今年の秋アニメには、1話目から主人公にとって特別な人が死んでしまう作品があります。
いきなりエレンが巨人に食われる『進撃の巨人』を観て、その衝撃から一気にストーリーに引き込まれたという人も多いのではないでしょうか。
自分にとって特別な人の死を目の前で見せられた主人公は何を感じ、どういった行動をとるのでしょうか?
◆愛する魔女の死を目撃した少年は──『はめつのおうこく』
<画像引用元:https://hametsu-anime.com/より ©2023 yoruhashi/マッグガーデン・「はめつのおうこく」製作委員会>
『はめつのおうこく』では、第1話で少年アドニスの師匠であり育ての親でもある氷結の魔女クロエが、リディア帝国23代皇帝ゲーテに無残にも命を奪われます。そのシーンはむごたらしくショッキングなものでした。
群集が見つめるなか、ゲーテはアドニスの命乞いをするクロエの頭を無情にも銃で撃ちます。それを皮切りにクロエは兵士から無数の銃弾を浴びせられ、最後は斧で首をはねられました。
目の前で最愛の師を失ったアドニスは、魔女を根絶やしにした帝国と、クロエが処刑されるのを楽しみながら見ていた帝国国民への憎しみを抱きます。
その憎しみは、帝国の収容所に10年間閉じ込められていた間にさらに燃え上がっていきました。
帝国の魔の手から逃げのびていた魔女ドロカによって、アドニスは10年ぶりに解放されます。さっそく記述式召喚魔法を使って大量の帝国国民の命を奪っていくアドニスですが、ドロカからクロエを生き返らせられる方法があると聞かされます。
第2話以降も重要なキャラクターが次々と命を失っていく波乱の展開に目が離せなくなるでしょう。
クロエの死によって心がゆがんだアドニスが望むのは、人類の滅亡か、それとも愛する者の復活でしょうか。
◆大切な家族、じいじを奪われた少年──『七つの大罪 黙示録の四騎士』
<画像引用元:Amazonより>
少年パーシバルは人里離れた天空の地「神の指」で祖父のバルギスとともに静かに暮らしていました。
ところが、突然この地を訪れたイロンシッドに祖父の命を奪われます。
聖騎士であるイロンシッドの強さは圧倒的で、バルギスも応戦しますがいきなり致命傷となる十字型の風穴を腹にあけられます。それを見たパーシバルがイロンシッドに立ち向かうもまったく歯が立ちません。
イロンシッドはパーシバルを逃がそうと必死に押さえ込んで来るバルギスにとどめをさすと、無情にもパーシバルの命をも奪おうと攻撃します。
持ち前のタフさで生き残ったパーシバルは、大好きなじいじとの突然の別れに「じいじを守りたかった。大切な家族を」と涙を流します。
さらにパーシバルは「じいじ、死んじゃダメだ。一緒にいてよ」と叫びますが、その望みが叶うことはありませんでした。バルギスは聖騎士の正体がパーシバルの父であることを伝えて息を引き取ります。
その後、しばらく傷心の日々を過ごしていたパーシバルですが、バルギスが自分のために準備してくれていた旅道具の入ったトランクを見つけます。そして、バルギスが残した「父を探せ。旅に出ろ」という言葉に従います。
バルギスの死は、パーシバルの心に家族の大切さと父の行動への疑問という2つの感情をもたらしました。
バルギスの最後の言葉通りパーシバルは、旅の中で大切と思える人と巡り会い、父親と再会してその真意を知ることができるのでしょうか。