コンプライアンスがより厳しくなった令和の時代。コンプライアンスに抵触するアニメの描写はお色気シーンだけでなく、ホラー描写にまで波及しています。次のアニメは、今の時代では地上波での放送が難しい内容となっています。
また、アニメの中にはかわいいキービジュアルとは裏腹に、内容が過激なものがいくつもあります。次の作品は、多くの視聴者にトラウマを植え付けたアニメとしてアニメファンの中で話題となりました。
◆背筋も凍るアニメの「トラウマホラー回」
時代の移り変わりは激しいもの。昭和・平成の時代には普通に放送できたホラー描写も、令和の時代には地上波での放送が難しい場合が多いです。次の2作品は、今の時代では放送が難しいとされる描写が含まれたアニメです。
●人が溶ける描写は放送不可レベル!?
1968年からアニメの放送が始まった『ゲゲゲの鬼太郎』。期ごとにテイストが変化する『鬼太郎』ですが、第2期はとくにおどろおどろしく不気味なエピソードがそろっていることで有名です。なかでも屈指のホラー回として知られているのが、第43話「足跡の怪」。
神のような妖怪・タイタン坊による神隠しで「いらず山」を訪れた鬼太郎は、持っていると祟りが起こる守護石が削られていることに気づきます。
石を持ち去るタブーを犯したのは、埋蔵金を目当てに山を訪れた男二人組。鬼太郎の忠告を聞かない男たちには、やがて数々の報いが降りかかります。
まず、小指が急になくなり、耳が消え、目が潰れ、鼻が消失し、皮膚がドロドロと溶け、しまいには深いほら穴へ落ちていく……。水木しげる先生タッチの絵柄も合わさって、そのおぞましさはまさに現代では地上波放送不可能レベル。
容赦のない描写に、「これ以上恐ろしい話ある?」「嫌な余韻が残る終わり」など、“最恐”に納得する感想が並びました。
●激しすぎるビジュアルはトラウマ必至!
1996年〜1997年にかけて放送された『地獄先生ぬ~べ~』。作中に登場するインパクトのある恐怖描写は、少年誌で連載されていたにもかかわらず、大人がみるのを躊躇してしまうほどでした。
中でも、アニメ第13話「教室が凶器に変身!?妖刀はたもんばの呪い」はトラウマ必至。
この回では、ぬ~べ~の生徒・克也が「はたもん場跡」から賽銭を盗んだことで罪人と認識され、妖怪はたもんばに襲われる話が描かれています。
はたもんばは、打ち首にされた何百人もの罪人の怨念でできた妖刀が変化した妖怪。そのビジュアルは過激で、頭蓋骨がむき出しになった落ち武者の姿をしています。
ちなみに、はたもんばはぬ~べ~が除霊できなかった数少ない妖怪。鬼の手が引き裂かれるという壮絶な戦いっぷりも記憶に残るエピソードです。
見た目の強烈さとただならぬ強敵感には、「風貌が怖すぎて夢に出てくる」「永遠のトラウマ」との声が聞かれました。
『ぬ~べ~』は2025年に新アニメ化されますが、このエピソードを再び映像化するのは極めて難しいといえます。
詳しく読む⇒地上波での放送はヤバい!? 背筋も凍るアニメの「トラウマホラー回」
◆ギャップがエグい「トラウマアニメ」
かわいい絵柄のアニメは絵のタッチから、日常系や平和なストーリーを期待してしまいますが、中には期待を裏切りホラー作品や鬱展開が待ち受けていることがあります。次の作品も絵柄とストーリーのギャップから、多くの視聴者にトラウマを残しました。
●日常系かと思いきや「ゾンビ作品」──『がっこうぐらし!』
『がっこうぐらし!』はゾンビ作品にも関わらず、第1話が放送されるまでホラー要素を隠していたため、アニメで初めてこの作品を知った人はかわいい絵柄とのギャプにショックを受けたといいます。
『がっこうぐらし!』は、ゾンビに埋め尽くされた世界で懸命に生きる少女たちを描いた作品です。
ゾンビものらしい設定ではありますが、この作品はゾンビと戦う姿を中心に描くのではなく、ゾンビがはびこる世界で生きる少女たちの日常を中心に描かれており、そのためか絵柄は日常系を彷彿させるかわいい絵柄で描かれています。
この作品のアニメは第1話の放送が終わるまで徹底的にホラー要素が隠され、当初発表されていたキービジュアルも4人の少女が学校の階段で座っているかわいらしいものでした。
さらに、アニメ第1話ではストーリーの終盤までゾンビが登場せず、放送終了後、「ゾンビ作品だとは思わなかった、怖すぎる」「かわいい絵柄からは想像できない内容」と絵柄とのギャップに驚く声や、思わぬホラー展開に恐怖する声がSNSに多く投稿され話題になりました。
また、この作品はゾンビに襲われるホラー要素だけでなく、親しい人が亡くなり追い詰められる人間の心理なども描かれており、恐怖だけでなく気持ちをえぐられトラウマになった人もいたようです。
なお、第1話の放送を終えたあとは、キービジュアルがホラー要素を含んだものに差し替えられたり、第1話のオープニングではいなかったゾンビが第2話以降のオープニングで描かれたりと、ホラー要素を含んだものに変わっています。
●「マミる」という言葉はここから生まれた──『魔法少女まどか☆マギカ』
『魔法少女まどか☆マギカ』は、敵の手により魔法少女が倒されるという衝撃の展開を迎え、多くの視聴者を騒然とさせました。
この作品は、かわいい絵柄と心温まるストーリーを描く蒼樹うめ氏と、鬱展開に定評がある虚淵玄氏、独特な世界観を生み出すアニメ制作会社のシャフトが制作陣に名を連ね、放送前に話題になるものの、ストーリーが徹底的に伏せられていたためその後は注目されませんでした。しかし、第3話の放送を迎えその反応は一変します。
それまで魔法少女は敵に負けないというお決まりの展開がありましたが、第3話ではその約束をくつがえし魔法少女の巴マミが敵の手によって倒され、視聴者の予想を大きく裏切りました。彼女の死は、あまりにも衝撃的すぎて「マミる」という言葉が生まれたほどです。
しかも、この第3話以降も魔法少女の魂は抜き取られて変身に使うソウルジェムにされることや、魔法少女は敵である魔女になってしまうことなど、さまざまな鬱展開が続き、結果的に最終決戦の直前で5人いたはずの魔法少女は2人しか残らない結果に。さらに、最終回ではストーリーはきれいに終わったものの、ハッピーエンドか評価が分かれるメリーバッドエンドになりました。
魔法少女らしいかわいい絵柄と反し、この第3話からの怒涛の鬱展開には視聴者から多くの悲鳴が飛び交い、「神作品だけど鬱展開すぎる」「ストーリーが完璧だけど救いがない」とインターネット掲示板やSNSで話題になりました。
なお、総集編の映画の公開が始まったときは、かわいい絵柄と魔法少女というタイトルから『プリキュア』のような魔法少女をイメージして見に行った親子が続出。その結果、第3話にあたる衝撃的なシーンで子どもが泣き退席する人が出てしまったといいます。
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〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01〉
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