※この記事にはTVアニメ・原作小説『Re:ゼロから始める異世界生活』のネタバレが含まれます。ご注意ください。
※本記事はTVアニメ・原作小説『Re:ゼロから始める異世界生活』に関するライター個人の考察・見解に基づくものであり、公式の設定や見解とは異なる場合があります。
『Re:ゼロから始める異世界生活』(以下、『リゼロ』)は、エミリアがルグニカ王国での王選を勝ち抜くためにスバルが力を貸す物語だったハズ……。しかし現在、王選はどうなっているのでしょうか? 実は、あらためて王選を振り返ると、魔女教との戦いや、プレアデス監視塔の攻略が、王選突破につながっていることが分かります。
◆そもそも王選はどう勝つのか 曖昧なルールに残る重要な条件
ルグニカの始まりは、“最後の獅子王”ファルセイル・ルグニカが治める時代に、“神龍”ボルカニカと盟約を結んだことで、現在の親竜王国ルグニカとなりました。盟約の内容は、国が窮地に陥った際に神龍が力を貸すというもので、ファルセイルの血筋に対して結ばれたものでした。
しかし、TVアニメ第12話や第13話でも語られていた通り、なぜかルグニカ王族だけがかかる原因不明の伝染病により、王族は滅亡してしまいます。それにより、ファルセイルの血脈は絶たれ、神龍との盟約も白紙の状態となっているのです。
そこで、新たに次期国王を決めて盟約を結び直すために「王選」が行われることになりました。次期王の候補は、神龍からもらったとされる「竜歴石」にいつの間にか刻まれていた「竜珠に選ばれた五人の巫女」……。
この竜珠は、具体的にはエミリアが第1話で持っていた徽章に嵌め込まれた玉石であり、それが輝けば持ち主は「参選の資格あり」と見なされることになります。こうして選ばれた候補者が、エミリア、クルシュ、アナスタシア、プリシラ、フェルトの5人です。
それでは、王選はどうやったら勝てるのか? 実は、ルールに関しては原作やアニメなどでも断片的にしか語られていません。それらの情報をまとめると、以下の3点が重要であることが分かります。
・期限は3年後。
・国民の総意を得ること。
・竜珠が最も明るく輝いた者が神龍と新たな盟約が結べるということ。
しかし、どうやって国民の総意を得るのか、どうすれば徽章の竜珠が輝きを増すのか、この辺は明確に語られておらず、具体的な方法が曖昧になっているのです。
◆エミリア最大の弱点は人望? スバルの活躍が評価を変える可能性
まず、国民の総意を得る方法に関しては、これは単純に国民からの人望をコツコツ集めていくという解釈で問題なさそうです。
というのも、TVアニメ第19話でクルシュ陣営は白鯨討伐に動いていました。これは、従者であるヴィルヘルムの敵討ちという側面も大きかったのですが、クルシュにはもう一つ大きなねらいがあったことが、スバルの交渉材料に利用されたことで、間接的に明かされています。
それが、「商業連合からの信頼を勝ち取る」という目的です。スバルは、白鯨討伐の「栄誉」をクルシュに譲る代わりに同盟を持ちかけていました。事実、白鯨は物流の要衝である街道にも出現して商人たちを襲っていたので、討伐できればその栄誉は王選に大きく影響するはずです。それを裏付ける背景として、クルシュは人望があるものの、商人たちからの評価はやはりアナスタシア陣営に劣っていました。
また、貧民街出身のフェルトも自らの出自と反体制を打ち出しており、ラインハルトの支援と現体制に不満を持つ人間たちの支持を受けて基盤を盤石なものとしています。このように国民の総意とは、泥臭く地道な方法で支持基盤を拡大していくのです。
一方で、エミリアに関しては、“嫉妬の魔女”サテラとそっくりであることから、その人望は5人の中でも最底辺。しかし、逆に考えればあとは評価が「上がる」しかないとも捉えられます。
このような状況だからか、スバルはTVアニメ『リゼロ』3rd seasonでも描かれた通り、着実に人望を集めているのです。そんなスバルがエミリアを大々的に支持すれば、いずれエミリアへの評価も変わっていくかもしれません。
つまり、今後スバルがエミリアの人望をいかに集め続けられるか……それが王選突破のカギの一つだと考えられるでしょう。
◆竜珠はなぜ輝くのか エミリアに問われる“王の器”
竜珠の輝きの強さについては、現状一切の情報がありません。どうすれば、輝きが増すのでしょうか? 結論からいうと、輝きを増すには「神龍に認められる」ことだと考えられます。
そもそも竜珠が輝いた時点で、王選への参選資格の証明となります。言い換えれば、「王になる資格を有した存在」の証明とも捉えられます。つまり、その輝きが増すということは、王としての「資質」が高まっていることを示しているのではないでしょうか?
そして、王の資質を総合的に判断するのが、竜珠を授けた“神龍”ボルカニカだと考えられるのです。かつて、ボルカニカと盟約を結んだファンセイルは、「獅子王」の二つ名がありました。どんな人物かは原作でも謎に包まれていますが、少なくともそんな大層な二つ名がついていることからも、神龍に認められるほどの傑物であることは間違いないでしょう。つまり、簡単に言えば、竜珠の輝きは神龍と対等に話せる器であるかの試金石といったところでしょうか。
エミリアは、当初親代わりであったパックに頼りきりで、パックがいなくなったあとは、スバルに頼り切っていました。しかし、TVアニメ『リゼロ』2nd seasonで試練を突破して以降、エミリアは心身ともに急速に成長しています。
精神的な成長もそうですが、現在のエミリアは魔法使いとしても作中トップクラスの成長を遂げているのです。実際に、TVアニメ第72話では、初代剣聖レイドの試験を突破する実力を見せていました。そして重要なのは、エミリアは常に仲間たちを守るために力を使っている点です。
これは国民たちを守る、王としての資質が深まっているとも解釈できるのではないでしょうか。この点に関してはスバルの助けというよりも、エミリア本人の努力が必要な部分だと考えられますが、今後竜珠の輝きを増す要因になってくるのかもしれません。
◆エミリアが見た不吉な未来 王城で起こる“裏切り”の可能性
TVアニメ第48話で描かれた、エミリアが第三の試練で目撃した起こりうる可能性がある「未来」。実は、アニメによって判明したのですが、エミリアが見た未来の場所は窓や玉座、さらに床の模様がルグニカ王城と完全に一致していたのです。
つまり、これは今後の王選において不吉な「未来」が起こることを暗示しているとも解釈できます。さらに、エミリアが誰かに「嫌い。嫌い。大っ嫌い。初めて会った時からずっと、あなたのこと、嫌いだった」と言い放っていた場面があります。
ここで違和感があったのは、エミリアが涙を浮かべていた点です。仮に、敵陣営の誰かに向けた言葉であった場合、はたして涙を浮かべるほど悲しがるのでしょうか?
つまり、これは未来においてエミリア陣営の誰かが裏切ることを示唆しているとも考えられるのです。そうなると、この悲劇の未来を書き換えることこそがエミリアが王選を突破する上で必要になってくるのかもしれません。
そしてそのときこそ、運命を書き換えることができる唯一の男の見せ場となるのかもしれません。
──王選の条件を見ていくと、エミリアにとってかなり不利な条件ばかりです。だからこそ、魔女教討伐やプレアデス監視塔の攻略は、彼女の人望を集めることや器を成長させる側面として必要なことだと捉えられます。今後もエミリアには数々の困難が待ち受けると思いますが、いかにスバルがサポートしていくのか、そこが一番の注目ポイントとなっていくのでしょう。
〈文/fuku_yoshi〉
《fuku_yoshi》
出版社2社で約10年にわたり編集業務に従事した元編集者。男性向けライフスタイル誌やムック制作のほか、漫画編集者としての経験も持つ。現在はフリーライターとして、映画・アニメ・漫画などサブカルチャー領域を中心に記事を執筆。漫画考察記事では、元編集者の視点を活かし、作品内の描写や設定を論理的に読み解く記事制作を得意としている。
※サムネイル画像:TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』オフィシャルサイトより 『TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」第1話 場面写真 (C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活1製作委員会』


