『ONE PIECE』では、白ひげの壮絶な最期が放送ではマイルドに変更され、『名探偵コナン』の初回も過激な描写に光の演出が加えられました。さらに『エスパー魔美』では中学生の裸婦モデル設定が現代になって物議を醸すなど、アニメの中には表現が過激すぎて規制や時間変更を受けた作品が少なくありません。

◆「過激」すぎて規制が入ったアニメ

 アニメの中には、原作の描写があまりに過激で、放送時に設定や表現が変更された作品がいくつもあります。『ONE PIECE』や『名探偵コナン』などの人気アニメも例外ではありません。

●『ONE PIECE』白ひげの最期の姿は放送不可だった?──ナレーションもカットされる

 『ONE PIECE』コミックス第59巻で、「白ひげ」ことエドワード・ニューゲートは命を落とします。

 原作では「死してなおその体屈することなく──」「頭部半分を失うも敵を薙ぎ倒すその姿まさに“怪物”」というナレーションとともに、逆光ではあるものの、頭部を失った状態の白ひげの姿が克明に描かれていました。

 ところが、2011年130日放送のTVアニメ第485話「ケジメをつける 白ひげVS黒ひげ海賊団」では、表現が大幅に変更されています。

 命を落とした白ひげの顔は頭部のある右側が強調され、ナレーションでも頭部に関する言及は一切ありませんでした。

 さらに、原作で「その誇り高き後ろ姿には…」「あるいはその海賊人生に一切の“逃げ傷“なし!!!」とのナレーションとともに描かれた、体の前から刺された刀が背中まで貫通する描写は、アニメでは傷一つないキレイな背中に変更。流血も最小限に抑えられました。

●『名探偵コナン』アニメ第1話から規制の対象になる──今でもネットで語り継がれる展開に

 最終回に向けてますます盛り上がりを見せている『名探偵コナン』。実は、199618日放送のTVアニメ第1話「ジェットコースター殺人事件」でいきなり演出に規制が入っていました。

 このエピソードは遊園地を訪れた工藤新一と毛利蘭が、ジェットコースターで遭遇する殺人事件を描いたもので、コミックス第1巻では過激な描写も含まれていましたが、『名探偵コナン』も『犬夜叉』と同様に当時は午後7時台に放送されていたことや、事件のショッキングな内容から、アニメでは被害者の頭部を光でぼやかす演出がなされました。

 しかし、その光の演出が逆に不自然さを際立たせ、首が天に向かって光り輝いているようにも見えることから、今でもネットでは「不自然すぎる」と語り継がれています。

詳しく読む⇒「過激」すぎて規制が入った4つのアニメ 『ワンピース』はあのシーンで…… 『コナン』は第1話から規制の対象に

◆攻めすぎて「今では放送できない」アニメ

 規制が緩かった昔の作品、パロディ作品などの中には、地上波では放送できなくなったアニメも少なくありません。攻めすぎたがゆえに、お茶の間を凍りつかせた作品も中にはあります。

 今では放送ができない理由は、女子高生のいかがわしい行為や、いきすぎたパロディなどさまざま──。

●中学生が「お金をもらって脱ぐ」アニメがお茶の間に──『エスパー魔美』

 中学2年生の佐倉魔美はおこづかいをもらって、画家の父・佐倉十朗の裸婦モデルをしていました。いくら父と娘とはいえ、今では倫理的にアウトということで2度と地上波で放送されることはないでしょう。

 魔美もおこづかいを稼ぐ方法として喜んでやっており、堂々としたモデルっぷりです。もちろん十朗も娘をいやらしい目で見ることはありません。

 しかし、魔美は中学2年生であり、十朗は区立高校の美術講師も務めています。講師が中学2年生の裸婦デッサンをするのは、一歩間違えればいかがわしいバイトにしか思えません。

 この設定が生まれた理由として、「作品に色気がないと感じた作者が新しい挑戦をした」「編集から毎週裸を出すように言われた」など諸説があります。

 『エスパー魔美』は、民放キー局であるテレビ朝日で放送されており、中学生がお金をもらって裸をさらすシーンは当時もお茶の間の家族を凍りつかせていました。この作品がゴールデンタイムで普通に放送されていたのは、時代を感じさせます。

●女子高生の「あの行為」で放送時間が変わる──『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』

 1話目で高校1年生の神前美月が一人でいかがわしい行為をするシーンがあり、クレームが集まります。

 22時台という中高生も観られる時間帯だったため炎上し、TOKYO MX、サンテレビでは第5話より放送時間が深夜帯に変更されました。

 放送中止にならなかったことに安心したアニメファンもいたのではないでしょうか。逆に家族と和やかに過ごしていた22時台に、いきなり問題となったシーンが飛び込んできて、冷や汗をかいたアニメファンもいたかもしれません。

 ちなみに『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』は、実写映画化もされています。神前美月を演じる女優の橋本甜歌さんが服を脱いだ姿を見せるなど、こちらも攻めた内容となっています。

詳しく読む⇒「女子中学生」がお金をもらって……!攻めすぎて「今では放送できない」4つのアニメ

〈文/アニギャラ☆REW編集部〉

 

※サムネイル画像:Amazonより 『Blu-ray「最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。」第6巻(販売元 ‏ : ‎ KADOKAWA メディアファクトリー)』

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