◆叱ることは愛情の一つ?『うちの師匠はしっぽがない』より文狐

ⒸTNSK・講談社/春来亭活動写真部

<画像引用元:https://shippona-anime.com/story/#/04 ⒸTNSK・講談社/春来亭活動写真部>

 上方落語四天王の一人の文狐は元々、弟子を持たない主義でした。しかし、断られても諦めずに何度も頼み込むまめだの熱意に押され、しぶしぶ弟子入りを許してしまいます。

 彼女は見た目通りクールな性格で、弟子のまめだであっても褒めるということをあまりしません。そして意地悪をしているかのように、弟子のまめだに無茶なことばかりを言いつけるのです。文狐は口数が少なく、きちんと説明をしてくれる機会がほとんどないため、はじめはさすがのまめだも勘違いしていました。

 そんな文狐だからこそ、やり方に不満を抱えてしまうこともあり、なかなか理解できないときもあるかもしれません。しかし、本当はよく周りを見ていて、弟子のまめだをとても気にかけています。

 作中でまめだが困ったときには、何度も優しいアドバイスをくれて、立ち止まったときには背中を押してくれるような言葉を伝えてくれていました。

 口数が少ないことで甘やかすよりも叱ることが多くなってしまう文狐。ですが、本当はよく見てくれているため、文狐が抱く想いに気づくと叱られることも愛情と受け取ることができます。こんな彼女だからこそ、時には叱られてもいいかも……と、思ってしまうでしょう。

 ──自分のためには怒らないアイリーン。意地悪で心配性なミリス。愛情のために叱る文狐。それぞれ違うタイプの女性のため、彼女たちの隠された想いを知れば知るほど、叱られてみてもいいかなと思うかもしれません。

〈文/柳瀬蓮 @_prince0807_

《柳瀬蓮》

元キャバ嬢ライター。脚本、エッセイ、アニメ以外では主にスピリチュアルや恋愛について、さまざまなメディアで執筆中。赤髪やピアスで派手な見た目をしているものの中身はふわふわしている人。誰かを傷つけてしまわないような記事を心がけています◎。

TVアニメ『悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました』
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