『ONE PIECE』で“長い鼻”といえば、麦わらの一味のウソップのトレードマークです。しかし、ウォーターセブン編で登場したCP9の諜報部員・カクもまた、四角くて長い鼻を持つ強烈なインパクトの持ち主でした。作中でも屈指の“長鼻キャラ”であるこの二人、いったいどちらの鼻のほうが長いのか。読者からの直球質問に対し、尾田栄一郎先生がまさかの判定を下していました。
◆ウソップvs.カク! 鼻の長さ対決の行方は?
その“頂上決戦”の判定が下されたのは、コミックス第37巻の質問コーナー「SBS」でした。ある読者から「ウソップの鼻と、大工職長カクの鼻。どっちが長いの?」という、誰もが一度は気になっていた素朴な疑問が寄せられたのです。
ウソップの鼻は、丸みのある特徴的な長鼻。対するカクは、その名の通り“角張った”四角い長鼻で、どちらも長さにおいては甲乙つけがたいインパクトを放っています。これに対し、尾田先生は実際に二人の鼻を比較するという検証を行いました。
その結果、下された判定は「あ!まるみ分ウソップの方が長いっ!!」という、なんとも尾田先生らしいユニークな回答でした。
ミリ単位やセンチ単位で測るのではなく、「まるみ分」という絶妙な表現。カクの鼻は四角く角張っているため、先端がスパッと切れているような形状をしています。一方、ウソップの鼻は先端が丸く膨らんでおり、そのわずかな“丸み”の差でウソップに軍配が上がったのです。
シリアスな戦闘能力や悪魔の実の強さだけでなく、こんなささいな身体的特徴の比較にまで、作者自身が真剣かつ面白おかしく向き合ってくれる。この遊び心こそが、『ONE PIECE』という作品の底抜けの明るさを支えている要素の一つといえるでしょう。
ちなみに、カクは後にキリンの能力者となり、首や四肢だけでなく鼻まで伸び縮みさせて戦う「鼻銃(ビガン)」などの技を披露しています。もし能力発動時の鼻も含めて比較したら、結果は変わっていたかもしれません。しかし、あくまで平常時の長さにおいては、ウソップの“丸み”が勝利を決定づけたのです。
──一見どうでもいいような鼻の長さ対決に、作者自身が「まるみ分」という絶妙な判定を下す。この遊び心こそが、激しい戦闘が続く物語の中で、ふとした瞬間に読者の心を和ませる清涼剤となっているのかもしれません。ウソップの勝利は、強さだけがすべてではない『ONE PIECE』の世界観を象徴する、愛すべき小さな勲章といえるでしょう。
〈文/凪富駿〉
《凪富駿》
アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。特にジャンプアニメに関する考察記事の執筆を得意とする。作品とファンをつなぐ架け橋となるような記事の作成がモットー。
※サムネイル画像:Amazonより 『DVD「ONE PIECE Log Collection “WATER SEVEN”」(販売元:エイベックス・ピクチャーズ)』



