根暗だと自分のことを思っている男性でも彼女は作れるハズ──。
TVアニメ『僕ヤバ』の2期では、主人公の市川が「中二病で根暗」なのにも関わらず、学園一の美少女の山田と恋愛関係に発展します。
ご都合主義に思える展開ではありますが、恋愛関係に発展したのにはちゃんとした理由があります。
根暗な市川はどんなテクニックで山田を振り向かせたのか、さまざまな恋愛をしてきた筆者の体験談を交えて見ていきましょう。
◆相手が目指す理想像になる
まず1つめのテクニックは、相手が目指す理想の人物になることです。
山田は原作1巻「Karte.6 僕は嫌だ」で南条に「面白いよね」と言われた際、とても喜んでおり、「友人にいつもつまんないって言われるんですよ」と言っていました。
山田の喜んでいる様子や、「つまんない」と言われていることを気にしている様子から、彼女は面白い人物に憧れていると考えられます。
そんな中、市川が山田に「面白い」と認識され、彼女の興味を引くようになりました。これは紛れもなく市川が山田の目指す理想の人物になったからといえるでしょう。
筆者も山田と同じような立場に立ったことがあります。筆者はどちらかと言うと感覚や直感で動くタイプで、物事を論理的に考えることが苦手でした。そのため、論理的な思考ができる人に憧れ、筆者自身もそんな人物になりたいと密かに憧れていたのです。
そんな中、バイト先の先輩から告白されたのですが、そのときの告白が筆者にとって衝撃的でした。その先輩はまるで営業のようにプレゼンテーションを行い、自分と交際するとこんなメリットやデメリットがあると論理的に説明してくれたのです。
人によっては感情的な告白のほうがいいと思うかもしれませんが、論理的な思考ができる人に憧れていた筆者はこの告白に興味を引かれました。
そして、最後まで話を聞いたあとは、すっかりその人に憧れて交際を決意。その後、バイトの先輩とは交際を数年続けて破局してしまいましたが、交際を始めるきっかけとなったのは相手が筆者の目指す理想の人物だったからです。
好きな人の興味を引きたければ、まずは好きな人がなりたい理想のタイプを行動などから見抜き、それを真似ると告白の成功率が上がるかもしれません。
◆話したことを覚えている
2つめのテクニックは、相手が話した内容を覚えていることです。
市川は山田がミルクティを飲みたいと言っていたのを覚えており、彼女が落ち込んだ時にはミルクティを渡していました。
ミルクティを受け取った山田はうつむいて顔を赤くしていましたが、これは市川が何気ない一言を覚えていたことに対する照れと動揺からでしょう。その後、山田は無意識かもしれませんが、市川を意識しているような行動を取り始めました。
筆者も山田と同じように、何気なく話したことを当時の恋人が覚えていてくれて喜んだ経験があります。
筆者は極端に睡眠時間が長く、睡眠の質が悪いのかと頭を悩ませ、睡眠を測定するスマートウォッチを購入しようか悩んでいました。
しかし、睡眠測定精度が高いものを選ぼうとすると、価格もそれなりに高くなり、なかなか購入へ踏み切れません。そのまま数ヵ月間悩んでいましたが、結局答えは出ず、当時の恋人にも何気なく購入するか悩んでいることをこぼしていました。
そしてさらに数ヵ月が経ち、迎えたクリスマス。なんと恋人がスマートウォッチをプレゼントしてくれたのです。
筆者がスマートウォッチを買うか悩んでいると言ったのは、本当にスルーされてもおかしくない何気ない会話だったうえ、数ヵ月前のことだったハズ。それなのに筆者が言ったことを覚えてくれていたとは、まったく予想していませんでした。
もちろん、プレゼントをしてくれたのは嬉しかったですが、それ以上に筆者が話したことを数ヵ月後にも覚えていてくれたことが一番嬉しかったです。
女性は恋人と過ごす時間を大切にしている人が多く、その時間の中で話したことを相手が覚えていると、相手もその時間を大切にしてくれているようで嬉しいもの。好きな人がいる男性は好きな人と交わした会話はほんのささいな内容でもできるだけ覚えるようにして、次に会話したときに以前に話したことを話題に出してみるといいでしょう。
◆相手が大切にしていることを優先する
3つめのテクニックは、自分のことより相手が大切にしていることを優先することです。
市川は作中で山田が頑張っているモデルの仕事を応援したり、彼女が両親へ嘘をつかないように行動したりと、まるで自分のことのように山田が大切にしているものを大切にしています。
さらに修学旅行のエピソードでは、市川は旅行を楽しみにしていたにも関わらず、山田にオーディションに行くように伝え、自分の気持ちより彼女の気持ちを優先していました。
まだ中学生なのに自分の気持ちより相手の気持ちを優先できることは、並大抵のことではありません。
筆者もライターを始めた頃、当時の恋人に支えてもらったことがありました。ライターを始めた頃は、執筆が思うように進まず、仕事とプライベートの両立ができなかったことがありました。そのため恋人と会う時間が取れず、数ヵ月間会えない日々が続き別れを切り出されるだろうと考えていました。
しかし、恋人は予想に反して我慢してくれただけでなく、ライターの仕事を応援してくれたのです。寂しい思いをさせているはずなのに筆者のことを優先してくれる姿には、申し訳なさと同時に大切にされていると実感しました。
本当に心から好きな相手ができれば「一緒にこんなことをしてほしい」と自分の気持ちを優先したくなるもの。しかし、その気持ちをグッと堪えて好きな相手のことや、相手が大切にしていることを優先すれば、「あなただけは特別だよ」という気持ちが伝わるはずです。
──このように市川はご都合主義ではなく、いくつかのテクニックで山田のことを振り向かせました。彼はねらって行ったわけではありませんが、彼の優しい性格から生まれた行動が彼女の気持ちを動かしたことは、まぎれももない事実でしょう。
〈文/林星来 @seira_hayashi〉
フリーライターとして活動中。子供の頃から培ってきたアニメ知識を活かして、話題のアニメを中心に執筆。アニメ以外のジャンルでは、葬儀・遺品整理・金融・恋愛などの記事もさまざまなメディアで執筆しています。
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