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 「あのキャラクター、結局何者だったんだろう?」――アニメのオープニングを見返すたびに、そんな疑問が頭をよぎる作品があります。

 本編には一度も姿を見せなかったキャラクターや、最後まで語られなかった演出の数々。時にはそれが「オープニング詐欺」と呼ばれながらも、ファンの考察熱を燃やし続けてきました。そんな「謎」を残した4つの名作OPを振り返ります。

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◆12枚の羽根を広げる初号機──その正体は「ルシファー」だった? 『新世紀エヴァンゲリオン』

 「残酷な天使のテーゼ」の「羽根があること」という歌詞に合わせ、12枚の光り輝く羽根を広げる初号機が映し出されます。しかしこの姿は、TVシリーズの本編では最後まで登場しませんでした。

 「結局なんだったの……」と長らく謎のままでしたが、後に劇場版『Air/まごころを、君に』の「まごころを、君に」編にて、リリスとの最終局面でついにその姿が描かれています。

 庵野監督の対談本『庵野秀明スキゾ・エヴァンゲリオン』(出版社:太田出版、1997年3月出版)によれば、12枚の羽根を持つ初号機のイメージはルシファーをベースにしたものとのこと。また、永井豪先生との対談『デビルマン解体新書』(出版社:講談社、1999年出版)では、『エヴァンゲリオン』のイメージソースがデビルマンであることも語られています。

 ルシファーが12枚の羽根を持つとされることを踏まえると、主人公が乗り込む機体がまるで悪魔のような存在という設定は、なんとも背筋が寒くなるほどにかっこいい設定です。

 なお、劇場版『Air』編のラストでも光の羽根が生えかけた初号機が登場しており、それを目撃したキャラクターが「まさに悪魔か……」とつぶやくシーンも印象的です。

◆本人だけでなくモンスターまで『空気』になった? 『遊戯王GX』三沢の炎のドラゴン

 『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』の最初のオープニング「快晴・上昇・ハレルーヤ」には、三沢の両脇に2匹の竜が登場します。そのうちウォータードラゴンは本編のデュエルで実際に使われましたが、炎をまとったドラゴンは最終回まで一度も出番がありませんでした。

 三沢は作中でも「三沢くんいたんだ」と影の薄さをイジられることが多いキャラクターですが、モンスターまでもが空気になってしまったことは、ファンの間で今もたびたび語り草になっています。

 序盤は主人公・十代のライバルとして存在感を放っていた三沢ですが、同じようなポジションのキャラクターが次々に登場するにつれ、出番は徐々に減少。デュエルの機会が失われるとともに、炎のドラゴンを登場させる場もなくなってしまったのでしょう。

 近年の『遊戯王』シリーズでは、過去作で未カード化だったモンスターが新たに商品化されるケースが増えています。炎のドラゴンのカード化を望むコアなファンも少なくないようです。

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◆「ヒロインはガンダム」──謎の緑目の女性は何者だったのか? 『機動戦士ガンダム00』

 1stシーズン最初のオープニング「DAYBREAK'S BELL」に登場する、マリナに似ているが目の色が異なる女性キャラクター。彼女は本編に一度も登場しませんでした。

 このOPでは、謎の女性が刹那と手を重ねたのち両手を広げ、同じポーズをとるエクシアと重なる演出が描かれています。このことから「エクシアの擬人化ではないか」という考察がファンの間で生まれました。

 ヒロインのマリナとの外見的な類似性、そして当時の刹那が「ガンダムによる武力介入こそが平和への道」と信じていた思想を踏まえると、この女性キャラクターは刹那が抱く平和への漠然としたイメージを象徴した存在だったのかもしれません。

 「俺がガンダムだ」というあの名セリフに象徴されるように、刹那のガンダムへの妄信的な憧れと、他シリーズと比べて恋愛要素が希薄な本作の性質から、「00のヒロインはエクシア」としてネタにされることも多い作品です。

◆「花嫁」が「騎士」になる瞬間──伏線だったアンシーの赤い甲冑 『少女革命ウテナ』

 オープニングには、本編では一切決闘しないアンシーが、手にランスを持ち赤い甲冑に身を包んだ騎士のような姿で空を舞うシーンが映し出されます。

 「アンシーもいずれ決闘するのでは」と期待した視聴者も多かったはずですが、本編でそのような展開は描かれません。同じく主人公のウテナも似た防具を身に着けているものの、騎士の姿で戦う場面はなく、終始謎のまま進んでいきます。

 ただ、多くのファンによる考察の中には、このOPが「ある意味ネタバレになっている」という見方もあります。自我の薄いアンシーが、敬愛していた兄に見切りをつけ、最終回で学園を去ったウテナを自分の意志で探しに行くことを決意するラスト──そのアンシーの覚悟を、本編の「薔薇の花嫁のドレス」とは対照的な「騎士のコスチューム」で予告していたとも取れます。

 

 ──テレビアニメのオープニングは、ストーリーを伝えるだけでなく、作品が持つ世界観やイメージを視聴者に届ける役割も担っています。

 イメージを優先するあまり、実際の本編の内容とは異なる映像になることもあるでしょう。

 『魔法少女まどか☆マギカ』のOPがまどか中心に構成され、他の魔法少女の出番を意図的に抑えてミスリードを仕掛けていたように、たった1分30秒足らずの映像の中に、作り手の巧みな意図が隠されていることもあります。オープニングとは、改めて奥が深いものです。

〈文/士隠カンナ〉

《士隠カンナ》

1990年〜2000年代に放送されたアニメに中学・高校の頃にどっぷりとハマり、その後フリー編集・ライターに。主にアニメ・漫画のムック本のブックライターとして活動中。最近のマイブームはもっぱら『ちいかわ』。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「エヴァンゲリオン ANIMA 1」(出版社:KADOKAWA)』

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