2018年5月11日より『劇場版ひらがな男子~序~』の上映がTOHOシネマズ限定でスタートしまして、初週末の上映回に足を運んで参りました。本作はTV番組『アイキャラ』発のキャラクター群『ひらがな男子』が原作の劇場版です。
応援上映ならぬ“共演上映”!?
この劇場版の珍しいところは応援上映ならぬ“共演上映”という試みを実施していること。
鑑賞者が劇中のイチキャラクターとして姿こそ登場しないのですが、その場にいる体を成して話が展開され、劇中のキャラクターが観客側に話しかけてきたり、鑑賞者用のセリフの字幕が用意されていて実際に声を出して読むように指示されるものとなっています。
試みとしてとっても面白いのですが、いかんせん新しいキャラクターブランドということもあってか、観客がそこまで入っておらず、あまり声を出して参加する方が少なく、声を出そうにも出しにくくなり、声を上げていた人も次第に声を出しにくくなるという悪循環が発生していました。
挑戦した内容こそ面白いのですが、まだそこまで観客が育成されていなかったという見方のできるケースなのかもしれません。
やはりプリティーシリーズのファンは違った!
そんな体験の翌日、新たに鑑賞しに行ったのが『劇場版プリパラ&キラッとプリ☆チャン~キラキラメモリアルライブ~』。一躍、応援上映という企画を流行りに導いた『KING OF PRISM』などの系譜の元でもあるプリティーシリーズ最新作の劇場版です。モチロン今作も“アイドルおうえん上映”という応援上映前提の上映形態となっていました。
前日に盛り上がりに苦戦していた『ひらがな男子』を観ていたあとなので余計感じる部分なのですが、やはりプリティーシリーズのファンは熱い! しっかり声を出すどころか、すでに一定の応援の仕方のテンプレートが出来上がっている!
大手シネコンではお馴染みの本編が始まる前に上映される警告映像の“映画泥棒”シーンからすでに赤サイリウムを振るというところや、映画開始直後の製作会社陣が流れるときは「ありがとーっ!」と叫んだり。始まりの5分ぐらいで明らかな『ひらがな男子』の時との雰囲気の違いを思い知りました。
『プリティーリズム』や『プリパラ』などいくつものシリーズを経た長い歴史・蓄積があるというここまでアドバンテージになるんだなぁ、と応援上映の奥深さを思い知りました。
全然作品を知らない人も楽しい!?
そしてなにより、本TVアニメシリーズやゲームなどを全然観ていない私でも、すっごく楽しい!というのが体験として本当に素敵な部分でした。
前述のような、ファンの中で浸透しているお決まりの型を観て楽しい、というのはもちろんなのですが、本編のまったく名前も知らないようなアイドルの女の子たちの歌や踊り(なんならアニメーション)を観ても、しっかり心が熱くなるという瞬間があるのですよね。衣装も凝ってるし、歌も楽しいし、なにより可愛い! 見事3拍子揃っています。
ファンがこれだけ夢中になれる、というのも確かだと思うし、自分自身もその魅力に絆されました。間違いなく、ほかの映画では体験できない体験がそこにあるのを思い知った次第です。
今や、声出しOKだったり、サイリウムOKだったりと、応援上映がより一般的なものとなってきていますが、このブームの本家本元であるプリティーシリーズはやはりさすがというべきか、応援上映の体験としてのマチガイなさを感じました。
(Text/ネジムラ89 Edit/水野高輝)
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「劇場版 プリパラ&キラッとプリ☆チャン ~きらきらメモリアルライブ~」公式サイト
©T-ARTS / syn Sophia / 劇場版KML製作委員会