カンニングを題材にしたマンガでは、消しゴムに答えを書くといった古典的な方法から、超能力を使ったものまで、さまざまな手法が描かれています。

 今年の大学入学共通テストで4人の不正行為があったと、大学入試センターが119日に発表しましたが、そのうち一人はカンニングによる不正行為だったそうです。

 次の4つの作品は、題材がカンニング、または作中でカンニングに関するエピソードが登場し、読者に衝撃を与えました。

 なお、この記事はカンニングを推奨するものではありません。

◆体中にテストの答えが浮き出る?──『地獄先生ぬ~べ~』

『地獄先生ぬ~べ~』のコミックス第14121話「鮮血の聖痕の巻」では、いつもテストで30点未満しか取れない栗田まことが、その日の算数の実力テストで高得点を取りたいと、誰も見向きもしない社(やしろ)に神頼みをします。

 しかし、いざ挑んだテストでは問題がさっぱり解けず、後ろの席の立野広と木村克也とともに頭を抱えます。

 そのとき、広はまことの首筋にテストの答えが浮き出ていることに気づきます。

 まことの全身にアザのように答えが浮き出ていたため、担任のぬ~べ~がテスト中に居眠りをしている隙に、クラス全員がカンニングして満点を取ってしまいます。

 ほかの児童はともかく、普段のまことや広の実力を知っているぬ~べ~は、彼らの成績が急上昇したことに疑問を持ちますが、アザは既に消え、証拠がありません。

 その後も、まことが質問すると、身体に答えが浮き出ます。ところが、アザではなく痛みを伴う傷となって現れるようになり、ついには流血し、まことは恐怖に苦しみます。

 驚いたまことたちはぬ~べ~に相談し、カンニングがばれて怒られ、テストは0点に。

 まことの身体に現れたのは「聖痕(せいこん)」というもので、忘れ去られた社の神が、熱心に祈るまことのために与えた力だということが分かりました。

 しかし、その神は格が高くなかったため、まことの体に大きな負担がかかっていました。

 まことは意図的にカンニングしたわけではないものの、便利な力だと思っていた聖痕のせいで大変な目に遭ってしまいました。

◆カンニングで東大合格!?──『試験あらし』

 1974年から『週刊少年サンデー』で不定期連載された『試験あらし』は、カンニングで高校と大学を受験する少年を描いたマンガです。

 奇術師を目指す主人公の嵐次郎吉は、病気になった母親から亡き父と同じ名門高校に進学してほしいとお願いされ、カンニングで受験することを決意します。

 奇術を駆使し、次郎吉は奇抜なカンニングを次々と考案します。コミックス1巻では消しゴムを薄く切り分け、その中にビッシリと答えを書き込んでいました。

 作中では、次郎吉のカンニングの方法が図解入りで詳しく解説されていますが、現代なら倫理的に問題視され、大炎上は免れないでしょう。

 最後には、次郎吉はカンニングで東京大学に合格しますが、奇術が得意な彼にしかできなかったでしょう。真面目に勉学に打ち込み、不正をせずに合格を目指すべきなのはいうまでもありません。

◆担任が生徒の机にわざとカンペを仕込む──『ライフ』

 いじめマンガとして有名な『ライフ』第14巻と第15巻に、担任教師の戸田和佳絵が、成績優秀な生徒の未来に濡れ衣を着せる場面があります。

 別のクラスの男子生徒・佐古と男女の仲になり舞い上がっていた戸田は、佐古の元カノかついじめの主犯格の愛海に脅されていました。

 佐古にのめり込んでいた戸田は、愛海の要求に従い、未来の筆跡を真似たカンニングペーパーを未来の机の中に仕込んだのです。

 濡れ衣を着せられた未来は教室から退場させられるも、クラスメイトたちは未来を信じます。むしろ、素行の悪い愛海に疑いの目が向きます。

 愛海は激怒し、戸田を襲います。恐怖を感じた戸田は自分の行動を恥じ、カンニングを偽装した事実を認めて学校を退職。

 いじめに向き合わず、保身ばかり考えていた戸田の行動は、教師としても人間としても許されませんが、最後に改心する姿はわずかな希望を感じさせます。

◆多くの子供から絶大な支持を受ける?──『カンニンGOOD(グー

 1995年から2002年の間、『別冊コロコロコミック』で連載されていた『カンニンGOOD(グー』は、小学6年生の主人公・満天完人がカンニングで100点を取り続けるというマンガです。

『試験あらし』の次郎吉同様、完人もテストの答えを消しゴムの「ケッシーくん」に書くなど、数多くの道具を使います。

 低年齢層向けの雑誌でカンニングを扱っていましたが、扉絵で毎回「よい子は絶対にマネしないでください」という注意書きがありました。

 また、テストの内容も工夫されており、大人でもすぐには答えられないなど、おもしろいと評判だったそうです。

 マンガとしての完成度も高く、不正行為を題材としながらも、勉学の大切さを伝えていました。

 

 ──フィクションの世界ではカンニングが描かれることがありますが、現実の世界では許されません。

 カンニングなどの不正行為は、受験資格の剥奪や成績の無効など、重大な結果につながります。

 これから受験シーズンが到来しますが、カンニングなどの不正行為はせず、正々堂々と試験にのぞみましょう。

〈文/花束ひよこ〉

 

※サムネイル画像:Amazonより

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