年末恒例の「ジャンプフェスタ2025」が12月21日〜22日にかけて幕張メッセで行われ、その中で、劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の公開時期や制作スタッフが初解禁されました。中でも監督が、TVアニメから交代されたことには驚きです。
◆粋な表現で発表された劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の公開時期
劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の発表があったのはちょうど1年前。2023年のジャンプフェスタでした。
2022年10月〜12月にかけて放送されたTVアニメ『チェンソーマン』の最終話のエンディング後では、少しだけ“謎の少女”が登場しており「2期?」「もしかして映画?」といろんな声が上がっていたわけですが、ここで初めて後者であることが明らかになりました。ただしこの時点では、公開時期については具体的な発表はありませんでした。
あれから1年。ついに今年の「ジャンプフェスタ」にて公開時期が発表されました。
公開はなんと2025年の“台風がくる頃”。公開年はともかく、“台風がくる頃”とは不思議な公開時期表し方ですが、これは原作を読んでいる人ならニヤリとさせられる物語の舞台設定にちなんだ表現です。
そして言葉通り受け取るなら、劇場版『チェンソーマン レゼ篇』は夏から秋にかけてのどこかで公開されることが想像できます。より具体的な公開日の発表が待たれるところです。
◆スタッフ情報解禁で衝撃! TVアニメ版から監督が交代
イベントでは、劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の制作スタッフが発表されましたが、中でも驚きは、監督がTVシリーズで監督を務めた中山竜さんから原達矢さんへバトンタッチされることでしょう。
原達矢さんといえばTVアニメシリーズでアクションディレクターを務めていたほか、第4話「救出」と第10話「もっとボロボロ」の絵コンテ・演出を担当していた方です。
第4話ではコウモリの悪魔を倒した直後のデンジにヒルの悪魔が襲来し、アキが狐の悪魔を披露するエピソード。そして第10話「もっとボロボロ」ではデンジとパワーの前に岸辺が初めて姿を表し、デンジとパワーによる“超インテリ作戦”が実行されるエピソードでした。
どちらの回もキレッキレのアクション描写があるのが共通点でしたが、アクションディレクターが直々に絵コンテや演出を担当していると考えれば納得できるでしょう。
そしてそんな原達矢さんが監督を務めるとあれば劇場版のアクションシーンはかなり期待できるでしょう。その証拠に今回新たに発表された予告編では、前半の落ち着いた恋愛映画のような雰囲気を覆すほどの戦闘シーンが続々と登場しています。TVアニメシリーズで原達矢さんの活躍にハマった人には必見の映画となりそうです。
◆続投スタッフももちろん有り!気になる名前も?
監督こそ交代となりましたがTVアニメシリーズからのスタッフも多数います。
たとえば、TVアニメシリーズで音楽を担当していた牛尾憲輔さんが今回の映画でも音楽を務めています。
TVアニメシリーズでは異例の話数替わりのエンディングテーマなど主題歌アーティストに目が行きがちですが、牛尾憲輔さんも電気グルーヴのライブメンバーとして活躍していたり、アニメーション作品でも多数の作品で音楽を担当。近年ではTVアニメ『ダンダダン』やTVアニメ『きみの色』、TVアニメ『チ。-地球の運動について-』でも音楽を担当しています。映像だけでなく耳から入ってくる情報にも気を遣っていきたい布陣となっています。
アニメーション制作を担当するのはもちろん今回もアニメーション制作会社のMAPPA。
2026年に『地獄楽』第二期の放送を発表していたり、発表時期は未発表ながら『呪術廻戦「死滅回游」』が鋭意製作中であることも発表されたりとこの先もビッグタイトルが並んでいるMAPPA作品ですが、ラインナップ的には2025年一番の勝負作が劇場版『チェンソーマン レゼ篇』となりそうです。
はたして劇場版『チェンソーマン レゼ篇』は、「2025年映画興行の台風の目となれるのか?」注目すべき作品といえるでしょう。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteでは『アニメ映画ラブレターマガジン』を配信中。X(旧Twitter)⇒@nejimakikoibumi