※この記事には複数の作品のネタバレが含まれます。ご注意ください。
「そろそろ終わる」と思ったのに、まだ終わらない。そんな最終章ほど、読者の記憶に強く残るものです。『銀魂』『NARUTO -ナルト-』『BLEACH』は、長いラストだからこそ描けた伏線回収や名場面がありました。完結まで時間がかかった理由を振り返ります。
◆「終わる終わる詐欺」と言われた作品──『銀魂』
『銀魂』は最終章「銀ノ魂篇(しろがねのたましいへん)」で完結を迎えましたが、2回も最終回で終わらず、終わると言ったのに終わらない「終わる終わる詐欺」の代名詞といえる作品になってしまいました。
この漫画の最終編「銀ノ魂篇」は単行本66巻から77巻(話数では第596訓から第704訓)に渡って描かれ、ラスボスの策で地球が攻撃されたのをきっかけに始まりました。
2018年8月20日発売の『週刊少年ジャンプ』38号では最終回まであと5話と発表され、朝の情報番組『ZIP!』でも取り上げられます。その後、いよいよ最終訓「最終回を越えていけ」が掲載されましたがなんと完結せず、情報を取り上げた『ZIP!』へ文句を言った挙句、主人公の銀さんが「俺達の戦いはジャンプGIGAからだァァ」と言い、本作が『ジャンプGIGA』へ移ることが明らかになりました。
通常ならこの「終わる終わる詐欺」は文句を言われるかもしれませんが、ギリギリのネタを続けてきた漫画だけに「さすが銀魂」「終わらなくてよかった」と笑いの声や安堵の声がファンの間で上がりました。
しかし、「終わる終わる詐欺」は『ジャンプGIGA』でも行われ、『少年ジャンプGIGA 2019 WINTER vol.3』で終わるはずが終わらず、続きは『銀魂公式アプリ』で連載されることが発表されます。
その後、本作は『銀魂公式アプリ』でようやく最終回を迎えましたが、度重なる「終わる終わる詐欺」はすっかり『銀魂』のイメージになり、本作は「終わる終わる詐欺」の代名詞と言える作品になってしまいました。
しかし、ファンの間では「銀魂だから許される」と言われ、温かく受け止められているようです。
◆最終章だけでアニメの放送が4年以上経過──『NARUTO -ナルト-』
『NARUTO -ナルト-』は最終章「第四次忍界大戦」で完結しましたが長く続いただけに、アニメオリジナルエピソードを挟んでいたとはいえ、最終章のアニメ放送が4年以上もかかってしまいました。
最終章「第四次忍界大戦」は、忍連合軍とうちはマダラを名乗るトビと薬師カブトの間に起こった戦いを描いています。この戦いでは忍連合軍をはじめ、カブトの穢土転生で過去に亡くなった人物が蘇り、多くのキャラが登場して熾烈な戦いを繰り広げました。その登場人物の多さから描かれる戦いが多くストーリーも長くなり、最終章は55巻から72巻に渡る約15巻分も描かれています。
さらに、次々とラスボスが変化したのも最終章が長引いた原因の一つといえるでしょう。
最終章が始まった当初、うちはマダラを名乗るトビがラスボスかのように思われました。しかし、ストーリーが進むにつれてラスボスが二転三転し、結果的に誰も予想していなかった人物がラスボスとして登場します。この変化も戦闘が長引く要因となり、結果的に最終章が完結するまでに時間がかかってしまいました。
原作でも充分長い最終章ですが、アニメ『NARUTO -ナルト-』はもともとスローペースで進んでいたこともあり、アニメオリジナルエピソードを挟みつつ最終編は4年以上もかけて放送されます。
さすがにこの原作やアニメの最終章の長さにはファンから「長すぎる」との声が上がる一方、最終章には敵が味方になる熱いシーンやイタチがサスケに本当の気持ちを伝える感動シーンなどがあり、「長いけど面白い」と評価する声も上がっています。
◆最終章の連載中に他作品の連載が始まり完結までした──『BLEACH』
『BLEACH』は最終章「千年血戦篇」で完結しましたが、最終章が長く続き、この間に別作品の連載が始まりさらに完結を迎えました。
本作の最終章「千年血戦篇」は突如侵攻してきた「見えざる帝国(ヴァンテンライヒ)」との戦いを描いており、主人公の一護の母親の伏線や斬月の正体などさまざまな伏線が回収されたり真相が明らかになったりします。
この漫画は、それまで連載が長かったためか最終章で回収される伏線や判明する真相が多くあり、最終章は55巻から74巻と約単行本20巻分に渡り描かれています。
──最終章が長い作品ほど、「まだ終わらないのか」と思われる一方で、長く続いた物語だからこそ描ける決着があります。『僕のヒーローアカデミア』と『呪術廻戦』が2024年に完結し、『ONE PIECE』が最終章を進めている2026年現在、あらためて『銀魂』『NARUTO -ナルト-』『BLEACH』を振り返ると、長いラストには長いラストなりの熱量があったと感じられます。
〈文/秋山緑 編集/相模玲司〉
※サムネイル画像:Amazonより 『「銀魂」第77巻(出版社:集英社)』

