公開から3週目に突入しましたが、あっという間に興行収入は30億円を突破。劇場版『チェンソーマン レゼ篇』が見事なスピード感でヒットを飛ばしています。
映画の評判も高いことから、『鬼滅の刃』といったヒット作と並んでロングランでの上映が期待できることからも、まだまだ興行成績の数字は伸びていきそうです。
今回の映画のヒットは、映画の興行だけでなく“ほかの分野”にも影響を及ぼしていて、作品のヒットを象徴する事態となっています。
◆日本だけじゃない! 主題歌「RIS OUT」が世界規模のチャートの上位にランクイン
劇場版『チェンソーマン レゼ篇』といえば主題歌をTVアニメシリーズに続けて、米津玄師さんが主題歌を担当することでも話題になりましたが、主題歌「IRIS OUT」は世界的にもヒットとなりました。Billboard Global 200のランキングチャートでは急上昇を果たし、見事5位という快挙を達成。日本だけでなく世界基準でも支持を獲得しています。
興味深いのは劇場版『チェンソーマン レゼ篇』自体は海外展開はまだこれからが本番だということ。
10月初頭時点で日本以外で劇場公開を果たしているのは、香港、マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシア、フィリピン、韓国、台湾、ベトナムといったアジア圏が中心。10月の後半からやっとアメリカやヨーロッパといったほかの地域での公開が予定されています。
映画の興行自体がまだこれから広がっていくという段階を踏まえると、この成績がまだまだ伸びていく余地があるといえます。
実際、「IRIS OUT」を抑えて上位に並んでいるのはNetflix 発のアニメーション映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の関連曲たちが長期間に渡ってヒットしている状況です。同じ映画主題歌作品という点でも快進撃が続くことに期待です。
『劇場版「鬼滅の刃」無限城編第一章 猗窩座再来』の北米での大ヒットと同じく、“アニメブーム”の波に乗って劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の映画自体の興行も相乗的に盛り上がってほしいところです。
◆盛り上がるレゼ人気! JINSのモデルグラスは売り切れ続出
映画の興行に合わせてのタイアップ商品の販売も盛り上がっています。
映画の公開に合わせて9月18日からはアイウエアの販売を行なっているJINSとのコラボレーション商品「JINS×チェンソーマン」が販売スタート。それぞれのキャラクターをモチーフにしたデザインのメガネが5種類発売されました。今回モデルに選ばれたのはデンジ、マキマ、アキ、パワー、レゼの5人。それぞれのキャラクターに合わせたデザインやモチーフの装飾が施されています。
<画像引用元:『「JINS×チェンソーマン レゼモデル」JINS公式Webサイトより (C)2025 M/CSMP (C)TF/S』>
そんな5種類のモデルの中でも圧倒的な人気を誇っているのがレゼモデル。オンラインショップでは発売直後からその人気で早々に売り切れとなり、同じく人気のパワーモデルと共に9月28日再入荷を発表しました
しかし再入荷から再びレゼモデルは即座に売り切れとなってしまい、翌29日に再び再入荷を発表。異例のスピード感での販売再開となったのですが、これもたちまち売り切れとなってしまい10月初頭の時点ではレゼモデルだけが欠品状態となっています。
実店舗での販売も好調なようで、JINS公式Webサイトでは在庫のある店舗を検索できるものの、売り切れの店舗が続出。レゼモデルがどこへ行っても買えないという状態に陥っています。
レゼモデルは下側にだけフレームが付いた、コラボ商品の中では唯一のアンダーリムのデザイン。本来、人を選ぶタイプのデザインではあるはずなのですが、ここまでの突出した売れ行きはレゼの圧倒的な人気を象徴する事態となっています。
そんな状況の中、10月4日から配布される入場者プレゼントの第二弾が原作者・藤本タツキ先生描き下ろしのミニ色紙風カードだと発表され、なんとその絵柄がデンジとレゼの「もしも」の状況を描いた内容として話題になっています。
<画像引用元:『劇場版「チェンソーマン レゼ篇」 入場者プレゼント第二弾 「チェンソーマン」公式Xより (C)藤本タツキ/集英社・MAPPA』>
花束を抱えたデンジの様子を踏まえると映画の終盤を象徴するシチュエーションなのですが、実はこのシチュエーションが映画の作中では「描かれなかった」場面ということでその意味の大きさにファンからは驚きの声が上がっています。
レゼ人気というブーストがかかっている中での新たなレゼに関連した特典の投入ということで、さらなる集客に期待がかかります。
前述の「IRIS OUT」のジャケットイラストもレゼが選ばれており、レゼ自体が今回の映画のヒットを象徴するアイコンになっています。既にレゼ自体が2025年後半の映画界を代表するキャラクターの一人になっていることは間違いないでしょう。この勢いがどこまで盛り上がっていくのか、まだまだ楽しみです。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteでは『アニメ映画ラブレターマガジン』を配信中。X(旧Twitter)⇒@nejimakikoibumi
※サムネイル画像:『劇場版「チェンソーマン レゼ篇」ビジュアル (C)藤本タツキ/集英社・MAPPA』