アニメ・漫画の中には、テレビで活躍する有名人をキャラクターの参考にしているケースもあります。当時流行っていた芸能人に似せていたり、原作者がファンだった芸能人をモチーフにしていたり、その理由には視聴者の知りえなかったさまざまな裏話が隠れています。

 実は次の4人のキャラクターも、実在の有名人をモデルにしていました。

◆『セーラームーン』のタキシード仮面は元アイドルのアノ人!

『美少女戦士セーラームーン』にも、ある有名人をモデルにしたキャラクターが存在します。それは、月野うさぎの恋人であり、タキシード仮面としてセーラームーンをサポートする地場衛。

『セーラームーン』のプロトタイプである『コードネームはセーラーV』の単行本第1巻では、タキシード仮面のモデルが明かされています。作者の武内直子先生によると、そのモデルとは男性アイドルグループ・少年隊として一世を風靡した東山紀之さん。

 また、東山さんは1986年から1995年まで、バーモントカレーのCMキャラクターを務めており、その中で披露したタキシード姿がまさにタキシード仮面そのもので驚いたという裏話も。

 たしかに、タキシード仮面と東山さんの容姿にはいくつかの共通点が。とくに、長身のスラッとしたスタイルや漆黒のふわりとしたヘアは、どこかアイドル時代の東山さんを彷彿とさせます。

◆『地獄先生ぬ〜べ〜』のマドンナは「あの歌手」がモデル?

 2025年に新アニメ化が決定した『地獄先生ぬ~べ~』の高橋律子(リツコ先生)もある有名人をモデルにしたとされるキャラクターです。

 連載30周年記念としてX(旧Twitter)でファンの疑問に回答した際には、作画担当の岡野剛先生がリツコ先生のモデルとなった芸能人について触れていました。

 岡野先生によると、リツコ先生は原作者の真倉翔先生の初期イメージでは歌手・女優の今井美樹さんだったそう。そのため、名前も当初は「高橋」ではなく「今井」だったと語っています。ちなみに採用された「高橋」の名は、当時のアシスタントさんからとったものだそうです。

 リツコ先生は、美人で色気のあるキャラクター。確かに、今井美樹さんの美しく妖艶な雰囲気と一致しています。

◆『ひるなかの流星』の不愛想イケメンは「あの爽やか俳優」がモデル!

 2011年から連載され、永野芽郁さん主演に実写映画化も果たした『ひるなかの流星』。この作品で有名人がモデルとなったのは、主人公・すずめに恋するクールなクラスメイト・馬村大輝。

 単行本第9巻のフリートークでは、馬村は俳優の坂口健太郎さんをモデルにしていると作者のやまもり三香先生が綴っています。

 また、少女漫画誌『マーガレット』(201445号)では、坂口さんが馬村のコスプレを披露。高校の制服に身を包み、白いヘッドフォンを首元にかけた姿は、どこからどう見ても馬村にしか見えません。

 馬村は“塩顔イケメン”として女性に人気のあるキャラクター。やまもり先生がモデルを明言する前から、“塩顔イケメン代表”と謳われる坂口さんとソックリ! と話題になっていました。

 清涼感のあるルックスと儚い雰囲気がよく似ていて、モデルと聞いて納得した人も多かったようです。

◆『SPY×FAMILY』エミール&ユーインは「あのお笑いコンビ」をイメージ?

 『SPY×FAMILY』にも芸能人をモデルにしたキャラクターが登場しています。それが、アーニャの同級生ダミアンの取り巻き的存在である、エミール・エルマン&ユーイン・エッジバーグです。

 単行本第11巻の表紙裏には、「情報屋フランキーの極秘メモ」と題してエミール&ユーインのキャラクターデザインが語られています。

 フランキーによると、二人はお笑いコンビ・バナナマンの設楽統さんと日村勇紀さんのビジュアルを参考にして描かれたそうです。

 突然の裏話に、読者からは「二人を見たときの既視感の正体はこれか」「エミールとユーインがもうバナナマンにしか見えない」など、モデルに納得の反応が続々と湧きあがりました。

 あまり似せるのは良くないと、色々とデフォルメして今の形になったそうですが、設楽さんのインテリチックな雰囲気や、日村さんのさらさらのマッシュルームカットなど、しっかりとモデルの特徴が捉えられています。

〈文/繭田まゆこ〉

 

※サムネイル画像:Amazonより

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