◆『ダイの大冒険』──「メドローア」×「アストロン」
物語の初めのデルムリン島以来、大魔王バーンとの戦いを前にポップとアバンが再会します。
アバンのアストロンで敵を動けなくして、ポップのメドローア(極大消滅呪文)で攻撃すれば、どんな敵も消滅させられるので実現しませんでした。
アバンはデルムリン島にハドラーが来たとき、ダイとポップにアストロンをかけているので敵にもかけられます。
アストロン中は魔法を使えないためマホカンタは使えず、おそらくシグマの持つ魔法を跳ね返すシャハルの鏡さえなければ最強のコンビ技となっていたハズ。
ダイはアバンのアストロンを内側から破っているので、バーンも長い時間封じておくことは難しそうです。
しかし、短い時間でも動きを止められれば、その間にメドローア を当てられたでしょう。
アバンはキルバーンと戦うため一旦離れますが、バーンとの戦いのときには再びポップと合流しています。
極限の戦いの状況だっただけに、久しぶりに再会していきなり師弟の反則コンビ技を思いつくのは難しかったのでしょう。
◆『HUNTER×HUNTER』──「窓を開く者」×「神の不在証明」
ノヴの窓を開く者(スクリーム)とメレオロンの不在証明(パーフェクトプラン)のコンビ技は、相手に気づかれることなくどんな強敵でも一瞬で倒せるでしょう。
作中で最強のボスキャラ、蟻の王メルエムもこの2人で倒せてしまうので実現しませんでした。
ノヴとメレオロンのどちらかであればいくらでも対応できますが、窓を開く者(スクリーム)と神の不在証明(パーフェクトプラン)、さらに奇襲に使えるノヴの4次元マンション(ハイドアンドシーク)が合わさるとパーフェクトな技になります。
結果、護衛軍のまがまがしいオーラにビビったノヴの心が折れて戦いからリタイア、支援に回ることになりました。
ノヴは一瞬でやつれ、髪の毛も白髪になり、その後抜け落ちてハゲになっていますから受けた衝撃はかなりのものだったのでしょう。
これからのストーリーでも、このコンビ技が使えるとバトルが壊れてしまいますから、もうノヴは二度と戦いに復帰することはないかもしれません。
──能力を一つ考えるだけでも大変ですから、それらが組み合わさったときの効果にまで思考を巡らせるのは気が遠くなりそうです。
限られた時間でストーリーや技を考えている漫画家、一瞬の判断が命取りとなる状況で戦っているキャラクター。ギリギリの状態で戦っていると、反則クラスのコンビ技が生まれる可能性に気づかなくても仕方ないのかもしれません。
〈文/諫山就〉
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