大槻ケンヂさんも「わかるなぁバンドあるある。」と『ぼっち・ざ・ろっく!』に共感──!
昨年の秋アニメとして放送された『ぼっち・ざ・ろっく!』(以下、ぼざろ!)は、楽器メーカー・YAMAHAとコラボするなど、『けいおん!』が大ヒットしたときのように「自分もヒロインたちのように演奏してみたい!」と視聴者の魂を揺さぶり、ガールズバンドブームを巻き起こそうとしています。
アニメ発のガールズバンドブームですが、その火付け役となったのは、意外にもSF学園系アニメの『涼宮ハルヒの憂鬱』でした。
◆アニメ史における、ガールズバンド旋風の幕開けとは?
<画像引用元:Amazon.co.jpより ©はまじあき/芳文社・アニプレックス>
アニメで最初のガールズバンド旋風が巻き起こったのは、2006年放送の『涼宮ハルヒの憂鬱』の第12話「ライブアライブ」。今でもカラオケの人気ランキング上位に君臨するアニソン「God knows…」が披露されたことで有名な文化祭ライブ回です。
2009年には女子校の軽音楽部を舞台にした『けいおん!』の第1期が放送されそれが人気爆発。
これをきっかけに、ガールズバンドを全面に押し出した作品が多く登場して、まだデビュー前だったLiSAさんを一躍有名にした『Angel Beats!』や、声優本人による2.5次元ライブを開催する『BanG Dream!(以下、バンドリ!)』、サンリオによるバンドがテーマのアニメ『SHOW BY ROCK!!』などが人気を集めました。
さらに昨年放送された『ぼざろ!』は、多くのアニメファンや音楽業界関係者を虜にするなど、アニメのガールズバンド旋風を起こそうとしています。
◆音楽業界にまで多大な影響を与えるガールズバンドアニメ!
<画像引用元:Amazon.co.jpより ©かきふらい・芳文社/桜高軽音部>
ガールズバンドアニメの中でも『けいおん!』は歴史に残る快挙を打ち立てています。というのも、関連楽曲のオリコンチャート1位2位を独占するという異例の記録はアニソン・キャラソン史上初。多くのファンがギターを買い、楽器店から楽器がなくなるほどのバンドブームを加速させました。
当時は、ニコニコ動画で演奏してみた(弾いてみた)が流行中。それを受けてか、劇中歌シングルCDの発売にあたっては、各楽器を一つずつ減らした「マイナスワンバージョン」が収録されていました。これは楽器のカラオケバージョンのようなもので、CDに合わせてファン自身が楽器の演奏を楽しめる工夫になっていたのです。
筆者自身『けいおん!」リアルタイム世代。衝動的にギターを買い、ニコニコ動画の弾いてみたを観ながら練習した青春時代がとても懐かしく思い出されます。
記憶に新しい『ぼざろ!』では、楽器メーカーYAMAHAとのコラボ企画が発表され話題になりました。
Youtubeで公開されているMVやライブ映像は軒並み100万再生超え。劇中歌「ギターと孤独と蒼い惑星」に至っては、すでに1200万再生を超えています。
12月に発売された「結束バンド」名義のアルバムは、Billboard JAPAN週間総合アルバムチャートで1位を記録。その後も首位を獲得し続け、1月18日には女性グループ初の4週連続デジタルアルバム1位を獲得するという快挙を成し遂げています。
『けいおん!』に次ぐバンドブームの再来か!? とも言える本作、Twitterを始めとするSNSにて、大槻ケンヂさんなど日本の有名ロックアーティストたちが感想を呟いているのも印象的です。
まだ正月「ぼっち・ざ・ろっく!」観る。コミュ障の高校生がバンドを始めるアニメ。もう共感しかない。わかるなぁバンドあるある。ひとりちゃんは自虐的性格が反転したらいいボーカルになるタイプかと。#ぼっち・ざ・ろっく
— 大槻ケンヂ・オーケン (@OfficialOken) January 3, 2023
『ぼざろ!』に楽曲提供を行なっているアーティストはもちろん、過去に『SHOW BY ROCK!!』でタイアップした、04LimitedのボーカルGEN氏なども反応を示しています。検索してみれば、自分の好きなアーティストも『ぼざろ!』を観て感想を呟いているかもしれませんよ!
『けいおん!』や『ぼざろ!』とは別の路線で活躍している『バンドリ!』。「アイドルアニメ」に近い印象だったため、まだバンドブームを起こしているとはいえません。ですが、楽器メーカーESPとコラボし、プロが使うのと同じスペック(シグネチャーモデル)のギターやベースを発売しています。
アプリゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』もアニメシリーズとストーリーが連動していて大好評!
さらに、キャラクターの声を担当した声優がバンドを組み、リアルライブバンドが生まれました。
『バンドリ!』発のリアルライブバンドのPoppin'PartyやRoseliaは、本作とは別のアニメ作品でも主題歌を担当するほか、アーティストとして大型音楽フェスに参加するなど、活躍の場を広げています。今後、新たなガールズバンド旋風を起こすかもしれません。