かつて「風のクロノア」のアニメーション化の企画が動いていた──!?
今年、2022年に「風のクロノア」は25周年というアニバーサリーイヤーを迎えました。
1997年にプレイステーション用ソフトとして登場したゲーム「風のクロノア」は、00年代初頭にかけて複数のシリーズが発売され、当時のナムコを代表するキャラクターの一人として活躍しましたが、そんな「風のクロノア」は2016年ごろにアニメーション化の企画が発表されていたことも?
◆泣けるゲームといえば「風のクロノア」!最後には少しほろ苦い結末が……
「風のクロノア」はタイトルにもなっているクロノアというキャラクターを操作するアクションゲームです。クロノアはうさぎのような長い耳と黒い体毛、そして、パックマンマークのついたキャップをかぶった少年。このクロノアは、風を操ることができるリングを持っており、このリングで敵を捕まえて投げつけたり、ジャンプの足場に使ったりといったアクションができ、パズルゲームやシューティングゲームのような要素も持っていました。
そのアクション性に加えて、特徴として忘れてはいけないのが、ストーリーです。「泣ける」ゲームとして名前があがることもある作品で、ゲームを進めていくことで一緒にクロノアと冒険し、最後には少しほろ苦い結末が待っているという、世界観も人気に一役買っていました。
かくいう私も、2001年に発売されたプレイステーション2用ソフト「風のクロノア2〜世界が望んだ忘れもの〜」を繰り返し遊び、その結末になんども涙を流した思い出があります。
そんなクロノアシリーズですが、2002年に発売されたゲームボーイアドバンス用ソフト「クロノアヒーローズ 伝説のスターメダル」を最後に続編がパタリと途絶えてしまいます。以降は他のナムコ作品にゲスト出演することもありますが、「風のクロノア」の新作ゲームはリメイク版を除くと2022年現在も作られていません。
◆2016年に発表されたアニメ版「風のクロノア」
そんな新作タイトルが作られていないクロノアに突如新たな報道が流れたのが2016年10月。東京国際映画祭と併催される、コンテンツマーケットであるTIFFCOMにて、東京とアメリカを本拠としているアニメーション制作会社Henshinが、ゲーム「風のクロノア」をアニメーション化することを発表します。
制作のプロデューサーにはHenshinの創業者である、ロブ・ペレイダ氏。自身もかつてナムコに所属しており、「マッピー」や「ベラボーマン」といった作品のプロデューサーとして活躍していました。
そしてキャラクターデザインと脚本を、漫画家・イラストレーターとして活躍するありがひとし氏が務めることも併せて発表されていました。
ありがひとし氏といえば「ロックマン」シリーズの漫画作品や、ゲーム「ポケットモンスター」シリーズのポケモンのデザインなどにも参加するなどゲーム作品との縁が強いのですが、実はクロノアもそんなありが氏が手がけたことのある作品の一つ。2012年〜2014年にかけて、当時稼働していたWebコミックサイトShiftyLookにて、「KLONOA:Dream Traveller of Noctis Sol」というクロノアが主人公の漫画の作画を担当していました。
このアニメーション版では、クロノアたち独自の言語であるフォントマイル語を再現する案もあり、そこに英語や日本語の字幕を載せるといった構想も当時ありが氏は語っており、ゲームの世界観をふまえた作品であることを期待させてくれました。
ナムコやクロノアに縁のあるお二人のもと、「風のクロノア」のアニメーション化は動き出したのです。