コラボというと、共通点のある世界観や相性の良い組み合わせを思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、『機動戦士ガンダム』と『ハローキティ』の共演や、『ドラえもん』と「GUCCI」の異色タッグのように、ジャンルを超えた意外な組み合わせが話題を呼び、驚きと共感を生んでいます。
さらに、『スーパーカブ』のアニメ放送をきっかけに実際のバイクが再び注目されたり、『君の名は。』で登場した「組紐」が若者を中心にブームとなったりしたように、作品の世界観が現実の行動や流行にまで広がることもあるのです。
◆「意外なコラボ」を果たしたアニメ
誰もが知っている大手企業と人気作品のコラボは、話題性抜群です。過去には『ガンダム』と『ハローキティ』がコラボするなど、意外な組み合わせのコラボも実現しています。
●『機動戦士ガンダム』×『ハローキティ』──最後は平和を訴えかける?
2019年に『機動戦士ガンダム』が40周年、サンリオのキャラクター『ハローキティ』が45周年を迎え、夢のコラボが実現しました。
2019年に行われた「ガンダム vs ハローキティ対決プロジェクト」で和解した2つのキャラクターが力を合わせ、2020年に「2020年 愛と平和のガンダム&ハローキティプロジェクト」が始動。このプロジェクトを盛り上げるために制作された特別プロモーションビデオが、YouTubeで公開されるなど話題を呼びました。
まったく異なるジャンルの2作品ですが、「LOVE&PEACE」をテーマに、平和な世界を共創していくと発表し、さまざまなメーカーや流通とコラボしています。
胸を痛める事件や国同士の争いが絶えない現代において、人気作品が平和の尊さを訴えかけることは、大きな意味を持つでしょう。
●『ドラえもん』×「GUCCI」──14万8500円のスウェットが販売
2021年、GUCCIが『ドラえもん』とコラボし、男女を問わず使いやすい商品で話題になりました。
価格はiPhone11ケースが4万8400円、メンズスニーカーが12万5400円、ショルダーバッグが13万2000円、メンズコットンスウェットシャツが14万8500円など。
アニメとラグジュアリーファッションブランドとのコラボは珍しく、『ドラえもん』が世界中で愛されていることが分かります。
詳しく読む⇒『ガンダム』と「あのキャラ」がまさかのコラボ!? “意外なコラボ”を果たした4つのアニメ
◆アニメの影響でブームになったもの
アニメや漫画に登場したアイテムが、時にはブームを巻き起こすことがあります。映画『君の名は。』がヒットした際は「あるモノ」が売れるようになり注文が殺到したとか……。ほかには、どのようなモノがブームを呼んだのでしょうか?
●「スーパーカブ」を題材にしたアニメの影響でブーム再燃!
2021年に放送されたTVアニメ『スーパーカブ』は、親も友達もおらず、お金も将来の夢もない女子高生の小熊が、1台の中古のスーパーカブを購入したことで世界が広がっていくというストーリーです。
同作は、ホンダが発売したスーパーカブを題材にしており、スーパーカブは、1958年に初代モデルが販売されて以降、海外にも輸出され、二輪車での販売台数が1億台を突破するという世界記録も持っています。
また、同作はホンダが車両デザインの協力や監修を担当したことも話題となり、作中で描かれるスーパーカブがとても魅力的に映ったことで、視聴者からは「スーパーカブを買うことにした」「観ていたら、乗りたくなってきた」との声が上がり、再ブームにつながりました。
●ヒロインの付けていた「組紐」がブームに
2016年公開の映画『君の名は。』は、ストーリーのおもしろさや主題歌、挿入歌の良さも相まってヒットしましたが、ヒロイン・宮水三葉が髪を結ぶときに使っていた「組紐」も注目されました。
組紐とは三重県の伊賀地方などを中心に生産される伝統工芸品で、作中では主人公・立花瀧も組紐をブレスレットにして腕に着けるシーンもあります。
2017年2月、『日本経済新聞』の「「君の名は。」で注文殺到 映画と同じ「組紐」欲しい」という記事では、購入者は同作のファンの10代から20代の男女が多いことが紹介されていました。
組紐専門店の従業員によると制作が追い付かないほど注文が舞い込んだそうです。「購入されるのは20歳前後の男性が多いです」「2~3本まとめて購入される方が多いので、カップルで身につけているのでは」と、組紐専門店の従業員は推測していました。
さらに組紐の作りの体験教室にも希望者があふれ、『君の名は。』を観たことがきっかけできたと答える人が多かったそうです。
とくに作中に登場する赤・オレンジ・青系の組紐が人気を集めており、ネットショップでの購入者も増えました。
詳しく読む⇒『君の名は。』のヒットで売れた「アノ商品」とは? アニメの影響でブームになったもの4選
〈文/アニギャラ☆REW編集部〉
※サムネイル画像:『「2019年 「ガンダム vs ハローキティ」対決プロジェクト」キービジュアル ©創通・サンライズ ©’76,’20 SANRIO 著作(株)サンリオ』