アニメにはときおり作画ミスが見られますが、中には、SNSを賑わせたミスもあります。また、漫画『ONE PIECE』にはたびたび作画ミスが登場し、原作者の尾田栄一郎先生が読者の指摘にユーモアを交えてコメントするなどしています。
◆ホントにあったまさかの作画ミス
アニメや漫画の中で稀に見られる作画ミス。その原因は作り手の見落としやうっかりミスなどが挙げられますが、視聴者や読者的には「貴重映像だ」「面白い」と盛り上がることも。
●カツオが一瞬で衣装チェンジ
2024年に放送55周年を迎えたアニメ『サザエさん』にも、思いがけない作画ミスがありました。
まず取り沙汰されたのが、2022年5月に放送された「謎のほほえみ美人」でのシーン。
友人の中島と“ほほえみ美人”について会話するカツオは、ブルーの襟がついた薄い青色の長袖シャツにグレーの短パンを着ていました。
しかし、中島の回想が挿入されたあと、元のシーンに戻ると、カツオの服がイニシャル入りの黄色い長袖シャツと紺色のパンツに一瞬で変わっていたのです。ちなみに、中島の服はそのまま。予期せぬ衣装チェンジには、驚きの声が上がりました。
また、2018年10月に放送された「イクラの足あと」にも、作画の誤りではないかと話題になったシーンがあります。
そのシーンとは、イクラちゃんがコンクリートを塗ったばかりの立入禁止の駐車場で、靴跡をつけて遊んでいた場面。駐車場の中央付近まで行っていたので、本来ならば戻ってくる際の靴跡がつくはず。
しかし映像では、行きの靴跡はあるものの、帰りの靴跡が見当たらないのです。このケースに関しては不自然に感じた視聴者も多かったようで、SNSは一時騒然となりました。
●分身したまる子のおばあちゃん
2025年にアニメ放送開始35周年を迎える『ちびまる子ちゃん』にも、作画に関する思わぬアクシデントが存在しました。
問題のシーンが映し出されたのは、2018年4月に放送された「中野さん、さくら家に泊まる」の巻でのこと。 中野さんを含めたさくら一家は、ちゃぶ台を囲んで団らんのひとときを過ごしていました。
やがて、父・ヒロシとお姉ちゃん・さきこの間でチャンネル争奪戦が勃発。その流れのなかでおばあちゃんがテレビの横に立ってチャンネルを変えようとするのですが、なぜか友蔵の横にも座ったおばあちゃんの姿が……。つまり、一画面の中で二人のおばあちゃんが同時に映り込む、あり得ない状況が巻き起こったのです。
この異常事態に、視聴者からは「おばあちゃんの残像だ」「今のは放送事故?」「おばあちゃんが分身してた!」とツッコミを入れるコメントが頻出。
ちなみに、このハプニングを受けたフジテレビは「作画上のミスです」と回答、謝罪の意を示しました。
詳しく読む⇒「まる子のおばあちゃんが分身」「カツオの体に異変が……」 ホントにあったまさかの“作画ミス”4選
◆ 『ONE PIECE』のワケアリ作画ミス
『ONE PIECE』の作者・尾田栄一郎先生は、自分で考えた設定をすっかり忘れてしまい、時折作画ミスしてしまうことがあります。読者から指摘を受けたことが何度かありますが、ユーモアあふれる対応で読者を楽しませています。
●クロコダイルに左手がある!?──『ジャンプ』の扉絵で痛恨のミス
クロコダイルの左手には金色の大きなフックがついていますが、2006年10号の『週刊少年ジャンプ』の扉絵で、右手と同様、普通の手として描かれていました。
しかし、コミックス第41巻に収録された際、第398話「宣戦布告」の扉絵では、左手はフックに修正されているのです。
2025年2月の時点でクロコダイルの左手がフックになった理由は明かされていません。コミックス第78巻のSBSでクロコダイルの子供時代が描かれましたが、そのときには普通の左手が描かれていました。
また、彼の左手を「義手」だと思っている読者も多いですが、その真偽も分かっていません。
幼少期以降にフックを装着するどんなできごとがあったのか、最終回までの伏線回収が期待されています。
●第1話からミスが炸裂──シャンクスの海賊旗が……
『ONE PIECE』は、原作第1話から複数の作画ミスが見られます。
たとえば、ルフィが赤髪海賊団のメンバーとマキノの酒場で飲み食いしているとき、山賊のヒグマたちが破壊したドアが、彼らが帰るときにはキレイに直っているのです。
第7巻のSBSで読者から指摘されると、尾田先生は、「それは彼の仕業。大工の「みなともさん」です」と両方の鼻の穴に釘を刺した厳つい男性のイラストとともに回答。「彼は気が短く、壊れたドアなどを見るとなおさずにはいられなくなります」「けっして、僕のミスではありません」と、あくまで演出の一環だと主張しました。
さらに、1話の終盤では、赤髪海賊団の海賊旗のトレードマークである「左目の3本の傷」が描かれていないというミスもありました。
大勢の読者から指摘されたにもかかわらず修正していないことについて、第15巻のSBSで尾田先生は、「めんど…深い意味があるんですね?」「わかった!!あれは3本の傷が治るくらい元気に船出しようっていう、少年少女へのメッセージなんですね!!」「……いや悪かったよ。忘れたんだよ…」と、ミスであることを認めています。
詳しく読む⇒「クロコダイルの左手が……」「第1巻からおかしな点が……」 『ワンピース』の4つのワケアリ作画ミス
〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01〉
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