先月、アニメ制作会社MAPPAが映画『ユーリ!!! on ICE』の制作中止を発表して大きな話題になりました。このショックなニュースから、制作が決定してから音沙汰がない次の3つの作品を心配する声もSNSでは上がっています。
◆制作から5年ぶりの続報──劇場版『活撃 刀剣乱舞』
『活撃 刀剣乱舞』はゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』を原案にしたアニメ作品です。
『刀剣乱舞』は西暦2205年を舞台に、歴史改変を目論む歴史修正主義者と、特殊な能力を持つ「審神者(さにわ)」が目覚めさせた刀剣の付喪神「刀剣男士」が戦う姿を描いています。
本シリーズは異なるアニメ制作会社によっていくつかアニメ化されており、『活撃 刀剣乱舞』の制作を手がけているのは、『鬼滅の刃』などを制作している「ufotable」です。
本作は2017年にテレビアニメ『活撃 刀剣乱舞』が放送されました。テレビアニメ版では、新選組副長の土方歳三が所持していた和泉守兼定と堀川国広の2人を中心に、時間を遡行して歴史修正主義者と戦う姿が描かれています。
終盤では土方がいる時代へ遡行したことで、彼の未来を変えたくない和泉守と変えたい堀川が対立しました。しかし、2人は和解して歴史を守り、遠くから土方の最後を見届けて、また審神者のもとで歴史を守るために戦うのです。
本作はアニメの最終回が放送された2017年9月24日に劇場版の制作決定が発表されました。しかし、その後は続報がなくファンからは心配する声が上がっていたところ、アニメ制作から5年が経った2021年12月29日に劇場版のティザービジュアルが公開。さらに、2022年12月29日にはティザービジュアル第2弾が公開されました。ファンからは「企画が流れてなかった」と安心の声が上がったものの、その後は音沙汰がなく公開時期は未定です。
制作中止の発表がないことを考えると、企画はまだ生きていると考えられるでしょう。ファンとしては続報がないのが非常につらいですが、諦めずに公式からの発表を待つしかありません。
◆年内アニメ化から続報なし──『姉なるもの』
異形の姉弟愛とクトゥルフ神話の要素を取り入れた『姉なるもの』(著:飯田ぽち。)も、OVAの制作が発表されてから音沙汰がありません。
『姉なるもの』は成人向けの同人誌でしたが、内容を全年齢向けにしたものを2016年から『電撃G'sコミック』にて連載を開始しました。その後、「第3回次にくるマンガ大賞」のコミックス部門6位にも選ばれ、2020年1月には累計発行部数が75万部を突破しています。
本作の主人公の夕は、幼い頃に両親を事故で失ってしまい、親戚の家を転々としながら暮らしていました。少し前に母の従弟にあたるおじさんのところで暮らすようになったものの、おじさんも入院してしまい、夕はひとりで暮らすことになります。
その際、おじさんの保険証を探すため、禁じられていた蔵に入ってしまい、「千の仔孕む森の黒山羊」と名乗る異形のお姉さんに遭遇してしまうのです。
お姉さんに「大事なものと引き換えに望むままを与えましょう」と願い事を聞かれた夕は、「お姉ちゃんになってください」とお願いしました。夕の願いを聞き入れたお姉さんは千夜と名乗り、ふたりで暮らす日々が始まるのです。
そんな本作は2020年1月に年内のアニメ化(OVA)が発表されます。当時はアニメ化を記念した描き下ろしの大型広告のイラストが東京メトロ丸ノ内線新宿駅メトロプロムナードで展示され、大きな話題を呼びました。
しかし、それから続報はなく、2020年にアニメが公開されることもありませんでした。今なお告知はなくファンからも「アニメ化はどうなったんだろう」と心配する声が上がっています。
◆続編の制作決定から音沙汰なし──『幼女戦記』
『幼女戦記』は同名のライトノベル(著:カルロ・ゼン)を原作としたテレビアニメ作品です。第1期が2017年に放送され、劇場版が2019年に公開されました。
主人公は日本で暮らす30代のサラリーマンですが、徹底的な合理主義で他者を顧みない性格が災し、同僚に線路へ突き飛ばされて命を落とします。
しかし、そこへ創造主を名乗る存在Xが現れ、信仰心がない主人公へ信仰心を持たせるため、戦争が繰り広げられる過酷な彼を異世界へ転生させました。
転生してターニャという少女になった主人公は、変わらず信仰心を持たぬまま魔導の才能があることから、士官学校へ進んで軍人になります。
キャリアを積み安全な後方勤務で平穏な日々を送ろうと目論むターニャですが、本人の思惑とは裏腹に前線へ投入されて危険な戦地で戦う日々を送るのです。
本作は第1期が放送されると人気を博し、2019年には劇場版が公開され、父の命を奪われたことでターニャに恨みを抱くメアリー・スーとの戦いが描かれました。
そして、2021年に放送された特番では2期の制作が発表され、ファンからも喜びの声が上がります。しかし、その後は現在まで続報がなく、いつから放送なのかも不明なままです。
音沙汰がない理由は判明していませんが、本作は初めて世界大戦を経験する世界が舞台だけに、ファンからは世界情勢を鑑みて放送時期を調整しているのではといわれています。
真偽は定かではありませんが、ファンからは2期の放送を心配する声とともに、「いつまでも待っている」と温かい声も上がっています。
──ファンとしてはいつまでも作品を待ち続けたいものですが、何も続報がないのはつらいもの。しかし、今年映画の公開が始まった『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』は、2006年に劇場版の制作が発表され、約20年の年月をかけて映画が公開されました。このような前例もあるので希望を捨てず、気長に続報を待ちましょう。
〈文/林星来 @seira_hayashi〉
《林星来》
フリーライターとして活動中。子供の頃から培ってきたアニメ知識を活かして、話題のアニメを中心に執筆。アニメ以外のジャンルでは、葬儀・遺品整理・金融・恋愛などの記事もさまざまなメディアで執筆しています。
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