2019年春、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンことUSJに新たなアトラクションのオープンが発表されました。その名もスーパー・リアル・ミュージカル・アトラクション「シング・オン・ツアー」

シング・オン・ツアー
画像引用元:新スーパー・リアル・ミュージカル・アトラクション 「シング・オン・ツアー」|USJ TOP ページより引用

 本作は2017年に日本公開されたイルミネーション・エンターテインメントのアニメーション映画SING/シングを題材に、専用のシアターで映画に登場したキャラクターたちのパフォーマンスを体験できるアトラクションとなるそうです。このアトラクションは、世界でも日本が初めての登場となるそうで、期待がかかります。

 USJは「ユニバーサル・クールジャパン」という企画で、昨今日本の作品をフィーチャーした期間限定アトラクションで集客力を高めています。一方の常設企画としては、今イルミネーション作品に注力中のようです。

 アニメーション映画ファンとしては、東京ディズニーリゾートのイルミネーション版を目指しているのかな……なんて想像してしまうものなのですが、正直最近のUSJの動きからすると、あながちあり得ない話でもない気はしてきます。

徐々に拡大していくイルミネーションワールド

 USJといえば2017年に、人気キャラクター・ミニオンをテーマにしたエリア「ミニオン・パーク」をオープンしています。ミニオンは『SING/シング』と同じくイルミネーション・エンターテインメイント生まれのキャラクターです。昨今のミニオン人気はすごく、今やミニオンはUSJの広告においても、テーマパークの顔として活躍している状態です。

 かつてUSJが日本でオープンして間もない頃は、日本でも知名度がそれほど高いとは言えない赤いキツツキのキャラクター『ウッディ・ウッドペッカー』が前面に出てきていた時代がありました。大型のテーマパークとして否が応でも比較せざるを得ない東京ディズニーリゾートが、ミッキーマウスを始めとした人気キャラクターを多数抱えていたので当時は見劣りは結構大きかったものです。その頃を思うとミニオンのおかげでついに東のディズニー、西のユニバとしてスケール感が近づいてきた印象はあります。

 アニメーション映画界ですでにイルミネーションとディズニーは競合中ですが、まさに今回USJに『SING/シング』のアトラクションが導入されることで、テーマパークとしてもイルミネーションとディズニーのぶつかり合いの装いとなって参りました。

イルミネーションブランドがUSJにどんどん侵攻中?

 イルミネーションといえば、『ミニオンズ』『SING/シング』の他にも2019年に新作の公開が予定されている『ペット』シリーズや、この冬公開となる『グリンチ』などどんどん保有するキャラクターブランドを拡大させている状態です。これらのアトラクションがUSJに今後登場してもおかしくないでしょう。

 そして実は『グリンチ』に関しては、すでに世界初の試みがUSJでスタートしています。それはベイビーグリンチとのグリーティングです。2018年11月16日~2019年1月6日までの期間限定で、パーク内でベイビーグリンチと記念撮影ができるイベントがスタートしています。『SING/シング』に先駆けて『グリンチ』がUSJデビューを飾っているのです。ミニオンだけでなく、イルミネーションとしての色合いがUSJ内でどんどん濃くなっていく予感がこういったところからも感じられます。

任天堂エリアもある意味イルミネーション?

 一見イルミネーションとは関係がなさそうなこのエリアですが、実はすっごく関係があります。任天堂はすでにマリオのアニメーション映画化に関して、イルミネーションと提携を結ぶことが発表されているのです。

ニュースリリース:2018年2月1日 イルミネーションと任天堂「スーパーマリオ」アニメ映画の企画開発を開始 https://www.nintendo.co.jp/corporate/release/2018/180201.html

 まだまだ開発中となっているマリオのアニメーション映画ですが、これが公開されれば、ある意味、マリオに関してもイルミネーションブランドに片足を突っ込んだ形になります。実質イルミネーション作品のアトラクションが『SING/シング』の他にも控えていると言えるのです。

 

――今後イルミネーションの力が強まってくる予感のするUSJ。対する東京ディズニーリゾートでは、東京オリンピックの時期を目標に『美女と野獣』『ベイマックス』といった作品の新アトラクションを準備中です。アニメーション映画市場でライバルとなっているイルミネーションとディズニー。スクリーンの外でも、2020年の東京オリンピックに向けて西と東での激しい戦いが待っています。

 どちらも好きな私としては、夢のような時代に突入したなとただただ興奮するばかりです。2020年の東京オリンピックといえば、当初見積もっていた予算よりも費用が膨れ上がったりと悪いニュースもよく聞いていましたが、こういったテーマパークの活性化を誘発出来ているのは、良かった側面の一つなのかもしれません。

(Edit&Text/ネジムラ89)

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