人気アニメのキャラクターは、「この声優以外考えられない」と思いがちですが、地上波アニメ以外の媒体では別の人が声を当てている場合も。過去には、今や国民的人気作となったアニメの主役を、別の大物声優が演じていたケースもあります。

◆ドラえもん役は野沢雅子さんだった?──その前は男性が演じていたが……

 テレビ朝日の看板作品である『ドラえもん』は、1973年に日本テレビでアニメ化されたことがあります。その際、初代・ドラえもん役に抜擢されたのは富田耕生さんでした。

 しかし、日本テレビ版の『ドラえもん』は人気が伸び悩み、富田さんは降板。

 第27話からはあの野沢雅子さんがドラえもん役を引き継ぎ、同作は無事に最終回を迎えます。

 日本テレビ版『ドラえもん』は、20252月に至るまで映像ソフト化されておらず、ネット配信もなく、視聴困難です。

 日本テレビ版の『ドラえもん』は、もはや幻の作品のような扱いとなっています。

◆ゾロ役は高木渉さんだった?──アニメ化後は「悪役」として登場

 1999年に地上波でアニメ放送が始まった『ONE PIECE』は、1998年開催の「ジャンプ・スーパー・アニメツアー'98」で、一度パイロット版としてアニメ化されています。

 そのタイトルは『ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック』で、麦わらの一味からはルフィ、ゾロ、ナミの3人のみが登場。

 3人とも現在の地上波アニメとは別の声優が演じており、ルフィ役は高野麗さん、ゾロ役は高木渉さん、ナミ役は豊口めぐみさんでした。

 高木渉さんはその後、地上波アニメで、ベラミー、バンダー・デッケン九世、アニメオリジナルキャラクターのラルゴ、代役でジャンゴなどのキャラクターを演じています。

 どこか憎めないキャラクターを演じることの多い高木さんが演じるゾロは、地上波版とはまた違った魅力があるかもしれません。

 一貫してクールなゾロと、気性の荒いベラミーというまったく違うキャラを演じ分けた高木さんの演技力の高さが分かります。

 この作品のソフトの一般販売はされていませんが、『週刊少年ジャンプ』の19991 - 6号でビデオが応募者全員サービスで進呈されています。

◆あの歌姫がピノコ役に挑戦!──宇多田ヒカルさんを起用

 2001年、『ブラック・ジャック』のインターネット版アニメで、ヒロインのピノコ役を歌手の宇多田ヒカルさんが演じました。

 当時、インターネットはまだ普及し始めたばかりでしたが、日本の歌姫として知名度抜群の宇多田さんの起用は話題を呼びました。

 このとき、宇多田さんは声優に初挑戦。2001年放送のテレビドラマ『HERO』でウェイトレス役として出演するなど、歌手活動以外にも、マルチな才能を発揮しています。

◆あの超人気俳優が『こち亀』に?──堺雅人さんが演じていた役とは

 1996年から2001年にかけて、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下、『こち亀』)で白鳥麗次役を演じていたのは、俳優の堺雅人さんでした。

 今や数々の人気ドラマで主演を務める俳優の堺さんですが、『こち亀』に出演していたことはブレイクしてから知ったファンも多いようです。

 堺さんが演じていた白鳥麗次は、自称「スーパー金持ち」のキザな男。数々のセレブ自慢をしたり、好きな女性の気を引こうと猛アピールしたりします。

 一方で、両津勘吉のサポートやアドバイスを受けて立ち直るなど、どこか抜けたところのあるおっちょこちょいな一面も持つキャラクターです。

 白鳥はアニメ第27話から登場し、以降も複数回にわたって登場するなど、人気を集めていました。

 視聴者からは、堺さんの声が白鳥のイメージに合っており、違和感がないといわれることが多いです。

 堺さんは2001年に白鳥役を降板し、その後は和田サトシさんが引き継ぎました。

 なお、白鳥の父親役を演じていたのは俳優の八嶋智人さんです。大物俳優同士が親子役で共演するのは、数あるアニメの中でも珍しいケースです。

〈文/花束ひよこ〉

 

※サムネイル画像:Amazonより

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