はヒソカを超えていたかもしれません。あの熱い対決を見ていれば、ガチの死闘での再戦を想像せずにはいられないでしょう
──ヒソカが勝った戦いに苦戦は一切なく、その強さはほぼ無欠です。だからこそ、真にヒソカを追い詰める相手を見たいというファンの声は根強くあります。死後の念強化で復活し、さらなる力を手にした可能性があるヒソカが、今後どんな戦いを見せてくれるのか。クロロとの再戦を中心に、今後の展開から目が離せません。
〈文/相模玲司〉
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