アニメの良し悪しは“ストーリー”や“アニメーション”で判断すべきと考えてはいるものの、結局というか、ほぼ最初の段階で出演キャストに目を配ってしまう。
例にもれず、2018年冬アニメの放送が迫ってきた現在も「どの声優さんがどの作品でどんな役を演じるのか」を確認しているのだが、すでに発表されている作品の中で最も豪華な声優陣が出演しているのであろう作品がTVアニメ、『伊藤潤二「コレクション」』だ。
漫画家、伊藤潤二氏による短編集の中から、様々なエピソードを毎話完結型で届けらるという本作には、三ツ矢雄二さん(『タッチ』の上杉役)、下野紘さん(『進撃の巨人』のコニー役)、名塚佳織さん(『交響詩編エウレカセブン』のエウレカ役)に加えて、梶裕貴さんや緑川光さん等がキャスティングされている。
これほどの豪華声優陣を有する当アニメは一体どんな作品になるのか? 今回はこの作品の魅力に迫りたい。
「見ないでください」の一言に期待高まる
本作の公式HPを開くと、一番最初に出てくるのは「見ないでください!」というまさかの一言。
この注意喚起は本作のジャンルがホラーであり、あまりの刺激の強さに製作陣が自信を持っている現れなのだろう。
原作者である伊藤潤二氏はホラーマンガを中心に活躍を続けている作家であり、数々の作品が実写ドラマ化や映画化も果たし高い評価を集めている。
それゆえに、否応なく本作への期待は高まってしまう。
また、公式ホームページも、身の毛もよだつオカルティックなデザインになっている。
これも、本作の期待点のひとつとしてあげられる。
放送前から恐怖心や、期待感を植え付けるTVアニメ『伊藤潤二「コレクション」』だが、果たしてどのようなストーリーが展開されるのだろうか?
もしかしたら、放送コードギリギリの描写が多数登場し、それが物議を醸すことになるかもしれない。
本作がON AIRされた際、SNSなどで視聴者がどのような感想をつぶやくのか、これもひとつの楽しみといえる。
そもそも伊藤潤二氏とはどんな人なのか?
本作の魅力を語るにあたり、原作の伊藤氏についてもう少し言及していきたい。
同氏は、この道に入って既に20年以上が経過しているベテランマンガ家だ。
代表作として『富江』シリーズが挙げられ、先述した通り実写の映画化が果たされており、今回のアニメ化のストーリーの中にも同シリーズが含まれているとのこと。
伊藤氏は憧れの作家として楳図かずお氏の名前を挙げている。
その独特なキャラでメディアでも有名な楳図氏の代表作である『まことちゃん』の、「グワシッ!」のポーズは多くの人に親しまれた。
そんな楳図氏に大きな影響も受けたこともあり、伊藤氏はプロの漫画家への第一歩として「第1回楳図かずお賞」に応募。その際に佳作への入選を果たしたことが、現在の活躍につながっている。
伊藤氏の代表作として『富江』シリーズをあげさせていただいたが、『ギョ』という作品が既にアニメ化を果たしている。
こちらはBlu-ray及びDVD化されているので、まずはこちらからチェックしてみてほしい。
――『伊藤潤二「コレクション」』は2018年1月5日(金)22:30よりON AIRされる。
ただ、放送局は「WOWOWプレミア」と「TOKYO MX」の二局のみであるため、環境によっては視聴が難しいかもしれない。
内容が過激であるだけにそれも致し方ないことだとは思うが、期待度の高い作品だけに、できれば『dアニメストア』などの動画配信サイトを通じてより多くの視聴者の目にイチ早く届くことを今はただ願うばかりである。
(Text/哲太 Edit/水野高輝)
TVアニメ伊藤潤二「コレクション」
© 伊藤潤二/朝日新聞出版・伊藤潤二『コレクション』製作委員会