クリリンは、地球にやってきたベジータとナッパとの戦いで、もっとも頭を使って戦っていたZ戦士なのではないでしょうか。彼は、サイヤ人が襲来する前に、拡散エネルギー波や気円斬などを編み出し、「サイヤ人編」では多くの見せ場を作っていました。
また、技だけでなく戦術的な面でもかなり頭を使った戦い方をしており、まだ神様と融合する前だったピッコロよりも策士な一面を見せています。
クリリンが、ナッパやベジータを驚かせた戦術とは、いったいどのようなものだったのでしょうか?
◆相手にフェイントをかけて「拡散エネルギー波」で勝負をキメる
クリリンが最初に放った技、拡散エネルギー波は、大きな気を上空に打ち上げ、相手の気をそらして標的に命中させやすくしているのが特徴。相手の頭上で気を拡散させることで避ける間を与えず、一気に勝負を決めにかかっています。
残念ながらベジータとナッパにはノーダメージでしたが、1体をのぞいてサイバイマンたちを一撃で倒しています。
上空にエネルギー波を放ち、相手にフェイントをかけて一気に奇襲をかける──。まさに策士といえる戦法でしょう。
◆作戦は「命を大事に!」攻撃をまともに受けないことを優先した動き
クリリンは、サイヤ人の攻撃をまともに受けると一発アウトだろうという予測し、最悪の場合は悟空が来るまで足止めしながら生き残ればいいという作戦を考えていたと思われます。そのため、ナッパ戦では距離をとって、まともに打ち合うのを避けるような戦いをしていました。
もちろん最初にナッパの攻撃を受けた天津飯が一撃で腕をもっていかれるのを目撃したというのもあるでしょうが、クリリンの動きを見て、ベジータは「ほう! 動きだけはなかなかのものだ」と評価していました。そのことから体術はかなりのレベルに達していたと考えられます。
最後は怒ったナッパのエネルギー波で、立ち上がれなくなるほどのダメージを受けてしまいますが、直撃するのはしっかり避けており、悟空が来るまで生き残りました。
クリリンは一度ドラゴンボールで復活しているため、再び死んでしまえば生き返れないという事情がありましたが、それはピッコロが死んでしまえば全員同じです。ナッパの攻撃をまともに受けたときの天津飯やピッコロのダメージを考えると、クリリンの戦術は正しかったのではないでしょうか。