腕時計型麻酔銃、蝶ネクタイ型変声機、ターボエンジン付きスケボー、伸縮サスペンダー……多くの阿笠博士の発明を使いこなしているコナンですが、その使用頻度もそれぞれ。事件の解決のたびに使われる麻酔銃や変声機に比べると、アクション性が強いスケボーやサスペンダーは出番が比較的少ないです。
一方でそんなアイテムたちの出番としてスポットが当たりやすいのが、劇場版シリーズ。ここぞという場面で、コナンの見せ場を彩る仕掛けとして機能します。中でも、今やなくてはならない発明が「どこでもボール射出ベルト」。コナンのベルトのバックルから、あっという間にサッカーボールを造り、いつでもキック力増強シューズでサッカーボールを打ちこめるようになりました。
そんなボール射出ベルトは、ある時期から花火の玉として活用できるボールが生成できるようになるのですが、その機能は劇場版での登場が初めてでした。さて、どこでもボール射出ベルトで、初めて花火ボールを射出できるようになったシーンが描かれるのは次のうちどれ?
①『名探偵コナン 11人目のストライカー』(2012)
②『名探偵コナン 異次元の狙撃手』(2014)
③『名探偵コナン 純黒の悪夢』(2016)
◆実は原作未登場の花火ボール
それまでは大小様々なボールをつくりだす機能しか持っていなかったどこでもボール射出ベルトですが、早々に終わってしまう手持ち花火を残念がる少年探偵団の前でボール射出ベルトのニューバージョンが披露されます。あらかじめタイマーをセットすることで、時限式で花火となって爆発する「花火ボール」を造り出せるようになりました。
そのシーンが描かれたのが2014年公開の『名探偵コナン 異次元の狙撃手』です。正解は③です。
これ以降2015年『名探偵コナン 業火の向日葵』、2016年『名探偵コナン 純黒の悪夢』、2018年『名探偵コナン ゼロの執行人』、2021年『名探偵コナン 緋色の弾丸』と度々コナンがトラブルの解決の手立てとして、この花火ボールを使うようになります。もちろん2022年公開の『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』でも出番が用意されているので、どこで活躍するのかぜひ気にして見てみてください。
ちなみに、すっかり定番のアイテムなのですが、意外なことに原作漫画には未登場。アニメから逆輸入する設定が多い『名探偵コナン』ですが今後登場することはあるのでしょうか?
①の2012年の『名探偵コナン 11人目のストライカー』では、サッカーがテーマとなる劇場版でしたが、この頃はまだ花火ボールを作ることはできませんでした。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi