◆「嫉妬させる」と女性は逆にトキメク?──『うる星やつら』より諸星あたる
<画像引用元:https://uy-allstars.com/story/22/ ©高橋留美子・小学館/アニメ「うる星やつら」製作委員会>
諸星あたるは、趣味が「ガールハント」というくらい女好きでだらしのない性格ですが、ラムはあたるをダーリンと呼びゾッコンです。
そんなあたるは、モテるどころか女子から嫌われてもおかしくないのですが、なぜモテるのでしょうか?
彼は見境なくかわいい女の子がいれば即アプローチします。ラムの目の前で女性を口説くのも日常茶飯事。保健室の先生であるサクラにすら結婚してくれとしがみつきます。
あたるの姿を見てラムは「ダメだっちゃ!」と嫉妬し、クラスメイトのしのぶがあきれる、というのがお決まりのパターンとなっています。
そんな女性を嫉妬させる行為ですが、実はあたるが無意識にやっている恋愛テクニックの一つなのかもしれません。
女と見れば、見境なくアプローチするあたるですが、女性を傷つけるようなことはしません。彼は女たらしであっても、無視や差別はしないのです。
原作の第24巻に収録されている、「最後のデート」というエピソードでは、生前にあたるにほれていた望ちゃんという幽霊の女の子が彼の前に現れます。女と見れば幽霊だろうが見境なく口説く、それが諸星あたるでした。
あたるは望ちゃんが生前に編んでくれたセーターやマフラーを真夏でも着てあげますが、望ちゃんが成仏したあともそのセーターを着続けました。そんなあたるを見てラムは「うちも幽霊になろうかな」と少し嫉妬します。
また、ラムが一時的に星に帰ってしまうと、もう見切りをつけられたとあたるは号泣してしまいます。
部屋においてきた彼女の人形を通じて泣いていたことを知ったラムは、彼の元に帰ります。しかしあたるは「いなくなってさっぱりしてたのに」と強がります。
あたるは時代を先取りしたツンデレ男だったのかもしれません。