毎年たくさんの新作アニメが放映される一方で、信じられないような理由で製作中止になってしまった「幻のアニメ」もあります。多くの関係者の努力も虚しく、日の目を見なかった作品たちと、その驚きの製作中止の理由とは……。

CLAMP先生の名作に泥を塗る──『東京BABYLON 2021

 CLAMP先生原作の『東京BABYLON』が、202011月に『東京BABYLON 2021』のタイトルで2021年より放送されることが発表されました。

 同作は呪いや怨霊から人々を守る陰陽師一族の若き当主・皇昴流が、東京で起きる怪奇現象や霊による事件を解決するというストーリー。1990年代初期の作品でありながら、人間が抱える心の闇や介護問題などにも深く切り込む意欲作として、ファンからも期待されていました。

 しかし、キャラクターの衣装が某アーティストの着用していたものに似ていると指摘され、「模倣盗用」だったことが発覚。

 デザインを担当したアニメ制作会社のGoHandsは、ほかにも多くの模倣盗用をしており「TOKYO BABYLON 2021 PROJECT」は2021年、公式Webサイトに「製作委員会内で協議を重ねました結果、現制作会社との信頼関係の欠如により制作続行は不可能と判断し、【東京BABYLON 2021】プロジェクトは制作中止とさせて頂きます」「その上で、改めてCLAMP先生、製作委員会にて協議の上、全く新たな制作体制で再出発させて頂くこととなりました」と掲載しました。

 2025年4月上旬の時点で新たな情報はまだありませんが、ファンのためにも納得のいく作品が放送されることを願うものです。

◆ロシアの人気デュオをアニメで描くはずが……──t.A.T.u. PARAGATE

 「Not Gonna Get Us 」や「All the Things She Said 」のヒット曲で知られるロシアの人気デュオ「t.A.T.u. 」のメンバーをキャラクター化し、『t.A.T.u. PARAGATE』のタイトルでアニメ化することが200312月、『サンケイスポーツ』で報じられました。   

 『t.A.T.u. PARAGATE』は日本とロシアの合作になる予定で、20041月出版の『アニメージュ』2月号(出版社:徳間書店)では、「奇妙な異世界で運命の再会を果たしたジュリアとレーナ」「相手を信頼し、共に戦うことを誓う二人の前に、次元を超える扉「パラゲート」が開き、世界の運命が大きく動き始める」と、ストーリーの一部も紹介されています。

 日本の音楽番組を本番直前で出演キャンセルするなど「お騒がせ」なイメージの強い一方で、アーティストとして根強い人気を誇っていたt.A.T.u.のアニメ化は、大きな注目を集めていました。

 ところが、同年に音楽プロデューサーのイワン・シャポワロフさんがt.A.T.u.プロジェクトから解雇されたことが発表され、その後、アニメ制作の話は自然消滅。2005年には公式Webサイトも閉鎖され、現在に至るまで進展はありません。

◆アニメ化の中止後、原作者が……──『アライブ-最終進化的少年-

 河島正先生原作の『アライブ-最終進化的少年-』は、「もしも荒れ狂う現代人が特殊な超能力を持ったら」という設定のSF作品で、2008年にテレビアニメ化が発表されました。同作が連載されていた『月間少年マガジン』でも大々的に告知していましたが、2010年に製作中止が発表。

 同社のWebサイトによると、「アニメーション制作を担当する予定であった株式会社ゴンゾが上場廃止という不測の事態に陥り、先年より制作が停止されておりました」と、アニメ制作会社側に原因があったことが分かりました。

 アニメ化発表から2年の歳月が経ってから中止が発表された理由は、「その後もアニメ化に向け最大限の努力を致して参りましたが、残念ながら実現には至りませんでした」との記載から、アニメ化に向けて調整が続いていたためと思われます。

 さらに、原作が無事完結し、アニメの制作中止が発表された数日後、河島先生が肝臓がんにより41歳の若さで逝去。ファンにとって、悲しいできごとが重なる結果となりました。

 『月間少年マガジン』のWebサイトでは「河島先生は「アライブ」連載中に発病されましたが、病床にあっても精力的に仕事を続けられ、この生と死を見つめた物語を完結に導かれました」「その後も闘病生活の傍ら、新作に向けて意欲を燃やしておられたところでした」「そのあまりにも早すぎる死を悼みますと共に、生み出されるはずであった作品が惜しまれてなりません」「河島正先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます」と、河島先生が最後の最後まで命がけで作品を執筆していたことが明かされました。

◆デビュー前の発言が問題視される──『二度目の人生を異世界で』

 ライトノベル作家・まいん先生原作の『二度目の人生を異世界で』は、小説投稿サイト『小説家になろう』発の人気作品として書籍化、2018年にはアニメ化も決定していました。

 しかし、まいん先生がデビュー前からTwitter(X)でさまざまな著名人への問題発言や差別的発言を書き込んでいたことが注目され、キャスティングされた声優4人が降板を発表。そして、アニメ製作中止という事態を招きました。

 2018年6月公開の『日刊サイゾー』の「暴言連発で『二度目の人生を異世界で』アニメ化を吹き飛ばした原作者・まいん氏の意外な素顔」という記事では、まいん先生を知るメディア関係者に取材し「実際に会うと攻撃的ではなく、ちょっと自信のなさそうな人」「バカ売れしたことに戸惑っている様子もあって、人から注目される存在に慣れていなかったのでは」との声が掲載されました。

 騒動後、まいん先生はTwitterのアカウントを削除し、小説は打ち切りとなっています。

〈文/花束ひよこ〉

 

※サムネイル画像:Amazonより

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