◆実は原作オマージュキャラクター!? 絵本50周年にも合わせている?
実は今回のエピソードに登場したポエムさんは、原作者のやなせたかし先生が既に発表していたキャラクターに酷似したものとなっています。
それが“ボオ氏”と呼ばれる帽子を深く被ったキャラクターで、漫画のタイトルも“ボオ氏”です。
やなせたかし先生が子ども向けの絵本を描き始める以前に、漫画家として活躍していたころに既に生まれたキャラクターです。セリフなどが登場しない不思議な雰囲気の4コマ形式が主となっている作品で、かつては本作で「週刊朝日マンガ賞」の受賞も果たしています。ある意味、今回の「ジャムおじさんとアンパンマン」はボオ氏とアンパンマンのクロスオーバーエピソードとしても捉えられるかもしれません。
細かいところでは、最後に登場した砂漠で空腹に困っている人を救うというシーンも、原作の絵本で似たキャラクターとまったく同じシチュエーションが登場しています。
困っている人のキャラクターデザインも服装こそ違えど、ヒゲの形状や顔立ちは明らかに寄せているのが分かります。
\#絵本あんぱんまん50周年 🎉/
アンパンマンの最初の絵本が誕生したのは
50年前の10月❗50年間、ずっと応援してくれてありがとう✨
みなさんを笑顔にするため、
アンパンマンはこれからも飛びつづけます🌈▼50周年記念ページはこちらhttps://t.co/TEvbQNcVFd#アンパンマン公式 pic.twitter.com/YvY3vN7vjh
— それいけ!アンパンマン【公式】 (@anime_anpanman) October 1, 2023
──2023年はアンパンマンのTVアニメ放送35周年だけでなく、絵本の刊行からちょうど50年というアニバーサリーイヤーでもあります。
そんな2つの節目の放送としても、ふさわしい原作リスペクトの放送回だったわけです。
半世紀というとてつもない年月を経ていながら、いまだに多くの人に愛されるアンパンマン。その理由が分かるようなアンパンマンの“強さ”が知れる名エピソードでした。
ちなみにTVアニメ『それいけ!アンパンマン』の見逃し配信などは2023年の今は行われていない一方で、地域ごとに放送回にズレが発生しているケースも多い作品です。今回見逃したという人もお住まいの地域によってはこれから放送されるかもしれないので、放送情報をチェックしておくよよいでしょう。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi