◆命の恩人の美少女が命を落とす──『聖剣学院の魔剣使い』
<画像引用元:https://seikengakuin.com/より ©志瑞祐・遠坂あさぎ/KADOKAWA/聖剣学院の魔剣使い製作委員会>
主人公の少年レオニスを発見、保護した美少女リーセリアは、その帰り道に人類の敵ヴォイドとの戦いで腹に傷を負い、大量の血を流します。
レオニスの治癒の神聖魔術で一命をとりとめたように思われましたが、その後すでに死んでいるという衝撃の事実が伝えられました。
レオニスの魔術によってよみがえったリーセリアは、最高位のアンデッドであるヴァンパイアクイーンとなっていたのです。同時にレオニスのけん属という立場になりました。
かつて六英雄・最強の剣士として人類を何度も救ったにもかかわらず、人間に裏切られて命を奪われたレオニス。その後、魔王としてよみがえったものの人類との戦いに負けたレオニスは、さらに1000年後の世界に転生します。
そのため、レオニスの目的は魔王軍の復活と人類を滅ぼすことです。しかし、復活直後に空腹で気を失ったレオニスに食べ物を捧げたリーセリアは命の恩人となりました。
そして、自分の命をかえりみずヴォイドからレオニスを守ろうとした彼女の行動は、目的のためにリーセリアを利用しようとしていた彼の心に少なからず影響を与えたハズ。
はたしてレオニスが選ぶのは人類の救出と滅亡のどちらなのでしょうか。人類の運命はレオニスとリーセリアの2人の同居生活にゆだねられるのかもしれません。
◆好意を寄せる少女に命を狙われて──『カミエラビ』
<画像引用元:https://kamierabi.com/より ©カミエラビ製作委員会>
平凡な学生ライフを送っていた小野護郎はいきなりカミエラビの神様候補に選ばれて生死をかけたバトルロイヤルへの参加を強いられます。そして、ひそかに好意を寄せていた同じ学校の佐和穂花に襲われて、逆に隕石を落下させて命を奪ってしまいます。
護郎は因果をゆがめて自分に不幸を招く「愚者の聖典」の力によって穂花を生き返らせます。しかし、その代償として自分が学校でイジメを受ける不幸を背負いました。
一度命を奪われた穂花は護郎の能力に恐怖を覚えて同盟を組もうと誘います。さらにもともと仲が良かった秋津豊も神様候補の1人であることが分かり、3人でカミエラビのための生き残りをかけた戦いに挑むことに。
戦いを好まない護郎は、自分を犠牲にして穂花を生き返らせたことで仲間となりました。
最後の1人になるまで戦うバトルロイヤルに心やさしい護郎はどのような道を切り開いて行くのでしょうか。
──1話目で、いきなり特別なキャラクターが衝撃的な死を迎えることで生まれる悲しみ、切なさは観ている人の心を一気にストーリーに引き込みます。また、その死が主人公に影響を与えることで目的や行動、ストーリーも変わってきます。
自分にとって特別な人の死を目の当たりにして、主人公が選ぶ道は憎しみに満ちた仇討ち、真実の追い求める旅などさまざまです。
どのようにキャラクターが変わっていくのか、ストーリーがどういった方向に進んでいくのかに注目するのも、死から始まる作品の楽しみかたの一つなのかもしれません。
〈文/諫山就〉
《諫山就》
フリーライターとして活動中。漫画・アニメ・医療・金融などの記事、YouTube用シナリオを執筆・編集しています。
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