皆さんは、『12歳。』(じゅうにさい)という作品を知っていますか?

 作者は「まいた菜穂」。2012年から連載が始まり現在も続いている小学館「ちゃお」の漫画作品で、2016年には『12歳。〜ちっちゃなムネのトキメキ〜』というタイトルでアニメ化もされています。

12歳。 10.5 公式ファンブック (ちゃおコミックススペシャル)
画像引用元:12歳。 10.5 公式ファンブック (ちゃおコミックススペシャル)
販売元:小学館

 タイトルにもある通り、大人でも子どもでもない……思春期真っ盛りの12歳、小学校6年生の男女の学園生活、淡い恋愛模様、友情などが描かれた作品なのですが……その登場人物のポテンシャルが半端ない!

 特にW主人公である綾瀬花日と蒼井結衣の恋のお相手となる、高尾優斗と桧山一翔。この二人の男子は、はっきり言ってもう、小学生の次元を軽く超えています。

 と、いうことで今回は、『12歳。』に登場する人物たちの年齢を凌駕した高すぎるポテンシャルについてご紹介します!

正反対だけど魅力爆発☆二人のヒロイン

12歳。~読書ノート~ (ちゃおノートブック)
画像引用元:12歳。~読書ノート~ (ちゃおノートブック)
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 まずは、W主人公の一人・綾瀬花日。

 小柄で見た目も幼くツインテールで喜怒哀楽が激しい、この作品で一番小学6年生と言える人物なのではないでしょうか。

 ですがこの花日ちゃん、真っすぐな性格で能天気なようでいて周りに流されない強い意志を持っており、他人への優しさを忘れず困った人を放っておけない面もある素直で可愛い人物。

 そう、ヒロインに必要な要素を余すところなく兼ね備えているのです。まさに王道のヒロイン、ヒロインになるべくして生まれてきた女!

 なのでハイスペック男子・高尾優斗ももれなく恋におちてしまいます。花日……恐ろしい子!

 ただ一つ気になるのは、お相手の優斗がかなり大人っぽくて背も高いので二人並ぶと若干犯罪の香りがするところでしょうか。同じ12歳なのに。

 次に、もう一人の主人公・蒼井結衣。

 花日の親友で大人っぽい容姿の美人、見た目は大人しそうですが正義感が強く、そして巨乳という裏設定まであります。

 美人で巨乳……学校中の男子がざわつかないないはずがないのですが、結衣の周りは静かなもんです(アニメの第二話では隣のクラスの男子に告白されていましたが)。その正義感ゆえに男子にも物申しちゃうのでその辺が敬遠される理由なんでしょうか。私が男子なら絶対に放っておきませんがね!

 そういえば花日と結衣たちのクラス、6年2組には、分かりやすいライバルキャラがいます。

 クラスの男子人気ナンバー1女子・浜名心愛。

 どうして漫画に出てくる男子に人気のライバルってつり目が多いんだろう? という疑問はさておき。

 心愛は花日の彼氏・高尾優斗のことを狙っていて、ありとあらゆる手段で邪魔を仕掛けてきます。まあこの手のライバルキャラが報われることはないので……残念だったな!

 だがしかし、いじわる女子は男子人気が高いという少女漫画のテッパン設定をしっかり受け継いでいる彼女。

 やっぱり男って、若かろうが年を重ねようがいくつになっても心愛のようなあざとい女子に騙される生き物なのですね……。

 そして外せないのが花日と結衣の共通の友人であるハイテンション女子・小倉まりん。

 彼女はヒロインたちのアドバイザー的な存在で、自身の姉から得た恋愛情報を武器に様々な場面で二人をサポートします。

 デート時の服装やメイク、恋愛相談まで全て姉の受け売りでこなしてしまう、ある意味彼女も素晴らしいポテンシャルの持ち主です。

 『ときめきメモリアル』でいう所の、早乙女好雄のような立ち位置でしょうか。

 もし『12歳。』が恋愛シミュレーションゲームになったら……卒業式に花日にも結衣にもフラれて家に帰るとまりんがいて、二人で「女々しい野郎どもの歌」を歌うことになるのかもしれません。

 その他にもいかにも小学生! という言動と行動でクラスを引っ掻き回すクラスメイトの男子たちも登場し、作品を盛り上げています。

大人の余裕を持つ12歳、高尾優斗

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 それではここからはヒロインの相手役である素敵男子を順にご紹介します。

 まずは花日の彼氏・高尾優斗。

 イケメンで長身、面倒見が良くて優しく、頭脳明晰で運動神経抜群というハイスペック男子で、当然クラスでの女子人気はナンバー1です。

 結衣の彼氏・一翔ほどあからさまに他の女子を嫌がることはせず、誰にでも優しい大人の対応を見せますが(12歳でこの余裕……)花日がピンチの際には周りの意見に踊らされずに真実を見極め守ってくれるなど、好きな女子に対してのオンリーワン感も忘れません。

 花日と付き合い始めてからはわざと彼女をからかってその反応を楽しんだり、花日が名前で呼んで貰いたがっていることを知りながらわざとスルーしてみたりといじわるな言動と行動が目立つようになってきます。ええ、ドSですね。大好物です!

 優斗はとにかく空気を読む力が半端ない! 花日、結衣、一翔の四人で初デートにショッピングモールに行った際、そこで鉢合わせたクラスの男子たちにからかわれるのですが、現状を把握した優斗が一翔に合図を送り、二手に分かれて逃げます。その上クラスメイトを撒いた後の待ち合わせ場所まで決めておくという用意周到ぶり。

 そして彼から発せられる言葉にも破壊力があります。

 花日のファーストキスが理想とかけ離れてしまったことを謝るときの言葉。

―「はじめてだから気が回らなかった」

 花日が男子から責められたときに彼女を庇い、その後冷やかされてキスしろと言われた時の言葉。

―「もうしたから手を出すな!」 

 Wデートの帰り道、結衣を強引に連れて行った一翔を見送りながらの言葉。

―「二人きりでいたいってことじゃない? 俺もね……家まで送るよ」

 みなさん、よく思い出してください。彼はまだ小学6年生なんです!

 普通の小学生なんて、オレンジの猫と落雷を落とす黄色い生き物にしか興味ない筈なのに……これを見て思わず、あのう…あなたは32歳ですか? そう問いかけてしまうほど大人の余裕すら醸し出す優斗。

 彼はよわい12歳にしてすでに20代後半~30代の男が持つ包容力を兼ね備えているのです。

 そんな彼ですが、花日の可愛い面を垣間見ると真っ赤になって照れます、口ごもります! でもそんな時でも「可愛いよ」などの言葉は絶対に忘れません!

 いつもは大人の態度全開なのに、照れた時に垣間見せる微々たる小学生感。でも押さえるところはバッチリ押さえている。これがギャップ萌え+キュン死を融合させた、優斗最大の魅力と言えるでしょう。

 彼は小学生にして既に突っ込みどころのない理想の彼氏なので、これが大人になるとどうなってしまうのか……ちょっと心配だったりもします。どうかこのまま変わらないでいてね、優斗。

そのツンデレが堪らない! 桧山一翔

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 もう一人の素敵男子は、結衣の彼氏・桧山一翔。

 彼はどちらかと言えば花日に近い、小学6年生風の見た目をしています。何だろう……ずっと優斗の小学生らしからぬ生態を見てきたせいか、何だか安心する。

 一翔も優斗と同じくモテ男子。優斗のように優しさが駄々洩れているタイプではなく子供っぽくて口が悪く、背はあまり高くないものの運動神経が抜群なので、6年2組では優斗の次に女子に人気があり、その評価は他クラスにも及んでいます。

 彼らの一番の違いはその言動。優斗はいじわるだけど花日にも優しく接し、しっかりアプローチをするので付き合う前も花日から嫌われることなく自然に距離が縮まって行きます。

 でも一翔は不器用で口下手、素直ではないため結衣に対して憎まれ口ばかりきき、わざと嫌われるような行動を取ってしまう。

 あー、いるいる。乙女ゲームによくいるこのタイプ! もう絵に描いたようなツンデレです。

 結衣が自分の想いに気づくよりも前から彼女のことが好きなのに、誤解を招く態度ばかり繰り返していじわるをしてしまうので、当初は結衣からむちゃくちゃ嫌われています(涙)。

 でも地道な努力で彼女の好感度を上げて行き、遂には彼氏として花開くことが出来ました!

 おめでとう、一翔!!

 そんなツンデレ一翔ですが、男らしい部分もしっかり搭載しています。

 結衣が隣のクラスの男子・森に告白されてごめんなさいをした後、廊下で森と出くわし前を通るのを躊躇していると、先に自分が歩いて結衣を後ろにすることで森から隠そうとしてくれたり(一翔の方が背が低いので全く隠れてなかったけど)その森が結衣にフラれた腹いせにゲスイ噂を広めようとした際には、森に殴り掛かり乱闘騒ぎを起こしながらも結衣のことを守ろうとしてくれたり(結局ケンカの原因が結衣であることとその理由はバレてしまったようだけど)……最後がいつも締まりませんが、もしかして彼女のために体を張るという点では優斗より一翔の方が頑張っているかもしれません。そんな一翔、身長の低さが仇となったエピソードがあります。

 四人でプールデートに行ったとき(Wデートの多いカップルだな)目を離している間に結衣がナンパされてしまい、それを一翔が助けるのですが、背の低さゆえに「お姉さんと来たの?」と言われてしまいます。可哀そうに……

 大丈夫! 君はまだ小学生なんだから背なんてこれからバンバン伸びるから! すぐに結衣を追い越せるから!

 そんな彼のレンアイゴロクがこちら。

 一翔の実家の銭湯に行った際に母親の形見の鍵を失くしてしまう結衣。その時一翔はずぶ濡れになりながらその鍵を見つけてくれます。何度もお礼を言う結衣に対しての言葉。

―「もういいって……よかったな」

 森との一件を聞き、一翔にお礼を言いに行った結衣は思わず告白をしてしまう。恥ずかしくて立ち去ろうとする彼女を引き留め、結衣の頭にフードを被せて言った言葉。

―「……好きだ。結構、前から」

 四人でのWデートの帰り道、急に立ち止まって結衣に手を差し伸べながら言った言葉。

―「Wデートは終わりだ。帰りは、蒼井と二人がいい」

 ……あれ?こいつも結構負けてないぞ?

 優斗のスペックに隠れて目立ちませんが、負けず劣らずのイケメンスキルとキュン死テクニックを持ち合わせている一翔。見た目が年相応だからといって油断していると萌え殺されるので注意が必要です。

 

――今回はアニメの初期のエピソードを中心にお話しましたが、彼らの他にもイケメン男子枠として、東京から転校してきた花日の幼なじみ・堤歩や、結衣と同じ塾に通う他校生・三上稲葉が登場し、小学生であることを忘れてしまいそうな恋愛バトルを繰り広げます。

 エピソードもアニメと漫画では少し違っていたりもするので、是非それぞれチェックして、その初々しくも大人顔負けの恋愛模様にどっぷり嵌ってみてはいかがでしょうか?

(Edit&Text/彩乃)


「12歳。」公式サイト

©まいた菜穂/小学館
©まいた菜穂・小学館/アニメ「12歳。」製作委員会
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