<この記事にはTVアニメ『ワンピース』と原作漫画『ONE PIECE』のネタバレが含まれます。ご注意ください。>
成長したモモの助に乗ってルフィがついに戦線復帰! ヤマトと一緒に特大な必殺技がカイドウに炸裂する──!
長らく戦線から離れていたルフィでしたが、第1049話「ルフィ飛翔!百獣へのリベンジ」では、一人でカイドウをおさえ続けるヤマトのところへついに到着。久しぶりの主人公の復活回ということで、これ以上ないというぐらいの派手な映像でルフィの帰還を盛り上げてくれていました。
◆「毒親」カイドウと反抗するヤマト
ヤマトの過去を描いて、カイドウとの因縁を深堀りしたのが前回でしたが、今週もその流れに続き二人の思想のぶつかり合いが描かれました。お互いの必殺技がぶつかりあうシーンでは、一瞬幼いヤマトの姿が浮かび上がるなど、コマ送りでも見たくなる粋な演出が詰まったものとなっています。その一方で、内容としても見応えのあるシーンとなっていました。
幼い頃に見た将軍おでんの生き様に惚れ、その意思を継ごうとするヤマト。そのヤマトに対して、おでんを名乗る以上覚悟を持て、と本気で殺しにかかるカイドウは、一見親であることを放棄しているように見えます。
しかし「お前はカイドウの息子って血筋からは逃げられねェんだぜ!?」「お前は鬼の子だ」という発言から分かるように、実際は少し違ってヤマトという息子を自分の思い通りに導くことができる手駒と思っている節が見てとれます。
ワノ国の侍たちやヤマトに差し入れをした名もなき勇気ある海賊団の一人ですら、殺してきたカイドウの姿は、ヤマトの思想へ干渉し異常な教育をする親のような姿が重なります。
カイドウとヤマトの二人の関係は、もしかすると『ONE PIECE』における、“悪しき親の例”のような姿を表しているのかもしれません。
原作漫画『ONE PIECE』や、TVアニメシリーズのオープニング第2弾などで引用される海賊王のロジャーの言葉で、“受け継がれる意思 人の夢 時代のうねり 人が「自由」の答えを求める限り それらは決して──止まらない”というフレーズがあります。カイドウとヤマトの関係からは、たとえ親というくつがえることのない関係性と言えども、受け継がれる意思までを縛ることはできないという思いが、込められているのかもしれません。
◆やたらシュールなモモの助VS.ルフィと実は重要なポイント
時間稼ぎをするヤマトのためにも、早く駆けつけてほしいルフィ。しかし、ついに龍の姿となったモモの助でしたが、残念ながら精神はまだまだ子どものまま。いますぐ鬼ヶ島に乗り込もうと意気込もうとするルフィですが、その気持ちに反してモモの助は巨体であるがゆえの高度にすら慣れておらず、なかなか空を飛べません。
それを無表情で静かに見守るしのぶや、ハートの海賊団の姿はやけにシュールですが、このシーンはしっかり原作漫画にも登場している雰囲気の再現となっています。戦いを託した以上は、“見守る”ことに徹底するという考え方のあらわれなのかもしれません。
\ #ワノ国編 アニメ放送情報!/
アニメ『ONE PIECE』1049話
「ルフィ飛翔!百獣へのリベンジ」は
1月29日(日)朝9:30より放送ルフィとモモの助はカイドウがいる
ドクロドーム屋上へ向かう!
しかし一筋縄ではいかず!?
※地域により放送日時が異なります#ONEPIECE pic.twitter.com/dIQxWoedb4— ONE PIECE.com(ワンピース) (@OPcom_info) January 28, 2023
スパルタ指導のルフィによって、半ば強引に空を飛ぶこととなったモモの助は、目を瞑るというもはや危険な方法でついに飛翔。屋上に駆けつけようとするルフィの声も届かず、鬼ヶ島の屋内を突き抜けて行くことになります。これによりゾロやサンジ、さらにはローやキッド、そしてビッグマムをはじめとした敵勢力の目前を、モモの助やルフィが駆け抜けていくことになりました。
一見、コミカルな展開となっていますが、このシーンは意外と重要。かつてルフィが敗北したことが島内にアナウンスされ、士気が下げられてしまう展開がありましたが、ここで初めて島内の面々がルフィの生存をその目で確認する瞬間となりました。情報共有がうまくできない状況の中、元気な姿をみんなに見てもらうという、思わぬファインプレーとなっていたりします。