アニメ・漫画の必殺技の中には、リアルでもできそうな技がいくつもあり、子供のころにマネした人も多いでしょう。しかし、一歩間違えると大ケガすることも……。次の4つは、実現可能そうに見えて実は難しい必殺技です。
◆子供のころマネしたアニメ・漫画の必殺技
連載漫画やアニメ放送が全盛期だった1980年~1990年代、チビッ子たちはこぞって登場キャラクターが繰り出す「必殺技」をマネしたものです。
しかし、当然のことながら、想像の産物である「必殺技」を不用意にマネした結果、思いもよらないしっぺ返しを食らうことも……。
●あわや大ケガ? アクロバットすぎる 『キャプテン翼』立花兄弟の必殺シュート「スカイラブハリケーン」
『キャプテン翼』には、翼の「ドライブシュート」など実在するものから、シュナイダーの「ファイヤーショット」など非現実的なものまで、多くの必殺シュートが登場しますが、中でも再現が難しいにもかかわらず再現欲をそそられたのが、双子の立花兄弟が繰り出した「スカイラブハリケーン」でした。
「スカイラブハリケーン」とは、先を走って仰向けになった政夫の足を踏み台に和夫が高く跳び、強烈な高低差からヘディングシュートするという、想像を絶するアクロバット技です。
「スカイラブハリケーン」再現へのロマンを追い続ける人も多く、YouTubeでは再現動画が数多く見られ、有識者が科学的に「スカイラブハリケーンは実践できるワザなのか?」について見解を述べるなど、完全再現への熱は現代でも冷めていません。
しかし、当時の子供がマネした結果、政夫役は背中を擦りむくうえ、和夫役が少しでも足の位置を間違えれば股間を強く踏みつけられてしまう……など、大ケガにつながりかねない超危険な必殺シュートでした。
はたして、「スカイラブハリケーン」が原作レベルで再現できる日は来るのでしょうか……!?
●ただの手刀……真似すると手が負ける! 『聖闘士星矢』紫龍の「エクスカリバー」
「ペガサス流星拳」や「廬山昇龍覇」など、魅力的な必殺技が数多く登場した『聖闘士星矢』。現実では出せないと分かっていても、多くの少年が必殺技のモーションをマネしたものです。
そんな中、現実世界でも再現できるのでは? と思ったのが、山羊座(カプリコーン)のシュラの伝家の宝刀「エクスカリバー」でした。
「エクスカリバー」は、TVゲームなどにも多く登場する伝説の聖剣で、本作ではシュラがその身に宿している設定です。振り上げられた手刀は何者をも切り裂く刃と化し、対戦した紫龍も相打ちになるのがやっとでした。
シュラ亡き後、紫龍が「エクスカリバー」の力を受け継ぎ、ポセイドン編で相対したクリュサオルのクリシュナとの闘いで初披露されました。クリシュナが持つ黄金の槍(ゴールデンランス)を両断するシーンは、空手道の瓦割りや日本刀で竹を斬るイメージを想起させ、「努力次第では自分にもできる」と当時の少年たちは思ったものです。
しかし、実際は筋力も骨も未熟な小さな子供です。学校の掃除用モップなどでチャレンジした結果、手が負けて打撲や骨にヒビが入るケースも……。
肝心な「鍛錬」という要素を抜きにしてマネしてしまった当時の少年たちにとっては、やはり危険な必殺技だったといえるでしょう。
詳しく読む⇒あわや大ケガ? ガチでやったら背骨が折れる! 子供のころマネした「アニメ・漫画の必殺技」
◆子供のころマネした『キン肉マン』の懐かしいコンビ技
作品の中で登場した技を実際にマネしてみるというのは、『キン肉マン』あるあるの一つです。ツープラトン技ともなると実際に仕掛けるのは難しいですが、兄弟や友達と実現しようと四苦八苦した思い出がある人も多いのではないでしょうか。
●ヘル・ミッショネルズのマスク狩り──クロス・ボンバー
夢の超人タッグ編で登場したヘル・ミッショネルズが得意とするクロス・ボンバーは、2人が同時にラリア―トを放って相手をサンドイッチにする技です。
再現のしやすさは『キン肉マン』に登場したツープラトン技の中でもトップクラスのため、子供の頃に兄弟や友達と実際にマネしてみた人は多いでしょう。
ただ、超人だけあってヘル・ミッショネルズのクロス・ボンバーは、人間が放つそれとは大きく異なるポイントがあります。それは走る勢いではなく、完璧超人の力の源であるマグネット・パワーの引き合う力を利用している点です。
互いの体を磁力で引き寄せることで強烈な一撃を放っているため、マスクを剥いだり、フルパワーなら首を飛ばしたりできるほどの威力を持っています。
ヘル・ミッショネルズはこの技によってウォーズマンやロビンマスク、アシュラマン、モンゴルマン、キン肉マングレート(テリーマン)といった名だたる超人のマスクを狩ることに成功。
作中ではマグネットパワーこそなかったものの、キン肉マンゼブラ相手にキン肉マンとロビンマスクのコンビも日英クロス・ボンバーという名称で使っています。
また、リアルのプロレスでも披露されることが多い技でしたが、危険度が高いということで使用禁止になっているところも。
マネしやすい技ですが、実際にやってみると見た目以上に威力が大きいです。また、ラリア―トが喉元に入ると危険なので、良い子はマネしないようにしましょう。
●ロメロ・スペシャルのツープラトン版──昇技トライアングル・ドリーマー
サタンクロスの昇技トライアングル・ドリーマー(以下、トライアングル・ドリーマー)は、2人がかりでロメロ・スペシャルをかける技です。
かつてのバラエティ番組では出演者がロメロ・スペシャルをかけている場面がよくあり、子供のころにトライアングル・ドリーマーをマネしてみたという人も多いでしょう。
この技はロメロ・スペシャルと違って、2人がそれぞれ相手の左右の手足を固めます。2人で1人の体重を支えるため負担が少なく、バランスを取りやすいのも特徴です。
そのため、むしろロメロ・スペシャルより再現しやすく、3人兄弟の末っ子はこの技の犠牲になった苦い思い出がある人も多いかもしれません。
この技の恐ろしいところは両手両足を完全に固められるため、1度かけられると逃げることは難しくなっています。さらに、左右から力が加わるため、ザ・ニンジャは腹を中央から引き裂かれて絶命してしまいました。
詳しく読む⇒『キン肉マン』子供の頃マネした懐かしいコンビ技4選 「体育の時間に再現」「プロレスラーが実現させた技も」
〈文/アニギャラ☆REW編集部〉
※サムネイル画像:Amazonより 『「キン肉マン」第81巻(出版社:集英社)』