ポニョ感がある・・・なんて以前書いた『夜明け告げるルーのうた』。その『ルーのうた』が2017年5月19日、ついに上映が始まりました。
蓋を開けてみたら内容も『崖の上のポニョ』に類似性があり興味深かったですが、作品としてはまったく別の作品に仕上がっていて非常に見ものの映画でした。
皆さんぜひ見に行ってくださいね。
・・・というのも、定型句として言っているわけではなく、本当に早めに観に行った方がいい! と思う事態になっているからです。
そこで今回は、興行がスタートしたばかりの『夜明け告げるルーのうた』がどんな状態であり、何故早く観に行くことをオススメするのか語っていきます。
必見の作品!
先に本作を見に行っておいた方がいいと思う理由を具体的に述べておきます。
本作ド級の大傑作ですよ!
ストーリーや随所のディティールに言いたいことが出てくる作品ではあるものの、主人公のカイくんと、人魚のルーが初めて夜の街を一緒に歩くシーンは必見。
絵面はほぼお兄さんと妹。
二人にとってはこれが最初に親しくなるきっかけの一夜なのですが、二人が互いにいろんなことを知ったり気づいたりする情緒的な時間として、非常に心地よいものでした。
一方で、心を激しく揺さぶるのが “画”、そして、“歌”です。
湯浅政明監督特有の軽快で自在に動くドラッキーな映像が、歌や画と絶妙な形で合わさり、観ているこちらのアドレナリンを掻き立てるとんでもない映画となっていたからです。
カートゥーンアニメのような表情や骨格にまで崩れて踊り狂うダンスシーンは誰もがきっと度肝を抜かれてしまうはずです。
そんなイチオシの映画でありながら、ロングランヒットとまではいかないようなのが現実の厳しいところ。
公開がすでにスタートした本作は今、それほどお客さんが入っていない(?)ようなのです。
興行はどういう状態?
私自身の体験を言うと、上映初日の5月19日の昼の上映回へ行って鑑賞してきました。
私が観た回では、大体私を含めて10人程度が、同じスクリーンで『夜明け告げるルーのうた』を楽しんでおりました。
「初日にしてはやけに人が少なめだなぁ……」
という印象は確かにあったのですが、この日はまだ平日の昼間。
地元の静岡県で見たので、東京や大阪などの都心とも差は出てくるだろうから、こんなものなのかな? とあまり気に留めていませんでした。
が、その後Twitterなどを眺めていると(Twitterで自身の感想とみんなの感想を比較するタイム)、「人が少なかった」いう報告が散見できる状態になっており、このあたりで自身も「ん?」という嫌な予感がしてきました。
そして具体的に集客状況が明らかになったのが週明け。
毎週、興行通信社が週末の動員数ランキングを発表している(http://www.kogyotsushin.com/)ので、こちらで興行上位作品が確認できるわけですが、『夜明け告げるルーのうた』の公開初週末である5月20日~21日を対象にした動員数ランキングの結果・・・。
『夜明け告げるルーのうた』はTOP10圏外!!
ランクインすることが出来ませんでした。
同時期公開の『ピーチガール』や『たたら侍』は上映館数300館近く、『君のまなざし』や『メッセージ』は200館近くで上映されていることもあり、上映館数100館ほどでスタートの『夜明け告げるルーのうた』はライバル作品に比べて確かに不利。
それでも、こうして期待していた作品が、“大ヒット”と言えるような結果で表に出てこなかったのは、非常に残念です。
この現状からいって、『夜明け告げるルーのうた』を観に行こうと思っていた人は、ある程度スクリーンが用意されている映画館へ早めに足を運んでおくのがオススメ。
『君の名は。』や『この世界の片隅に』など、最近は傑作作品はロングラン上映につながる傾向にありましたが、必ずしもそういう波に乗れる作品ばかりではないのも確かです。
まずは堅実に、時間に余裕のある時に鑑賞しておくに越したことはありません。
「大画面・大音響で見る価値のある映画ですので、来場はお早めに!」
というささやかなメッセージでございました。
(Edit&Text/ネジムラ89)
©2017 ルー製作委員会