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 『鬼滅の刃』をはじめとしたアニメーション映画が映画館を賑わせている一方で、海外のアニメーション映画となると作品によっては大作であっても興行すること自体が難しいようです。8月1日からアメリカでは『バッドガイズ2(原題:The Bad Guys 2)』の公開がスタート。その一方で本作は日本ではいまだに公開予定すら発表されていません。なぜ上映されないのでしょうか。

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◆ビッグタイトルでも『バッドガイズ2』は上映予定なし? 最近のドリームワークス作品の傾向は?

 もしかすると『バッドガイズ2』の日本での上映はないのかもしれません。

 『バッドガイズ2』は2022年に日本でも公開された『バッドガイズ』の続編作品。『シュレック』『ボス・ベイビー』などで知られるドリームワークス・アニメーションが製作したアニメーション映画で、前作の日本公開の際には尾上松也さんやファーストサマーウイカさん、チョコレートプラネットの長田庄平さんといった面々が日本語吹き替えを担当したりといった点でも話題となりました。

 『バッドガイズ2』自体はアメリカでは3800館規模で公開されるほどのビッグタイトルの一つ。初週末の成績は2200万ドル、日本円にして32億円にも及ぶヒットタイトルとなっています。本国での扱いをふまえると、日本での上映があってもまったくおかしくはないスケールの作品です。

 前作が公開されている中で日本上映がないのは、ファンにとっては少し悲しい話。そもそもドリームワークス・アニメーションが製作した作品は、『バッドガイズ2』以外でも近年では新作が日本で上映されるかどうかは一作品ごとに慎重に動いている様子が見られます。

 2024年公開の『野生の島のロズ』に関してはアメリカでの公開から半年以上の準備期間を経て、今年2025年に日本公開を達成しました。一方で今年アメリカで公開された『ドッグマン』については日本での劇場公開は一切なし。大々的な告知もなく、7月から各種映像配信サービスにて配信限定という形で日本上陸を果たしました。『ドッグマン』はもともとの原作が児童書ということもあり子供も楽しめる作品なのですが、日本向けには字幕版しか製作されていないところにも、より寂しさを感じるところです。

 こういった傾向をふまえると、いまだに日本公開の発表がない『バッドガイズ2』も『ドッグマン』のような形での上陸もあり得るかもしれません。

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◆配給会社による違いもある? ユニバーサル作品はかなり慎重派?

 日本での興行が極めて難しくなっているかといえば、意外と他の製作会社の作品は続々と日本公開が発表されていたりもします。9月19日にはパラマウント・ピクチャーズ製作の『劇場版スマーフ/おどるキノコ村の時空大冒険(パラレルアドベンチャー)』が日本での公開を発表しています。

 それ以外にもワーナー・ブラザース発の『キャット・イン・ザ・ハット』に関しては、具体的な公開日こそまだ明らかになっていないながらも既に2026年に日本での公開予定が発表されています。

 大作といえばディズニー作品である『ズートピア2』といった作品も早々に日本での公開が発表されていたりと、海外作品自体が日本市場への参入が難しいといったわけでもなさそうです。

 日本での上映の難しさという点ではドリームワークス・アニメーションのアメリカでの配給を務めているユニバーサル・ピクチャーズが慎重に動いているという見方ができそうです。その傾向が感じられるニュースとして、既に日本での10月公開を発表していたホラー映画『M3GAN/ミーガン 2.0』が突如として、公開中止が発表されています。

 具体的な中止理由は発表されていませんが、先行して行われた海外興行が振るっておらず、そういった海外成績を鑑みての決断ではないかとも思えます。『M3GAN/ミーガン 2.0』は、『バッドガイズ』同様に日本でも前作『M3GAN/ミーガン』は日本での興行を果たしており、大ヒットとまでは行かなくともミーガンというキャラクター自体が話題にもなった作品です。

 続編ではそのミーガンがさらに突飛なアクションを見せると予告編の時点でも話題にはなっていました。日本向けのロゴなども発表されている状態だったのですが、突如の公開中止の発表には多くの人を驚かせました。

 

 ──どれだけ大手製作会社が製作・配給を務めていても、必ずしも日本市場で興行に乗せてくれるかは分からないというところに、今の日本で叫ばれる“洋画の不況”を感じるところです。

 『鬼滅の刃』や『国宝』、『TOKYO MER~走る緊急救命室~』といった日本作品が今夏のシネコンを賑わせる中、それらには洋画が一歩勢いが及んでいない現状では、日本上陸を慎重に行う作品はまだまだ続きそうです。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteでは『アニメ映画ラブレターマガジン』を配信中。X(旧Twitter)⇒@nejimakikoibumi

※サムネイル画像:YouTubeチャンネル『Universal Pictures』より (「THE BAD GUYS 2 | Official Trailer 2」)

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