アニメや漫画の中で稀に見られる作画ミス。その原因は作り手の見落としやうっかりミスなどが挙げられますが、視聴者や読者的には「貴重映像だ」「面白い」と盛り上がることも。

 次の4つの作品も、まさかの作画ミスが見つかり話題になりました。

◆ドラえもんのタケコプターはどこに?

 国民的アニメとして知られる『ドラえもん』では、予想外の作画ミスが目撃されました。そのシーンが描かれたのは、20205月に放送された「メモリーローン」でのこと。

 ひみつ道具「メモリーローン」を濫用するのび太を止めるため、ドラえもんはタケコプターを使って空から行方を探すことに。ところが、空を飛ぶ引きの画ではドラえもんの頭にしっかりとくっついていたタケコプターが、次のアップの画に切り替わると忽然と姿を消していたのです。

 ドラえもんならあり得なくもないシーンですが、思いがけない事態に「ドラえもん、タケコプターどうした」「やっぱりなかったよね?」と戸惑いの声がSNSなどで散見されました。

 この件について、エピソードの作画監督を務めた藤田さん(カットは別の担当者)は「理由は色々ありますが、見落としていた自分が悪いので反省しています」と回答。本人による言及に、SNSはさらなる盛り上がりを見せました。

◆カツオが一瞬で衣装チェンジ

 2024年に放送55周年を迎えたアニメ『サザエさん』にも、思いがけない作画ミスがありました。

 まず取り沙汰されたのが、20225月に放送された「謎のほほえみ美人」でのシーン。

 友人の中島とほほえみ美人について会話するカツオは、ブルーの襟がついた薄い青色の長袖シャツにグレーの短パンを着ていました。

 しかし、中島の回想が挿入されたあと、元のシーンに戻ると、カツオの服がイニシャル入りの黄色い長袖シャツと紺色のパンツに一瞬で変わっていたのです。ちなみに、中島の服はそのまま。予期せぬ衣装チェンジには、驚きの声が上がりました。

 また、201810月に放送された「イクラの足あと」にも、作画の誤りではないかと話題になったシーンがあります。

 そのシーンとは、イクラちゃんがコンクリートを塗ったばかりの立入禁止の駐車場で、靴跡をつけて遊んでいた場面。駐車場の中央付近まで行っていたので、本来ならば戻ってくる際の靴跡がつくはず。

 しかし映像では、行きの靴跡はあるものの、帰りの靴跡が見当たらないのです。このケースに関しては不自然に感じた視聴者も多かったようで、SNSは一時騒然となりました。

◆分身したまる子のおばあちゃん

 2025年にアニメ放送開始35周年を迎える『ちびまる子ちゃん』にも、作画に関する思わぬアクシデントが存在しました。

 問題のシーンが映し出されたのは、20184月に放送された「中野さん、さくら家に泊まる」の巻でのこと。 中野さんを含めたさくら一家は、ちゃぶ台を囲んで団らんのひとときを過ごしていました。

 やがて、父・ヒロシとお姉ちゃん・さきこの間でチャンネル争奪戦が勃発。その流れのなかでおばあちゃんがテレビの横に立ってチャンネルを変えようとするのですが、なぜか友蔵の横にも座ったおばあちゃんの姿が……。つまり、一画面の中で二人のおばあちゃんが同時に映り込む、あり得ない状況が巻き起こったのです。

 この異常事態に、視聴者からは「おばあちゃんの残像だ」「今のは放送事故?」「おばあちゃんが分身してた!」とツッコミを入れるコメントが頻出。

 ちなみに、このハプニングを受けたフジテレビは「作画上のミスです」と回答、謝罪の意を示しました。

◆『キン肉マン』で起こったドッペルゲンガー現象 

 アニメのほかにも、漫画でもあり得ない作画ミスがありました。

 それが、2024年にアニメの新シリーズが放送された『キン肉マン』。その原作ではある矛盾が発見され、伝説の作画ミスとして語り継がれることに……

 該当シーンが掲載されていたのは、コミックス第15巻「悪魔将軍の猛威!!の巻」です。

 悪魔将軍に挑み、「スピン・ダブルアーム」をくらうジェロニモ。しかしすぐ次のコマでは、技をかけられているはずのジェロニモが、ロビンマスクたちとともに自分の試合を観戦している姿が描かれているのです。

 この不可思議な現象はジェロニモ現象と名付けられ、読者の間では「もしかして双子?」「ドッペルゲンガー?」とさまざまな説が噂されました。

 この件には続きがあり、発見から約36年後にある新事実が発覚します。語られたのは、20195月に発売された学研の図鑑『キン肉マン「超人」』でのこと。そこでは、ジェロニモが二人いた理由について「悪魔将軍のスピン・ダブルアームのあまりの勢いに幽体離脱をして、至近距離から自分の戦いを見ることとなった」と説明書きがされているのです。

 まさかの公式見解に「作画ミスじゃなかったんだ」「すごい発想だ」と衝撃の声が寄せられました。

 

 ──アニメ『ONE PIECE』でゾロが2人いる場面があったり、漫画『鬼滅の刃』で左手が動かないはずの炭治郎が両手を使用していたり、意外とあるあるな作画ミス。単なるミスがほとんどですが、"ジェロニモ現象のように今後新解釈が生まれることもあるかもしれません。

〈文/繭田まゆこ〉

 

※サムネイル画像:Amazonより

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