今年、ロシアであのアニメーション映画の実写映画作品がロシア映画において最高の興行収入記録を残していました。その映画というのが『チェブラーシカ』です。

 かつては日本でもキャラクターグッズなどが幅広く展開されたチェブラーシカですが、その実写版は驚きの造形となっていました。ロシアを巡る子供向け映画の制作環境にも変化が起きようとしているようですが、一方で日本ではチェブラーシカの展開を広げていくのが難しそうな状況にあります。

◆ロシアで歴史的大ヒット!実写版『チェブラーシカ』

 1969年にロマン・カチャーノフ監督によって制作された人形アニメーションがヒットとなり、日本でも知られる存在となった『チェブラーシカ』ですが、今年1月1日よりロシアにて初めて『Чебурашка(チェブラーシカ)』というタイトルで、実写映画が公開されました。

  本作では、実写化したチェブラーシカが、海辺の街に住む庭師のゲーナに出会う物語が描かれます。原作ではゲーナはワニとして登場しましたが、今回の実写映画ではチェブラーシカ以外はすべて人間のキャラクターが登場します。

 これまでは頭が極端に大きくアンバランスなデザインが特徴的なチェブラーシカでしたが、この実写版ではリアリティのある子グマのような体型と、トレードマークの左右に大きく広がった耳を携えたデザインで登場。実写化するとこうなるのか、という驚きの見た目になっています。

 本作は公開して間もなく大ヒットとなり、興行成績は約70億ルーブル……日本円にして100億円を記録。これはロシアの興行史上トップの記録で、あっという間にロシア映画史に名を刻んだ映画となりました。

 この結果は単純にチェブラーシカの人気が生んだものではないでしょう。ロシアでは現在多くの国から制裁を受けている状況にあり、海外の作品の上映が限られています。そんな大作映画が観られない状況や新型コロナウイルス感染症の影響が弱まったことなどが、今回の記録的な成績を生んだと推測できます。

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