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 現実の学校なら即アウト──。のほほんとした印象の日常系ギャグアニメですが、実は登場する教師たちのモラルは崩壊寸前のキャラクターが少なくありません。居眠りやズボラはまだかわいいほうで、生徒の自転車を奪う教師、女子高生が好きで教壇に立っている教師まで、現実なら大炎上間違いなしの面々がそろっています。

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◆トラブルメーカーと変態教師に振り回される学校──『あずまんが大王』

 英語教師の谷崎ゆかりは、通勤途中に自転車のチェーンが外れてしまい、新学期初日から遅刻。教頭に小言を言われてイライラするあまり、自転車を蹴り飛ばします。しかも助けに来てくれた生徒・大山将明の自転車をそのまま奪って一人で先に行ってしまうという、とんでもない行動をとります。

 性格はズボラでマイペース。間違えて隣のクラスに入るなど、トラブルを巻き起こすことに事欠きません。生徒からは「黙っていれば美人」と評される存在です。

 しかし、彼女以上に問題なのが古文担当の木村教師。細身でやつれた顔に陰鬱な雰囲気で、外見はゾンビさながらです。内面はさらに深刻で、教師になった理由が「女子高生が好きだから」。歩道で唐突に「着替えが見たい」と叫んだり、女子の水泳授業に強引に参加しようとしたりと、問題行動が絶えません。

 文化祭の水泳部の出店では「店員が水着姿でないのはおかしい」と文句をつけ、女子生徒が入ったプールの水をそのまま注文するなど、ギャグ作品とはいえ女子生徒の立場からすれば恐怖でしかない場面も。ゆかりや木村を「反面教師」として3年間過ごした生徒たちは、ある意味で鍛えられたかもしれません。

◆なまはげの授業しかしない、ことなかれ主義の教師──『ヒナまつり』

 ヒナが通う中学校の担任・松谷翼は、授業でなまはげのことしか教えません。生徒への質問も「大みそかに秋田県の一部で行われる民俗行事は?」など、答えが必ずなまはげになるものばかり。舞台は東京都豊島区なのに、なぜか学校全体がなまはげ推しという謎の空間です。

 それ以上に問題なのが、松谷のことなかれ主義です。教え子の三嶋瞳がバーでバーテンダーをしているのを目撃しても、自分の責任問題になることを恐れて見て見ぬふりをします。「中学生にこんなうまいカクテルが作れるはずがない。三嶋によく似た瞳さんだ」という強引な解釈で、問題を煙に巻くのです。

 ヒナが関係する場面でも同様の対応が続き、学年主任への昇進を意識するあまり、都合の悪いことはすべて「見ていない」ことにしてしまいます。マザコンでもあると教え子に見破られており、「まともそうでまともじゃない」と評されています。生徒たちが無事に卒業できたのは、まさに運が良かったといえるでしょう。

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◆女子大生派を宣言するデキる数学教師──『女子高生の無駄づかい』

 さいのたま女子高等学校の数学教師・佐渡正敬(通称ワセダ)は、始業式終了後のホームルームでいきなり「自分は女子大生派だ」と宣言します。さらに女子高生との恋愛を禁じる法律について「しょせんファンタジーなんだよ」と怒りをあらわにし、初日からクラス全員に「ダメな教師」の烙印を押されることになります。

 就活中のリクルートスーツ姿が好きという性癖まで披露し、生徒が顔ハメ看板から頭が抜けなくなって登校してくると記念写真を撮るなど、教師としての立ち居振る舞いには疑問符がつく場面も多いです。

 一方で、有名大学出身の高い知性を持ち、プライベートではボカロPとして楽曲制作もこなす多才ぶりを見せます。問題の多い生徒たちの補習に付き合い、中二病全開のヤマイを根気強く指導するなど、教育者としての責任感も確かに持ち合わせています。癖の強い問題児ぞろいの1年2組を何とかまとめていられる点だけでも、有能と評価できるかもしれません。

◆授業中にほぼ寝ているグータラ教師──『のんのんびより』

 旭丘分校で小1から中3まで全校生徒5人を一手に担当する宮内一穂は、学年が違うことを口実に授業を自習形式にして、ほとんどの時間を寝て過ごすグータラ教師です。寝坊による遅刻も多く、小1の妹・れんげには「いくら起こしても起きない」と呆れられています。

 いい加減さは校外でも発揮されます。海水浴の引率中に生徒が行方不明になりかけると「今日は保護者ではなく友達として来ている」と責任逃れの発言をし、帰りの電車を待つ間に駅のホームで熟睡して生徒たちに置いていかれることも。さらには遠足と称して生徒を自分の家の田植えに動員するという、なかなかのちゃっかり者でもあります。

 ただ、落ち込む生徒を気にかけたり、ホタルが見られる場所に案内したりと、さりげなく優しい一面もあります。のんびりした農村という環境だからこそ成立している、独特のバランスを持つ教師です。

◆理不尽すぎる「笹塚を廊下に立たせる」担任教師──『苺ましまろ』

 桜木茉莉やアナ・コッポラの担任教師は、何も悪いことをしていない男子生徒・笹塚をひたすら廊下に立たせることで知られています。「立ってろ笹塚」が口癖のように繰り返されますが、笹塚が廊下に立たされる理由はまったく理不尽です。アナが算数の問題を解いたら立たされ、別の生徒が投げたボールが当たったときも立たされるという始末。

 現代の学校であれば、生徒を廊下に出して授業を受けさせないだけで問題になりかねません。アニメ放送が2005年であることを考えると、今ならそのシーン自体が自粛対象になっていた可能性もあります。

 しかし最終話では、散々鍛えられた笹塚が「え、やです」と初めて反抗。すると今度は担任教師が静かに教室を出て、廊下に立っているという逆転劇が描かれました。理不尽に鍛えられ続けた生徒が、最後に一矢報いた瞬間です。

 

 ──日常系ギャグアニメにおいて、教師はギャグを牽引する重要なポジションです。主役は生徒であっても、笑いを生み出す場面では教師が中心になることも少なくありません。そのためキャラクターとして、ぶっ飛んだ造形が求められ、現実では到底許されない言動も物語の中では笑いに変わっていきます。

 生徒への愛情を持ちながらも型破りな教師は魅力的に映ることもありますが、「女子高生が好きだから教師になった」という動機だけは、どんな文脈でも笑い飛ばしにくいものがあります。

〈文/士隠カンナ〉

《士隠カンナ》

1990年〜2000年代に放送されたアニメに中学・高校の頃にどっぷりとハマり、その後フリー編集・ライターに。主にアニメ・漫画のムック本のブックライターとして活動中。最近のマイブームはもっぱら『ちいかわ』。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「あずまんが大王」第4巻(出版社:メディアワークス)』

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