※この記事には複数の作品のネタバレが含まれます。ご注意ください。
※本記事にはライター個人の考察・見解が含まれます。公式の設定や見解とは異なる場合があります。
ファンの声が大きく、原作ストックもありそうなのに、なぜか次の一報が届かない──。アニメには、放送から何年経っても「続きが見たい」と言われ続ける作品があります。『月刊少女野崎くん』のように今もSNSで続編を望む声が上がる作品から、劇場版後の展開が止まった作品まで、続編が待たれ続ける理由を振り返ります。
◆『月刊少女野崎くん』はなぜ2期が来ない? 12年経っても続く待望論
2014年に放送された『月刊少女野崎くん』は、放送から年月が経っても続編を望む声が根強い作品です。原作の人気やストックを考えると、2期があってもおかしくないと感じるファンは少なくありません。
X(旧Twitter)でも、放送当時の評価の高さや、今見返しても笑えるテンポの良さに触れながら「2期を待っている」という声が今も見られます。トレンドに作品名が入るたびに、続編発表を期待してしまうファンもいるほどです。
一方で、2014年当時は過去作品の続編よりも新作アニメを次々に送り出す流れが強かった時期でもあります。さらに、『月刊少女野崎くん』の制作スタッフが再集結したアニメ『多田くんは恋をしない』が2018年前後に話題になった際にも、続編に直結する発表はありませんでした。
このタイミングでも動きがなかったことで、ファンの間では「機を逃してしまったのでは」という見方も広がりました。それでも、作品の会話劇やキャラクターの掛け合いは今も色あせておらず、続編待望の声が消えない理由になっています。
◆『ノーゲーム・ノーライフ』原作者も分からない? 劇場版後に止まった続編の行方
『ノーゲーム・ノーライフ』も、続編が待たれ続ける代表的な作品です。2014年にTVアニメが放送され、2017年には劇場版も公開されました。国内外で人気が高く、続編未発表作品の話題では今も名前が挙がりやすい作品です。
TVアニメでは原作小説1〜3巻の内容が中心に描かれましたが、最終話の終盤では6巻の一部を組み合わせたオリジナル要素が入っています。その後、劇場版ではその6巻の内容がしっかり映像化されました。
続きとしては原作4巻から描く形になりますが、アニメで5巻まで進んだあとに劇場版で扱った6巻をどう扱うのか、構成面で難しさが残ります。劇場版を見ている前提で飛ばす方法も考えられますが、すでに時間が経ちすぎている印象もあります。
原作者の榎宮祐先生のもとにも2期に関する問い合わせは届いているようで、2023年3月15日にX(旧Twitter)で「誰より僕が知りたい」とコメントしています。
「二期まだですか?」と全世界のあらゆる言語で受け取ってきたんでもはや翻訳かけるまでもなくだいたい何が書かれてるのかわかるようになった。
んで答えは「誰より僕が知りたい」です。— 榎宮祐♟️ノゲノラ新刊発売 (@yuukamiya68) March 15, 2023
原作とアニメは別の企画であり、原作者の一存だけで動くものではないため、ファンの期待が大きいほど、もどかしさも増しているのでしょう。
◆『おおきく振りかぶって』夏になると思い出す? 10年以上止まる青春野球アニメ
『おおきく振りかぶって』は、野球漫画に新しい風を吹き込んだ作品として高く評価されました。TVアニメは2007年に1期、2010年に2期『夏の大会編』が放送されましたが、それ以降は続編制作の大きな動きが見られていません。
最終話の放送から15年以上が経った今でも、甲子園の時期になると思い出す、夏になると主題歌が頭に流れる、という声がX(旧Twitter)などで見受けられます。試合の緊張感だけでなく、チームメイト同士の信頼や、三橋たちの成長が深く残っているからでしょう。
2023年には、原作者のひぐちアサ先生の原画展示を軸にした大規模な原画展が、8月4日から9月4日まで開催されました。原作も連載中であり、作品への関心が続いていることは確かです。
【情報解禁】
「おおきく振りかぶって」の作品史上最大規模の原画展が開催決定!
ひぐちアサ先生の原画展描きおろしイラストも公開!
「#おおきく振りかぶって原画展」の詳細はこちらの展示会公式アカウントからお伝えいたします。https://t.co/Vd65aCgtkv#おおきく振りかぶって#おお振り展 pic.twitter.com/x2n8SRU5ZR— おおきく振りかぶって原画展【公式】 (@oofuri_ex) June 23, 2023
だからこそ、原画展などの動きがあるたびに、アニメ続編への期待も再び高まります。長く待たれている作品ほど、何かの節目に「そろそろ来るのでは」と考えてしまうのも、ファン心理として自然です。
◆『監獄学園』は今なら難しい? 続編を阻む表現面とキャストの壁
2015年7月にアニメ化され、同年10月には実写ドラマも放送された『監獄学園』も、続編を望む声が多い作品です。ただし、再アニメ化を考えると、最も大きな壁になりそうなのが表現面です。
同作はブラックユーモアと過激な描写を武器にした作品で、1期放送当時から「よくアニメ化できた」と驚く声がありました。時間が経つほど表現規制や視聴者の受け止め方は変わっていくため、今あらためて映像化する場合、当時以上に慎重な判断が必要になりそうです。
さらに、アニメで理事長を演じた藤原啓治さんが2020年に亡くなったことも、続編制作を考えるうえで避けられない要素です。声色や抑揚、独特の間までキャラクターに深く結びついていたため、新たなキャスト選びも大きな課題になります。
それでも、脱獄劇としてのテンポやキャラクターの濃さは今も強烈です。続きが見たいという声が消えないのは、作品が持っていた勢いと唯一無二の空気が、それだけ強く記憶に残っているからでしょう。
──続編が作られない理由は、人気の有無だけでは決まりません。制作時期の流れ、原作との構成、表現面の難しさ、キャストの変化など、作品ごとに事情は異なります。
それでも、放送から何年経っても名前が挙がる作品には、今も語りたくなる魅力があります。「まだ続きが見たい」と思わせ続けること自体が、その作品が残した大きな力なのかもしれません。
〈文/秋山緑〉
《秋山緑》
アニメ・漫画・ゲームを中心に、エンタメ領域の記事制作に携わるライター。話題作から長年愛される名作まで幅広く扱い、作品の魅力やキャラクターの関係性、印象的なシーンを読者目線でわかりやすく伝える記事制作を得意とする。アニギャラ☆REWでは、アニメ・漫画作品のコラムや解説記事を担当している。
※サムネイル画像:Amazonより 『DVD「月刊少女野崎くん」第6巻(販売元:KADOKAWA メディアファクトリー)』


