◆恐怖のカイドウ!無慈悲な串刺しの餌食になったのは?

 今回のエピソードではアクションシーン映えの前半に対して、後半はドラマで魅せていきます。

 前回、ついにカイドウと再び対面することとなったモモの助たちの様子が描かれます。

 ただでさえ一度敗北して大怪我を負ったはずの錦えもん。その錦えもんが、今食い止めるのは自分しか居ない、とモモの助を逃がすための時間稼ぎを担います。

 ここでモモの助と錦えもんのこれまでの思い出を振り返るシーンを流すのがずるい! 今や殿の家臣のイメージが強い二人ですが、そういえば当初はこの二人は親子を演じていましたね。

 モモの助と錦えもんが登場してからも長い月日を思い出させられると共に、二人の絆を見せつけながら、錦えもんが無慈悲にもカイドウによって串刺しにさせられるというのが残酷です。

◆決死の行動!モモの助が雰囲気を変える!

 この悪夢のような状況の中、モモの助の頭をよぎるのが、かつて錦えもんから貰った言葉であることにも心を打たれます。

「泣くな。さぁ今一度辛くとも立て、モモの助。」

「しっかりするのだ。」

 錦えもんの言葉でモモの助は自身を奮い立たせます。そして取った行動は、バオファンが城内アナウンスとして使っていたメアリーズの一匹であるカエルを使い、城内に“あること”を伝えます。

 ここで何週間にも渡って、謎となっていたモモの助が感じていた頭痛の正体が明らかになります。実は、あの頭痛はルフィからのメッセージを受け取っていたものであり、モモの助はその声から、ルフィがまだ生きていること、そしてルフィがまだ戦う気があることを知っていたのです。

「ルフィは生きておる! 必ず戻ると拙者に語りかけてくる!」

「だから戦い続けてくれ! 痛くとも! 辛くとも! すまぬが命の限り戦ってくれ!」

 ルフィ敗北により士気が下がっていた城内でしたが、モモの助の言葉で戦意が戻るという、熱い展開となっていました。

 今回のエピソードで思い出したのがエニエス・ロビー編でジャブラに追い詰められたウソップの窮地にサンジが駆けつけるシーンです

 助けに現れたサンジが「誰にでもできることとできねぇ事がある」「お前にできねぇ事は俺がやる、おれにできねぇ事をお前がやれ」とウソップに告げ、その言葉を受けてウソップは狙撃の力でロビンの窮地を救いました。

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 今回のエピソードでは、サンジがピンチに駆けつけるシーンがあるという共通点からも、同シーンを思い出します。ウソップ以上に戦力のないモモの助ですが、そんな彼にも、彼にしかできない事があり、ただ“ルフィのメッセージを伝える”ということであっても、それが戦況を変える力になっているーー。たとえ、強くなくても戦う方法がある事を描いた、優しいメッセージとして受け取れました。

 この盛り上がりから迎える次回は第1037話「ルフィを信じろ!同盟反撃開始!」が放送されます。ルフィの敗北以降、苦しい状況が続いていましたが、モモの助が上げた士気によってどんな反撃をしていくのか楽しみです。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

※サムネイル画像:YouTubeチャンネル 『ONE PIECE公式YouTubeチャンネル』より

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