両さんこと両津勘吉が、さまざまな人物を巻き込んでドタバタコメディを繰り広げるギャグ漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下、『こち亀』)。そんな両さんですが、実は過去に『ドラゴンボール』の世界に乱入してフリーザと戦ったことがあります。
◆幻のコラボは16年越しの伏線だった!?
両さんがフリーザと出会うことになる経緯は、まず『こち亀』のコミックス69巻に収録されている「両さんメモリアル」まで遡ります。この回では、急に両さんが警察をやめて旅立つ姿が描かれていました。
しかも、最終ページの見開きで「長い間ご愛読ありがとうございました。また会う日まで さようなら」という最終回によくあるナレーションまで付けられていたのです。しかし、ページをめくると何事もなく次のエピソードである「新たなる旅立ちの巻」が始まり、実は読者をだますためのニセの最終回だったというネタばらしがされます。
最終回を装ったことで、両さんは大原部長をはじめとした派出所メンバーたちから非難されてしまいます。最終的に両さんは本当に「ほかの漫画にいっちまえ!」と下のコマに描かれていたフリーザたちのいるナメック星に落とされてしまうのです。
この「新たなる旅立ちの巻」が描かれてから16年後……。2006年9月に発売された書籍『超こち亀』(出版社:集英社)に収録された「こちらナメック星ドラゴン公園前派出所」にて、この話の続きが描かれました。
なんとナメック星に落とされた両さんは、そこで違法駐車している宇宙船を見つけ、フリーザたちを逮捕しようとし戦闘が勃発。こうしてギャグ漫画の『こち亀』とバトル漫画の『ドラゴンボール』という、ジャンルを超えたコラボ作品が描かれたのです。
──ちなみに「こちらナメック星ドラゴン公園前派出所」で描かれた『ドラゴンボール』のキャラクターたちは、すべて秋本治先生が描いたそうです。
また、2014年3月に発売された PlayStation3用ソフト『ジェイスターズ ビクトリーバーサス』(発売元:バンダイナムコゲームス)で、両さんとフリーザを選択するとこのときのネタを元にした特殊な掛け合いが用意されていました。
〈文/fuku_yoshi〉
《fuku_yoshi》
出版社2社で10年勤め上げた元編集者。男性向けライフスタイル誌やムックを中心に、漫画編集者としても経験を積む。その後独立しフリーライターに。現在は、映画やアニメといったサブカルチャーを中心に記事を執筆する。YouTubeなどの動画投稿サイトで漫画やアニメを扱うチャンネルのシナリオ作成にも協力し、20本以上の再生回数100万回超えの動画作りに貢献。漫画考察の記事では、元編集者の視点を交えながら論理的な繋がりで考察するのが強み。最近では、趣味で小説にも挑戦中。X(旧Twitter)⇒@fukuyoshi5
※サムネイル画像:Amazonより 『「こちら葛飾区亀有公園前派出所」第200巻(出版社:集英社)』


