アンパンマンの強さの源は、ジャムおじさんが焼くつぶあんたっぷりの「アンパンの顔」にあります。顔が濡れたり汚れたりすれば、「新しい顔よ!」の掛け声とともに交換され、「元気100倍!」に復活するのがお約束。しかし、この「顔の交換」には、あまり知られていない裏設定が存在します。
◆アンパンマンは顔がアンパンじゃなくても活動できる!?
実はアンパンマンは、アンパン(つぶあん)でなくても、顔さえあれば活動できるのです。
これが発動するのは、ばいきんまんの悪巧みでパン工場が危機に陥るなど、まさに絶体絶命のピンチのとき。そのような場合、ジャムおじさんやそのエピソードのキーパーソンとなるキャラクターが、その場にある「代わりの材料」で緊急用の顔を焼くことがあります。
そのバリエーションは多岐に渡ります。
特に意外なのは、リンゴの国で誕生した「アップルパイアンパンマン」でしょう。
TVアニメ第866話Bパート「ドキンちゃんとリンゴの国」などで登場し、その顔は通常の丸い肌とは異なり、パイ生地が格子状(ラティス状)に編まれたような外見をしています。中にはリンゴの餡が透けて見え、焼きたての香ばしいパイそのもの。この顔で甘酸っぱい香りを放ちますが、パワーは本家のアンパンチより控えめです。
さらに、TVアニメ第219話Aパート「アンパンマンとフライぼうや」に登場した揚げアンパンで顔ができたアンドーナツマン。TVアニメ第888話Bパート「ばいきんまんとささだんごちゃん」に登場、小麦粉がなく笹団子の材料を顔に使ったささだんごアンパンマン。TVアニメ第458話Bパート「アンパンマンとはるまきぼうや」に登場、はるまきぼうやが春巻きの皮で新しい顔を作ったはるまきアンパンマン。TVアニメ第343話Bパート「アンパンマンとそうめんおしょう」に登場、そうめんの生地で新しい顔を作ったそうめんパンマンなど驚きのバリエーションが存在します。
ただし、これらの代替の顔はあくまで一時的な措置。いずれも元のアンパンマンの顔に戻らなければ、本来の「元気100倍!」の力は出せない設定になっています。
──顔の材料がアップルパイであろうと、春巻きやそうめんであろうと、命がけで人を助けようとするアンパンマンの自己犠牲の精神こそ、多くの人を惹きつける「強さ」の真の源といえるでしょう。
〈文/士隠カンナ〉
《士隠カンナ》
1990年〜2000年代に放送されたアニメに中学・高校の頃にどっぷりとハマり、その後フリー編集・ライターに。主にアニメ・漫画のムック本のブックライターといて活動中。最近のマイブームはもっぱら『ちいかわ』。
※サムネイル画像:Amazonより 『DVD「それいけ! アンパンマン きらめけ! アイスの国のバニラ姫」(販売元:バップ)』


