アニメ『ヴィンランド・サガ』は架空の歴史モノではなく、ちゃんとした史実をベースにした物語になっています。
じゃあヴィンランドってどこのこと? トルフィンって実在したの?
そこで今回はそんな『ヴィンランド・サガ』と元になった史実について少しだけ紹介したいと思います。
ヴィンランドはどこにある?
この作品のタイトルにもなっているヴィンランドはかつて存在した北アメリカの地名で、実在した航海者レイフ・エリクソンが「草原の地」という意味を込めて名付けたとされていてます。因みにこのレイフ・エリクソンは名前からピンと来る人もいるでしょうが、トルフィンの幼少期エピソードに出てきたレイフのおっちゃんのモデルです。
この史実は『赤毛のエイリークのサガ』および『グリーンランド人のサガ』という資料に記されています。この“サガ”とはアイスランド語で口頭で伝えられてきた叙事詩という意味です。
これもタイトルに含まれていますね。つまり『ヴィンランド・サガ』とは新天地ヴィンランドを目指した英雄譚ということなのです。
主人公トルフィンっていったい何者なの?
この作品の主人公トルフィンにも参考にされている実在の人物がいます。その名はソルフィン・ソルザルソンと言って、レイフ・エリクソンと同じくアイスランドからヴィンランド(北アメリカ)の移民を目指した冒険者です。彼は160人ほどの移民団と共にヴィンランドの上陸を成功に収め、そこを開拓して植民地にしたと謂われています。これが16世紀にかの有名なコロンブスがアメリカ大陸発見よりも500年も早いというのですから驚き! だからこそアイスランドの歴史に偉業を成し遂げた人物として語り継がれているんです。
しかし、こんな立派な人物ソルフィン・ソルザルソンがモデルだといわれても、アニメで父の復讐に囚われているトルフィンからは正直想像もつきません。海賊の一員として略奪を繰り返すトルフィンは寧ろソルフィン・ソルザルソンとは真逆の道を進んでいるようにも見えます。ここからトルフィンが成長してどんな道を歩んでいくのか目が離せませんよね。
――『ヴィンランド・サガ』は作者の幸村誠さんの徹底した歴史考察が魅力の作品でもあります。当時の歴史を調べてみることでより作品の理解が深まると思いますので興味がわいた人はぜひ。
(Edit&Text/nantarakabab)
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