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 9月19日(金)に『劇場版チェンソーマン レゼ篇』の公開が迫ってきたということで、『チェンソーマン』自体の露出も増えてきましたが、ここに来てTVシリーズに驚きの新展開が“さり気なく”起きています。ABEMAにて9月5日(金)に独占先行・無料配信が行われた『チェンソーマン 総集篇』がただの“総集編”ではなかったのです。

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◆ただつなげただけじゃない! 『チェンソーマン 総集篇』とは?

 『チェンソーマン 総集篇』とは9月12日(金)以降に各プラットフォームで順次配信を予定している、TVアニメ『チェンソーマン』全12話をまとめたものです。この総集編をABEMAでは一足先に9月5日(金)に劇場版の公開を記念したスペシャル特番と合わせて先行放送を行なったのですが、ただの総集編ではなく視聴者を驚かせました。

 総集編と聞くと本編をダイジェスト形式で追っていくような内容を想像するところですが、この総集編はその多くを放送当時の内容を連続してなぞっていくような内容となっています。

 ただし、厳密にはそのままつなげただけではありません。実は既存のシリーズからは細かながらいくつかシーンを削除したりといった手が加えられていて、実際は当時よりもテンポアップした体験となっています。

 当時はシーンによっては間延びしているように感じられるという演出に対する声も上がっていたので、そう感じた人たちにとってはこちらのバージョンのほうが最適に感じられるかもしれません。

 場面の編集だけでなく、音声面でも新たなバージョンへと実は変わっています。新たにセリフが新録されているところで決定的なのが、第1話の決めゼリフの一つで原作では、「俺達の邪魔すんなら──」という場面。このセリフが従来のアニメ版ではこの“俺達の”が省かれていました。文字としてはわずかではありつつも、主人公のデンジが一人ではなくポチタとともに在ることが示されている文言であり、しかもここのセリフがそのまま原作漫画の後半では呼応するようにも使われる場面があることから、改変に批判的な声も上がっていました。

 そういった声を踏まえてか、今回の『総集篇』ではわざわざこのセリフに原作通りに「俺達の」が加わりました。細かいながらもファンほど気になる押さえておきたいポイントを押さえなおす修正でした。

 そのほかにも登場キャラクターの中でも、妙なテンションが特徴的だった未来の悪魔も放送時よりもテンションが高い口調になっていたり、BGMの使用の仕方にも以前とは変化が加わっていたりと、かつてTVアニメシリーズを観ていた人ほど驚かされる内容になっています。

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◆放送時になかったエピソードも加わった『ちぇんそーびより』も登場

 とはいえ、「エピソード的には放送されたものだけなんでしょ?」という人も注目しておきたいポイントが『チェンソーマン 総集篇』では新たなエピソードも加わっている点です。

 というのも、原作漫画の巻末エピソードとして添えられていた内容を『ちぇんそーびより』と題して新規アニメ化。原作漫画の中からTVアニメ化を果たしているエピソードまでを収録した形となっており、このシリーズ自体も今後も続けていけそうです。

 短編コーナーとしては同じMAPPA製作のTVアニメシリーズ『呪術廻戦』でも『じゅじゅさんぽ』が設けられていました。今回はそれに倣ったようなような印象も受けます。『チェンソーマン』でも今後は本編から漏れた内容や番外編、もしくは新規オリジナルエピソードなどもこのコーナーを通して発表する準備ができたともいえます。

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◆人気作こそ“再調整”のチャンスが出てくる?

 もともとTVアニメ『チェンソーマン』自体はアニメ化により人気は拡大した一方で、原作からの改変部分への批判など映像化の方向性についての批判は放送当時からありました。

 人気原作漫画であればそういった声は少なからずあることは想像できますが、こと『チェンソーマン』に関してはほかの作品に比べて、再アニメ化を求める署名活動を始める人も現れるなど、もともと人気が高いことも相まってほかの作品に比べて、批判の声が目立った作品なのは確かでした。

 そういった背景も踏まえてなのか、『チェンソーマン総集篇』では前述のようなディテールの改変などが結果的に行われたというのは想像ができます。

 TVアニメとなると製作期間や製作体制、そもそもの放送の尺や話数など、様々な制限が生まれていきます。そういう中での最善を目指した結果が放送された内容ではあるので、批判の中にはやむなくといった部分もあったかもしれません。

 しかし昨今は新シーズンの放送や『チェンソーマン』のように劇場版など、新作に合わせて過去シリーズを再度発信する機会も、映像配信サービスなどの普及でしやすくなってきました。

 どの作品でもわざわざ再編集や新録ができるわけではないとはいえ、『チェンソーマン』級の人気作品であれば、“再調整”の機会が巡ってくるのは一つの発見かもしれません。今後はどんどんこういった人気アニメシリーズの“再調整”も加速していくのでしょう。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteでは『アニメ映画ラブレターマガジン』を配信中。X(旧Twitter)⇒@nejimakikoibumi

 

※サムネイル画像:『「チェンソーマン 総集篇」キービジュアル (C)藤本タツキ/集英社・MAPPA』

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