TVアニメ終了から26年の時を経て、2022年に初の映画作品『THE FIRST SLAM DUNK』が空前の大ヒットを記録した『SLAM DUNK』。2022年には『うる星やつら』、2023年には『るろうに剣心』が再アニメ化。また今年の7月からは『キン肉マン』の新作アニメが放送されます。さらに、1993年にアニメ化された『YAIBA』の再アニメ化が、今年の5月に発表されました。
80年代、90年代に人気を博したアニメは、再アニメ化される傾向にありますが、今後再び放送されそうな作品には、どのようなものがあるのでしょうか?
◆昭和版、平成版につづき“令和版”も!?──『Dr.スランプ アラレちゃん』
『Dr.スランプ アラレちゃん』は、『ドラゴンボール』の鳥山明氏によって『週刊少年ジャンプ』で連載された『Dr.スランプ』を原作とし、1981年~1986年まで放送され、1997年には『ドクタースランプ』とタイトルを変えて再アニメ化されました。
「んちゃ!」や「バイちゃ!」など流行語を生みだし、当時は放送局のフジテレビ、出版社の集英社の躍進にも大きな影響を及ぼすなど、空前の大ブームを巻き起こし、それまでのTVアニメの概念を大きく覆しました。
また、その後の鳥山明氏の作品『ドラゴンボール』では、悟空がペンギン村を訪れた際、ブルー将軍をアラレが怪力で撃退したり、千兵衛が壊れたドラゴンレーダーを修理したりする(正確にはターボ君の超能力で修理)など、2作がクロスオーバーするシーンも描かれています。
底抜けに明るく時代に左右されない世界観は、令和においても十分通用するでしょう。また、今年の3月に鳥山明氏が逝去したことで再注目が集まり、令和版のアニメ『Dr.スランプ』が制作されるかもしれません。
◆過去5回にわたってアニメ化された名作──『スレイヤーズ』
『スレイヤーズ』は、ライトノベル『スレイヤーズ』を原作に作られたTVアニメで、通称「無印」と呼ばれる第1作目の『スレイヤーズ』が1995年4月~9月にかけて放送され、放送終了時は継続を訴えるファンが街頭署名運動を起こすなど、コアなファン層から絶大な人気を獲得。
その後も1996年に『スレイヤーズNEXT』、1997年に『スレイヤーズTRY』。さらに11年の時を経て2008年に『スレイヤーズREVOLUTION』、2009年に『スレイヤーズEVOLUTION-R』(AT-Xにて放送)が放送されています。
前述のアニメシリーズ5作品のほかに、映画版5作品、OVA、ラジオドラマなど多くの媒体で作品がリリースされてきましたが、原作第二部をベースにした作品は未だ手掛けられておらず、続編を望むファンも多いことから、新シリーズの再アニメ化が期待されている作品です。
◆いつ再アニメ化されてもおかしくない!?──『金色のガッシュ!!』
『金色のガッシュベル!!』は、2001年から『週刊少年サンデー』で連載された『金色のガッシュ!!』を原作として、2003年4月から2006年3月まで150話が放送されました。
コミカルなタッチながら、シリアスな要素もあり幅広い年齢層からの支持を得ており、2022年3月より原作続編となる『金色のガッシュ!!2』が、電子書籍で毎月1話ずつ配信されるかたちで連載が再開されるなど、今なお人気の高さが窺えます。
今年の4月には、スマートフォン向けRPGゲーム『金色のガッシュベル!!永遠の絆の仲間たち』の配信が始まるなど、ふたたび盛り上がりを見せている『金色のガッシュ!!』ですが、もしかすると既に再アニメ化も構想されているのかもしれません。
いずれにせよ、アニメ放送終了から18年が経過した現在もなお、X(旧Twitter)などのSNSで再アニメ化を望む声が多い作品です。
◆令和のコンプラをバブリーブームでぶち破れるか!?──『GS美神』
『GS美神』(ゴーストスイーパーみかみ)は、1991年から1999年まで週刊少年サンデーで連載された『GS美神 極楽大作戦!!』を原作としてアニメ化され、1993年4月から1994年3月まで放送されました。
令和に再アニメ化するにあたり、主人公の美神令子のボディコン・コスチュームの露出度が高すぎることや、助手の横島は美人ならば相手が幽霊でも見境なく欲情するなど性的な描写が含まれていること、時給250円で横島を雇うなど超ブラック企業であること(おキヌちゃんは日給30円)など、コンプライアンス的に厳しいという見方もあります。
また、美神の声優は2017年に亡くなった鶴ひろみさんで、声優の変更を嫌うファンも多く、再アニメ化が実現するまでにいくつものハードルがあるもの事実です。
しかし「RTA in Japan Summer 2023」が行われた際、1993年に発売されたSFCソフト『GS美神~除霊師はナイスバディ~』が使用され、X(旧Twitter)で「#GS美神」がトレンド入りするなど、潜在的に多くのファンがいると証明されたことから、再アニメ化される可能性も十分ありそうです。
──多くの名作アニメが生み出された1980~90年代。『ドラゴンボール』や『SLAM DUNK』のように、令和においても新たなファンと当時のファン両方の支持を得ている作品も多くあります。
時代に合わせてアップデートをしながらも、オリジナルの良さを残した再アニメ化に期待です。
〈文/lite4s 編集/乙矢礼司〉
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