◆女子高生の「あの行為」で放送時間が変わる──『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』(2014年放送)
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1話目で高校1年生の神前美月が一人でいかがわしい行為をするシーンがあり、クレームが集まります。
22時台という中高生も観られる時間帯だったため炎上し、TOKYO MX、サンテレビでは第5話より放送時間が深夜帯に変更されました。
放送中止にならなかったことに安心したアニメファンもいたのではないでしょうか。逆に家族と和やかに過ごしていた22時台に、いきなり問題となったシーンが飛び込んできて、冷や汗をかいたアニメファンもいたかもしれません。
ちなみに『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』は、実写映画化もされています。神前美月を演じる女優の橋本甜歌さんが服を脱いだ姿を見せるなど、こちらも攻めた内容となっています。
◆「やりすぎたパロディ」で第1話がお蔵入り──『おそ松さん』第1期(2015〜2016年放送)
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第1話「復活!おそ松くん」は放送禁止となり、Blu-ray&DVDには第1話が未収録、動画配信サイトでも配信終了となっています。
原因は明らかにされていませんが、第1話にあったパロディ部分が問題になったのではないかといわれています。
パロディとして扱われた作品は、『ドラゴンボール』『黒子のバスケ』『NARUTO』『セーラームーン』『花より男子』『進撃の巨人』『弱虫ペダル』『ラブライブ』『ポケットモンスター』などです。
これらの作品のうち著作権を持つ会社もしくは、原作者からクレームが入ったのでしょうか。
漫画を出版している会社や、原作者はお互い様なところもあるので、ある程度パロディに寛容な気はします。権利関係に厳しい会社の怒りを買ってしまったのかもしれません。
『おそ松さん』のアニメ放送が終了したときに、ネットではおそ松さんロスを叫ぶ声が多く上がっていました。それは2期や映画が放送されたことで解消できたでしょう。
しかし、第1話に限ってはもはや幻となってしまったので、決して癒されることのない永遠のロスとなってしましました。
『おそ松さん』第1話を制作したのは、アニメ『銀魂』で多くのパロディを取り入れた藤田陽一監督です。
藤田監督は「こちらがブレーキを踏まないようにはしようと思ってます。やりすぎぐらいやって、ダメだったら周りが止めてます」と、『劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』についてのインタビューで語っています(『ガジェット通信』 2013年8月)。
守りに入ってしまっては、おもしろい作品が生まれなくなるということでしょう。これからも挑戦する気持ち、攻めの姿勢を大切にして、楽しいアニメ作品をたくさん世に出してほしいです。
〈文/諫山就〉
《諫山就》
フリーライターとして活動中。漫画・アニメ・医療・金融などの記事、YouTube用シナリオを執筆・編集しています。