<この記事にはTVアニメ『ワンピース』と原作漫画『ONE PIECE』のネタバレが含まれます。ご注意ください。>

 ボニーがベガパンクとさっそく激突!? エッグヘッドの戦いだけでなくキッドの行き先やコビーを失った海軍の様子も明らかに──!?

 やっとルフィたちが研究層(ラボフェーズ)のメンバーと合流。これからCP-0との対決の第2ラウンドが始まるかと思いきや、第1103話「父を戻せ!儚きボニーの願い!」ではボニーとベガパンクの戦いだけでなく、ワノ国で別れたユースタス・キッドの行き先や、コビーの救出を願うSWORDの続報が判明する意外な展開が目白押しの回となりました。

◆ボニー vs. ベガパンク! ボニーが悪魔の実の能力で大暴れ!

 無事ルフィがナミたちと合流したのも束の間、サニー号ではゾロとカクがさっそく再会。その上、肝心のベガパンクの行方が分からなくなるというピンチを迎えます。ルフィたちの嫌な予感は的中していて、ベガパンクはボニーに見つかってしまい襲われているまっただ中だと判明します。

 バーソロミュー・くまの自我を奪いサイボーグにしたことを怒るボニーに対して、頑なに改造したワケを話さないベガパンク。「それを話せばボニーを傷つけてしまう」「くまと約束した」と、どうやらくまがサイボーグとなった理由とボニーには何らかの因果関係がありそうですが、その理由は今回は明かされません。

 レッドラインを登るバーソロミュー・くまと、ベガパンクが入室を引き止める部屋に隠された謎の肉球型の球体。この球体はニキュニキュの実の能力でルフィの痛みや疲労を弾き飛ばした時の物体に似ていますが、いったいなぜここにあるのか? エッグヘッド編はベガパンク暗殺を阻止するシリーズかと思わせたここ数話ですが、ここに来て未だ謎の多いバーソロミュー・くまの背景に迫るシリーズにもなってきそうな気配を見せています。

 それにしても怪我のフリをしたボニーを気遣おうとして出てきてしまうベガパンクの様子にも彼の善人ぶりや、初対面ではないであろうボニーとの過去の関係性が感じられる場面ではありました。

 加えて、ボニーの悪魔の実の能力が年齢を操作する能力であることは判明していましたが、具体的に弾きだされる年齢の描写や永遠の効力がないことや、さらには自身を巨体にさせるような能力や物体を劣化させる能力など、ボニーの実力のディテールが描かれているところも見所といえます。改めて最悪の世代の一人として数えられるのも納得の万能ぶりが感じられる回となりました。

◆意味深?まさかのキッド海賊団の行き先が判明!

 今週はエッグヘッドの様子だけでなく、島外のキャラクターの続報も描かれます。ワノ国で別れた、最悪の世代仲間であるユースタス・キッドの様子がわずかながらに描かれます。 キッドが行き着いた先は異様に大きな魚が生息する地帯ということで、その行き先が判明するとその生態系にも納得。キッドが行き着いた先は巨人たちの島「エルバフ」でした。

 エルバフといえば、遥か前にリトルガーデン編で出会ったドリーとブロギーの発言で初めて登場した巨人族の故郷。ルフィやウソップも行くことを熱望していた島だっただけに、もしワノ国の出航時の出航方向を決めるジャンケンでルフィがキッドに勝っていたら、ルフィがエルバフにたどり着いていたと思うと惜しいです。

 しかもこのエルバフについては最近のエピソードでも、サウロが潜んでおりオハラの大量の書籍が隠されている場所であることも判明している島です。度々名前の上がる島であることや、このタイミングでの登場に何か意味があるとするのであれば、久しぶりにキッドの活躍の機会が示唆されているのかもしれません。

◆ガープ中将参戦! まさかの四皇 vs. ガープ勃発?

 そして今回はもう一つ、エッグヘッド以外の動向が描かれます。それがコビーが黒ひげに拉致されてしまい、ヘルメッポやひばりが涙していた海軍のその後でした。

 海軍本部のG-14支部に現れたのは、ルフィの祖父でありコビーやヘルメッポの師であるガープ中将。前回、黄猿による海軍の招集が描かれていましたが、これからエッグヘッドに向かおうとする中将ドールを押し切って、海賊島・ハチノスへ乗り込むことを宣言します。

 ここに来てまさかのガープ中将 vs. 黒ひげの対戦カードを予期させる展開を迎えました。海軍はルフィとの激突も警戒していましたが、四皇になると安易に海軍も手を出せないようですが、その段取りを無視して、堂々と殴り込みに臨もうとする様子がいかにもガープらしいです。

 ただ忘れてはいけないのが肝心の黒ひげはトラファルガー・ローとの対決が描かれたばかり。ローとの対決の行方が不明であることや、コビーの安否も不確定。果たして、ガープのコビー救出作戦は無事成功するのか。前提からかなり不安も感じさせるところで次回へと続いていきます。

 以前のロー vs. 黒ひげだけでなく、エルバフのキッドや海軍のコビー救出作戦と、エッグヘッド編と同時進行で気になる展開が続々と描かれています。

 その流れで迎える次回の第1104話「絶体絶命!セラフィム総攻撃!」はエッグヘッドの戦いが進展するよう。CP-0の三人とセラフィム三体を相手にベガパンクを守りきるのは困難な気がしますが、どう戦っていくのか注目ですし、これまでのシリーズと違ってルフィたち以外の物語も同時に描かれていくのが新鮮です。エッグヘッド編、まだまだ盛り上がっていきそうです。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

※サムネイル画像:YouTubeチャンネル 『ONE PIECE公式YouTubeチャンネル』より

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