アニメや漫画のキャラクターには、芸能人などをモデルにしていることも多々あり、次の作品のキャラクターもある人物をモデルにしているようです。また、『銀河鉄道999』や『らんま1/2』には、タイトルに数字が取られていますが、それぞれ何を意味しているのでしょうか?

◆「意外な有名人」がモデルになったキャラクター

 アニメ・漫画の中には、テレビで活躍する有名人をキャラクターの参考にしているケースもあります。当時流行っていた芸能人に似せていたり、原作者がファンだった芸能人をモチーフにしていたり、その理由には視聴者の知りえなかったさまざまな裏話が隠れています。

●『セーラームーン』のタキシード仮面は元アイドルのアノ人!

 『美少女戦士セーラームーン』(以下、『セーラームーン』)にも、ある有名人をモデルにしたキャラクターが存在します。それは、月野うさぎの恋人であり、タキシード仮面としてセーラームーンをサポートする地場衛。

 『セーラームーン』のプロトタイプである『コードネームはセーラーV』の単行本第1巻では、タキシード仮面のモデルが明かされています。作者の武内直子先生によると、そのモデルとは男性アイドルグループ・少年隊として一世を風靡した東山紀之さん。

 また、東山さんは1986年から1995年まで、バーモントカレーのCMキャラクターを務めており、その中で披露したタキシード姿がまさにタキシード仮面そのもので驚いたという裏話も。

 たしかに、タキシード仮面と東山さんの容姿にはいくつかの共通点が。とくに、長身のスラッとしたスタイルや漆黒のふわりとしたヘアは、どこかアイドル時代の東山さんを彷彿とさせます。

●『SPY×FAMILY』エミール&ユーインは「あのお笑いコンビ」をイメージ?

 『SPY×FAMILY』にも芸能人をモデルにしたキャラクターが登場しています。それが、アーニャの同級生ダミアンの取り巻き的存在である、エミール・エルマン&ユーイン・エッジバーグです。

 単行本第11巻の表紙裏には、「情報屋フランキーの極秘メモ」と題してエミール&ユーインのキャラクターデザインが語られています。

 フランキーによると、二人はお笑いコンビ・バナナマンの設楽統さんと日村勇紀さんのビジュアルを参考にして描かれたそうです。

 突然の裏話に、読者からは「二人を見たときの既視感の正体はこれか」「エミールとユーインがもうバナナマンにしか見えない」など、モデルに納得の反応が続々と湧きあがりました。

 あまり似せるのは良くないと、色々とデフォルメして今の形になったそうですが、設楽さんのインテリチックな雰囲気や、日村さんのさらさらのマッシュルームカットなど、しっかりとモデルの特徴が捉えられています。

詳しく読む⇒『セーラームーン』や『SPY×FAMILY』のアノ人も? 「意外な有名人」がモデルになったキャラクター

◆漫画のタイトルに隠された“数字”のヒミツ

 『サイボーグ009』や『エリア88』、近年でいえば『アイシールド21』『モブサイコ100』など……。タイトルに“数字”が含まれる作品は、決して珍しくありません。その中には、意外な意図や作者自身の想いが込められている場合も。次の作品のタイトルにある“数字”にも、さまざまな意味が織り込まれていました。

●「999」に込められた意味──『銀河鉄道999

 星野鉄郎と謎の女性メーテルの宇宙を巡る旅を描いた『銀河鉄道999』。宇宙SFマンガの金字塔として、40年以上にわたり読者に愛されてきた作品です。そんな本作のタイトルにある“999”には、作者のある思いが込められていました。

 作者の松本零士先生は、“999”の意味について「『999』は青春で、これが『1000』になると大人になってしまう。そうした思いを、私は心の中にずっと持っていたので『999』にしたんです」と述べています(舞台『銀河鉄道999 さよならメーテル~僕の永遠』公開取材)。

 作中で“1000”といえば、「1000年女王」と呼ばれるラー・アンドロメダ・プロメシューム。“1000”になると、大人になってしまう。だからその一歩手前、未完成のままで永遠の青春を続けていきたいという思いが、“999”には込められていたのです。

 また、インタビューでは、「『銀河鉄道999』も『宇宙海賊キャプテンハーロック』『クイーン・エメラルダス』も一つの物語。一つになって終わったときに私の人生も終わる。まだ、最後は描きたくない」と明かしたことも(MANTANWEB「ビッグに聞く」より)。松本先生の作品愛と情熱が詰まった、意外な由来が明らかになりました。

●「1/2」の由来とは?──『らんま1/2

 高橋留美子先生によるドタバタ格闘ラブコメディー『らんま1/2』。その人気は連載開始から35年以上経った現在も衰えることを知らず。去年には、完全新作アニメが放送されました。そんな『らんま1/2』のタイトルにある“1/2”には、どういった意味があるのでしょうか。

 本作の主人公は、呪泉郷の呪いによって水をかぶると女性に変わり、お湯をかけると男性に戻る体質になってしまった早乙女乱馬。“1/2”の意味について明記はされていませんが、この乱馬の性別問題をさしていると考えられます。

 また、作中には乱馬のほかにも、水をかけるとパンダになる早乙女玄馬や、猫に変身するシャンプー、黒豚に様変わりする響良牙、アヒルに変わるムース、怪物に変貌するパンスト太郎が登場。二つの生物を行き来するキャラクターが複数描かれており、それらの設定にも由来しているのでしょう。

 高橋先生は、『うる星やつら』の藤波竜之介や潮渡渚などジェンダーが曖昧なキャラクターを描き続けてきました。『らんま1/2』にもそれは受け継がれており、そのジェンダーフリーな作風を“1/2”の数字に反映させたのかもしれません。

詳しく読む⇒『銀河鉄道999』『らんま1/2』他……タイトルに隠された“数字”のヒミツ「999は未完成の意味?」「1/2は?」

〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01

 

※サムネイル画像:Amazonより

※タイトルおよび画像の著作権はすべて著作者に帰属します

※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

※無断複写・転載を禁止します

※Reproduction is prohibited.

※禁止私自轉載、加工

※무단 전재는 금지입니다.